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一人でも、道なき道を切り拓くJU!iE(じゅり)。中国からアメリカ、そして日本へ

2023.6.1

#MUSIC

昨年12月にデジタルシングル“What is love???”でデビューを果たしたシンガーソングライターのJU!iE。中国出身の彼女は10代の頃からバークリー音楽大学を目指し、単身ニューヨークにわたって音楽活動を開始。その後活動の拠点を日本に移し、今年3月にはトラックメイカー Gimgigamとコラボレーションした新曲”OTSUKARE”をリリースするなど、その繊細で透き通るような歌声からは想像もつかないほどバイタリティ溢れる活動を続けている。

中国、アメリカ、そして日本を行き来し3カ国語を操りながら「文化の架け橋」を目指すJU!iE。たとえ一人でも、未知の世界へと果敢に飛び込んでいくその勇気やモチベーションは、一体どのようにして培われたのだろうか。「失敗を重ねながらも何度もチャレンジしていくうちに、自分のやりたいことを確信していった」と語る彼女に、その半生をじっくりと語ってもらった。

アメリカのバークリー音楽大学へ行くために。中国で挑戦の日々がスタート。

─JU!iEさんは4歳の頃からピアノを習い始め、かなり早い段階で「将来はプロの音楽家になりたい」と思っていたそうですね。

JU!iE:はい。たまたまテレビでピアノを演奏する人の映像を見て、「かっこいいな」と思ったのが習い始めたきっかけだったんですけど、10代前半で学校の先生に「これからどんな大人になりたい?」と聞かれたとき、真っ先に思い浮かんだのがピアノを弾いている自分の姿でした。今考えてみると、その頃から音楽に救われてきたというか。私の通っていた学校は結構厳しくて、いろいろしんどかった時にピアノを弾いたり音楽を聴いたりして癒されていたことが結構あったなと。

─JU!iEさん自身も「誰かを音楽で癒すことができたら」と思ったわけですね。

JU!iE:そうですね。自分が世の中に貢献できるのは、音楽を通してなのかなと。

JU!iE(ジュリ)
中国出身、北京の音楽学院卒業、単身渡米バークリー音楽院に入学 卒業後、NYで音楽活動を開始、2022年より日本で音楽活動をスタート。 バークリー音楽院にて専攻してきたJAZZをベースに 自身の音楽スタイルを形成、 英語、日本語、中国語3ヶ国語を使ったグローバルな クリエイティングが特徴。アーティスト活動と並行し、楽曲提供、 プロデュースなど幅広い活動を行なっている。また、モデルとしても注目を集 め、Instagram14万人、weiboのフォロワーは50万人を越える。

─その頃はどんな音楽に勇気づけられたり、癒されたりしていたのですか?

JU!iE:クラシックピアノをやっていたのもあって、主にクラシックですね。それから中国のバラードポップを聴いていました。韓国の歌手や、もちろん日本の2000年代の音楽も。当時はまだジャズに出会っていませんでした。

─それなのに、プロの音楽家としてバークリー音楽大学を目指すのもすごいですよね。

JU!iE:「どうやったらプロになれるのかな」と思い、インターネットで「一番すごい音楽の学校」って検索したらバークリーがトップに出てきたんです(笑)。私は中国の南京という、そこそこ都会に暮らしていたのですが、英語も話せないのにアメリカへ行って音楽を学ぶなんて当時はまだ想像つかなくて。その頃はまだ「遠い目標」ですし、そこまでどうやって到達するかを真剣に考えました。

まず、音楽プロになるには、ちゃんとした音楽学校に入る必要がある。高校はとりあえず北京にある中国の音楽学校へ行き、そこからバークリーを目指すことにしました。

─ご両親は協力的でしたか?

JU!iE:最初は全然。「私、バークリーに行きたい」なんていきなり言ったところで、「何言ってんの?」って(笑)。南京から一人で北京へ行くことも(飛行機で2時間くらい)、まだ10代だったから心配されました。私自身も勇気が必要でしたし、まだサポートも必要でした。北京の音楽学校に通いつつ、毎日親を説得していましたね。「アメリカ行きたい~!」って(笑)。

─あははは。そんなJU!iEさんがジャズにハマったのは、高校生のときに参加したバークリーのサマースクール(夏季講習)がきっかけだったとか。

JU!iE:サマースクールは、バークリーの学生以外にも門戸が開かれていて、私はボーカリストとして参加しました。ボーカルはバンドの中でアンサンブルを引っ張る役目ですから、そのためには譜面が必要だよって。「おー、譜面ね。それならピアノ教室でも習っていたし楽勝!」と思ったら、書き方がクラシックとは全然違う。ポップスやジャズの場合、譜面ってコードだけでも成立することを初めて知って衝撃を受けました(笑)。

課題曲として、最初はビル・エヴァンスやチャット・ベイカーのようなクールジャズからスタートし、スティーヴィー・ワンダーやディアンジェロなどのブラックミュージックも演奏させてもらいました。今までとは全然違う世界が広がっているというか、その時に自分が感じた気持ちは今すぐにでも思い出せるくらい鮮烈でしたね。「音楽ってすごいなあ」と心から思いました。

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