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折坂悠太『呪文』短期連載

小袋成彬から折坂悠太に寄せて。『呪文』に感じた「マクロモードで日常を切り取る愛」

2024.9.17

折坂悠太『呪⽂』

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UK在住のプロデューサー、DJ視点で聴いた『呪文』

今回のアルバムを聴いて、折坂さんのオリジナリティーがどんどん磨かれてるなと思いました。俺と折坂さんは同世代で、きっとキャリアの年数も一緒くらいだと思います。だからこそ、折坂さんの歩む人生と音楽の変化に思いを馳せてしまうというか。

小袋成彬『分離派の夏』(2018年)収録曲
折坂悠太『平成』(2018年)収録曲

『呪文』には常に家族がそばにいる感じがあっていいですよね。きっとお子さんもいらっしゃるはずだから、「子供を守る」って言葉が自然と出てくる。流れていく季節に対する視点が一人ではないのが面白いし、自分にはない視点だなと思います。「こういう曲が書けたらな」って思いますよ。

プロデューサー的な視点で言うと、「サックス一本で優しく吹くの、わかってんなー」って思いましたね。ビバップみたいな吹き方じゃなくて、ちゃんと折坂さんの楽曲を下支えするようなサックスの使い方ですよね。「俺もサックス使いたいな」って思いました(笑)。

折坂悠太『呪文』(2024年)収録曲

DJ的な視点だと、“Never(努努)”と“Calmly(凪)”をかけたいですね。リーズにあるCosmic Slopっていうオリジナルサウンドシステムのベニューで今度DJするんですけど、そこは特に音楽が好きな人が踊りに来るナイトクラブなので、この2曲をかけたいなって思いました。

歌詞の語感がユニバーサルですよね。友達と踊りながら一緒に口ずさみたくなるというか。日本語がわからなくても「努努」って言いたくなるし。

折坂悠太『呪文』収録曲
折坂悠太『呪文』収録曲

“People(人人)”もイギリスの人は好きそうだなって思いました。「栄養」「健康」「結構」「正常」って言葉の使い方がいいですよね。特に俺が属しているレコード好きの界隈には絶対刺さるなって思いました。

折坂さんの音楽って「山」感があるというか、日本の独特の風景が思い浮かぶんですよね。気温、湿度、山から吹きおろす風、そこにいる人々、全てが俺の中の日本の風景と重なる。日本で生きて暮らしていないと出てこない音楽だし、だからこそピュアだなと思います。

折坂悠太『呪文』収録曲
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