ハチミツ芸人8組がお笑い界のトップになるべく、話題になりそうなことに全力でチャレンジしていく芸人総合バラエティ『深夜のハチミツ!! Bee The TOP』通称『深夜のハチミツ』。数々の人気番組を輩出してきたフジテレビ深夜のお笑い番組の最新形だ。
ハチミツ芸人と新進気鋭のアーティストがそれぞれタッグを組み、「タオルをブンブンしたくなる曲」というテーマで楽曲を制作する「メジャーデビュー争奪戦!ハチフェス」が始動した。TikTokの再生数と、8月25日に『お台場冒険王』の特設ステージで行われるライブパフォーマンスへの観客投票をもっとも集めたユニットはソニーミュージックから正式にCDデビューすることができる。
ここでは8組による、「音楽×お笑い」の化学変化を記録するために対談連載を実施。今回は角刈りと半袖詰襟のミスター大冒険。と、sabioとしても活動する高村風太に語ってもらった。
INDEX
ミスター大冒険。と高村風太で「ミスタカ」
ーこの企画に参加することが決まったときはどう思いましたか?
井福(ミスター大冒険。):まずはおめでとうございます、と。
りょうせい(ミスター大冒険。):え? なんで?
井福:お笑いの天才と音楽の天才が組むわけですから、日本が豊かになる。国民のみなさんおめでとうございます。
りょうせい:そんなに歌得意だっけ?
井福:めっちゃ下手ですよ。ソウルで歌う系なので。やったことないからワクワクしましたね。

浅井企画所属のお笑いコンビ。体当たり芸人りょうせいと、漢気に溢れた角刈りの井福一本道(いふくいっぽんみち)からなる先輩後輩コンビ。お互い同じ時期に解散し、2021年11月に結成。コンビで同居している。
りょうせい:僕は本当に音楽大好きで。今まで『ハチミツ』でいろんな企画やロケに行きましたけど、これをやると聞いたときにはおめでとうございますでした。
井福:それ俺のやつ!
りょうせい:人前で歌える機会があるってだけでめっちゃ嬉しかったです。元々音痴だったんでけど、1人でカラオケに通って練習したんですね。「ちょっと上手いね」と言われるくらいになったので、今が一番がんばりどころです。
井福:芸人だったら他にもあるけどな。
りょうせい:歌いたいんですよ!
ー高村さんはいかがですか?
高村:ずいぶんまた飛び道具な企画をやるなと思いました。「わっしょい!」みたいな。

メジャーシーンで活躍するアーティストを数多く輩出する「ぷらそにか」のメンバーとして活動し、同グループで結成した「Hi Cheers!」として2020年にメジャーデビュー。バンドの活動が終了の後、ソロプロジェクト「sabio」を始動し、現在はVOCALOIDなどの合成音声を用いた作品でネットシーンを中心に活動中。
井福:お祭りですもんね。
高村:すごくバラエティらしいと思うので、楽しく参加したいなって。
井福:最近こういう音楽企画はなかったので、テレビ復活の兆しになればいいですよね。ポケビ(ポケットビスケッツ)とブラビ(ブラックビスケッツ)のときみたいに。キャイ〜ンさんは浅井企画の先輩なので。僕たちミスタカが。
りょうせい:ミスタカ?
井福:ミスター大冒険。と高村さんでミスタカ。
高村:初めて聞きましたよ。
INDEX
ミュージシャンの登竜門たる音楽スタジオで漫才を披露
ーミスター大冒険。のお2人は普段どんな音楽を聴きますか?
りょうせい:両親がサザンオールスターズの大ファンで、ファン同士で知り合って結婚したぐらいなんです。
井福:へー、痛いっすね。
りょうせい:ちょっと! 親には報告しないであげる。
井福:いったん受け止めるんだ。
りょうせい:なので、ずっとサザンを聴いていて。aikoさんも好きですし、幅広く聴きます。
井福:僕は音楽を聴く文化がなくて、イヤホンも持ってないです。聴くとしたら角田伸晃さん。

