グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
10月2日は、煮込み料理の愛好家、「煮込ミスト」の橋本きょうへいさんが登場。もつ煮込みを始めとする「煮込み」の魅力や奥深さについてのお話を中心に伺いました。
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「煮込み」の定義を知る
タカノ(MC):まず「煮込ミスト」って名前が超いいですよね。これは橋本さんがつけたんですか?
橋本:浅草キッドの玉袋筋太郎さんにつけてもらいました。2020年に一緒に本を出したんですが、その時に「煮込ミスト」と命名してもらって、そこから勝手に名乗っています。

タカノ:すごい、直々に。出会いはどこだったんですか?
橋本:玉さんは赤坂でスナックをされているんですが、そこで紹介してもらいました。玉さんと話しているうちに、大衆酒場の煮込みが好きという話題になり、「じゃああの煮込みを知っているか?」というのに3〜4件答えていたら、「よし、本出そう」ということになったんです。

タカノ:煮込みが作ったご縁というか、そこから「煮込ミスト」という風になってくるというのがすごいですよね。
橋本:そうですね。本当に感謝してます。
タカノ:改めて、煮込みとは何なのか、というところもお聞きしたいですね。
Celeina(MC):そうですね、定義が。
橋本:僕の中の定義なんですけど、1つとしては、煮込んでようやく美味しくなるような部位が入っている、というのはあるかなと思います。
Celeina:そのままでいただくよりも、煮込んで初めて美味しくなる。
橋本:そうです。もつとか牛すじって、臭かったり固かったりで煮込まないと元々美味しくない部位なんですよ。それを煮込んで提供しているのを「煮込み」だと僕は思っています。だから角煮とかは、煮込み料理ではあるんですけど、煮込みを食べているという感じではないですね。
タカノ:そうなんですね。僕も居酒屋に友だちと行くと絶対もつ煮込みとか頼んじゃうんですよ。「煮込み頼もう」って僕が言うと、絶対誰かが「いいね」って言うんです。みんなが心のなかで支持してるのに、今まであまり語られることなかったですよね。
Celeina:待って、「煮込ミスト」の方ですか?
タカノ:僕も? 違います、名乗るほどじゃない(笑)。詳しくはないけど、煮込みは大好きです。
Celeina:じゃあ橋本さんのお弟子で。
タカノ:今日は弟子入りしたいぐらいです。
橋本:じゃあ、1号で。
タカノ:第1号だった(笑)。
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煮込みを食べることで土着の食文化を知る
Celeina:早速盛り上がってますけど、もつ煮込みって明治時代の頃に東京で誕生した大衆酒場の一品料理なんですね。
橋本:日本各地で煮込みは誕生してるとは思うんですけれども、もつ煮込みのメッカなのは間違いなく東京です。
Celeina:そうだったんですね。いつ頃から愛好家になられたんですか。
橋本:15年前ぐらいに月島の岸田屋さんというお店で煮込みを食べた時に、かなり衝撃を受けたんです。お店によって、牛を使ったり豚を使ったり、味噌ベース、醤油ベース、塩ベースと煮込みにも色々あるんですけど、こんなに違うのかと。岸田屋さんはすごくドロドロで牛の胃袋系とか軟骨系が入っているんですけど、こんなに煮込みって美味しいんだ、深いんだ、というところでハマっていった感じです。
タカノ:美味しそう。もう食べたくなってきちゃった。
Celeina:東京近辺の煮込みの傾向と、関西での煮込みの傾向は違うんですか?
橋本:全然違いますね。関西はあまりもつ煮込みというのはなくて、牛すじを使った「どて焼き」と言われるのが煮込みですね。でも中京エリアに行くと、豚の大腸や胃袋を使った煮込みを「どて」と言うんです。東京は牛もあるんですけど、主に豚の煮込みが多いです。
Celeina:つまり煮込みを食べるだけで、ローカルなバックボーンみたいなのが見えてくるみたいな。

橋本:そうなんです。土着の食文化みたいなものが一緒に煮込まれているのが煮込みだと思っていて、それが大衆酒場のようなお店には置いてある。新しいお店にはあまりないんですけど、古くからのお店に行くとこういう食文化があるんだな、というのが分かるんですよね。
タカノ:煮込みってこんなに深かったんですね。
橋本:その土地のお酒と合わせるのも好きですね。
タカノ:きっと味もそれぞれ違うし、合うお酒も違ってきますもんね。
Celeina:橋本さんはこれまで何杯ぐらい煮込みを食べられてますか?
橋本:全然数えてないですけど4000ぐらいですかね。

Celeina:4000?! 10年間毎日食べられたみたいな感じですか。
橋本:そうですね、1日2杯とか食べていた時期もありますけれども。
タカノ:いやまさに、煮込ミストですよ。煮込みについてこんなに語れるんですもん。そして、今年の7月に大衆酒場に特化した情報サイト「絶景酒場」を公開されたということですが、これはどんなサイトなんでしょうか?
橋本:マップと今日のニュースみたいなもので構成されているんですが、マップ上にピンが刺さっていて、ピンをタップすると、そのお店を紹介している記事に飛ぶんです。全国にピンがあるので、出張とかでどこに行っても酒場を外さないようなマップになっていますね。
タカノ:これ僕も拝見したんですけれども、ピンの数が多すぎて、すごい情報量なんですよ。
橋本:入力するの大変だったんです。
タカノ:これはライターさんが直接情報を書いてるということで、信頼できますね。
橋本:そうですね。もう本当にそのお仕事をしているような酒場ライターさん何名かに声をかけて、協力していただきました。
タカノ:皆さんにもぜひチェックしてもらいたいです。では、ここで1曲お送りしたいんですけれども、橋本さんにこの時間ラジオでみんなで一緒に聴きたい曲を選んでもらいましたが、どんな曲でしょうか?
橋本:はい、Gorillazの”Clint Eastwood”っていう曲です。ヒップホップのHIEROGLYPHICSがすごく好きで、その中にDEL THE FUNKY HOMOSAPIENというラッパーがいるんですけど、そのDELをフィーチャリングしている曲なんです。僕、『フジロック』に毎年行っているんですが、Gorillazがグリーンステージに来た時に、DELが出て来るんじゃないかと思って初めて一番前に行ったんです。結局出なくて声だけだったんですけど、すごく思い入れのある曲ですね。あとフジロックには、群馬の渋川にある永井食堂という煮込みの名店が毎年出店しているので、それを食べるのもフジロックの楽しみの1つですね。
Celeina:え! もつ煮込みをですか?
橋本:そうです。
Celeina:食べたいな。
タカノ:来年は煮込み視点でフジロックに行くことになりそう。それではそちらのGorillazの曲聴いてみましょうか。