りょうせい:自分に寄せすぎじゃない?
ー高村さんはお笑いを見ますか?
高村:同世代の中では見てる方だと思います。劇場には行ったことなくて、同じライブでも音楽とは似てる部分と違う部分があるだろうから、いつか2人のライブを観に行きたいなと。
井福:すぐ来てくださいよ!
りょうせい:初対面のときに高村さんの前でネタをやりましたけど、あれがはじめて生で見るお笑いでしたか?
高村:そうですね。緊張感を感じました。
井福:さすがに音楽スタジオで漫才やることないですよ。高村さんに言われたらやるしかない。
高村:最初にお会いしたスタジオが、いろんなミュージシャンが初レコーディングで使うような、登竜門的な場所だったんで、そこでパンツ一丁になる人はこれまでいなかったでしょうね。「汚さないでくれ」ってちょっと思いました(笑)。
井福:バレてないから大丈夫です!
ー生で見る漫才はいかがでした?
高村:やっぱり映像じゃわからない空気感がありましたね。本当に自分だけに向けてやってもらったので、これから先もあんまりない経験だろうなと思いました。なんか足組みながら見ちゃったんですけど(笑)。

りょうせい:ちょっと!
井福:でも、普段のライブはあんなもんじゃないですから。観にきてほしいですね。
ーちなみに、このマッチングは希望通りでしたか?
井福:僕はもう高村さん一択で。
りょうせい:そうだったっけ?
井福:こいつは1位じゃなかったですよ。すいません!
りょうせい:いやいや、僕も高村さんはけっこう上位でしたよ!
高村:僕は「お任せします」ってスタッフさんに伝えました。
井福:これが天才たる所以ですよ。誰にでも合わせられるという。
高村:やったことのない企画なので、いざやってみないとわからないですから。
INDEX
演歌のパートがあるポップソング
ー今回の曲は、まずどのように発想したんですか?
高村:2人のキャラクターから『ポンキッキーズ』みたいにしようと思ったところが出発点だと思います。
井福:確かに子供番組っぽいところありますよね。衣装の色もムックとガチャピンですし。
りょうせい:あ、ほんとだ!
グーチョキパーでなにをつくろう?
偉い人なんてなりたくないね
くだらないね俺もお前も
きっとずっとおあいこだね
大冒険を今始めよう
見たい聞きたいで溢れてるから
自由自在に変わってゆけ
この人生はきっと喜劇で満ちている
ーお2人のキャラクターにあるポップさやカラフルさが前面に出てますよね。
高村:ディレクターさんも「ポップなのお願いします」と言ってたんで、僕は今回ポップ要員なんだなと思って。締切もめっちゃヤバいって聞いてたから急いで作ったんですけど、意外と他のみんなはゆっくりやっていたので、あれは嘘だったのか? と。
井福:高村さんが早すぎるだけで、嘘ではないです(笑)。
高村:僕もゆっくりやればよかったと後悔してます。ゆとりを持ってやった方が健康にいい。
りょうせい:いや、でもはじめて聴いたときは鳥肌立ちました。すごく短い制作期間だったのに、これを作るのは凄すぎるなって。
井福:素直にめちゃくちゃうれしかったですよね。こんなにやっていただけるんだという。
高村:逆に申し訳ないくらい好き勝手やらせてもらってます。

井福:演歌のパートを入れる発想も高村さんから出てきました。めっちゃいいですよね。そのパートを曲のどこに入れるかは、僕らに託されたのでずっと考えてました。
お笑いも音楽も「思いついたことを並べて、最終的にどうにかする」
ー一緒に曲を作ってみて、ネタ作りとの共通点や違う点を感じたりましたか?
井福:僕は高村さんを見ていてすごく感覚派だと思ったんですよね。ネタはロジカルというか、これをフったらこうなるという道筋があるんですけど、高村さんは空からアイディアが降ってきて、それを掴み取ってピアノを奏でるという感じなのかなと。
りょうせい:個人的には、ネタは舞台でやってみないとわかんないところが多くて、高村さんも「歌ってみないとわからない」って言ってたので、そこは似てると思いました。
高村:僕は全く同じだと思います。思いついたことを並べて、最終的にどうにかするっていう作業なので。
井福:たくさんの人を楽しませるという点でも似ていますね。自分がいいなと思ってもウケないときもあれば、その逆もありますし。

ー現在曲の一部分が公開されていますが、聴きどころを教えてください。
高村:2人の素晴らしい歌が入ってるので、そこだけ聴いてもらえば全てわかってもらえるんじゃないのかな。2人に全てがかかってるので。
井福:そうっすね。僕ら次第ですからね。まあ、余裕です。
りょうせい:誰でもわかる耳心地の良さがありますよ。
井福:練習のために何回も聴いてるんですけど、リズムが覚えやすいです。サビが一番耳に残ると思うので、そこを聴いてもらいたいですね。俺と高村さんが組んだ時点でバズること確定なんで。
りょうせい:僕は応援します(笑)。