劇団温泉ドラゴン×劇団58ROUTEによる日韓共同製作『長生炭鉱――生きたかった』が6月5日(金)から14日(日)まで、東京の座・高円寺1で上演される。
2010年に結成された劇団温泉ドラゴンは、創作した舞台芸術作品を通じ「⽣と死」「⼈を愛するということ」「国家とは」といった⼈類普遍のテーマに挑み、問いかけ、掘り下げる。⽇本国内のみならず、海外の表現者や観客と交流し、国家や⽂化の違いを超えて理解しあえる上質な作品を作ることを⽬的としている。
劇団58ROUTEは、俳優 / 演出家のコ‧スヒが設⽴した韓国‧ソウルの演劇団体。⽇本の⿅児島から沖縄まで続く⽇本最⻑の国道からインスピレーションを得て、「境界を越える物語」を創作の中⼼に据えて活動しており、異なる時代や⾔語を⽣きてきた⼈々の物語を舞台上で交差させ、個⼈の記憶や感情がいかにして現在の私たちへと繋がっていくのかを探求している。
同作は、座・高円寺の2026年度主催公演として上演される。1942年に山口県宇部市の長生炭鉱で起きた水没事故で、183名が犠牲となり、そのうち136名は朝鮮人鉱夫だったが、坑道はコンクリートで封鎖され、犠牲者がいたという事実は80年以上語られなかったという史実に着想を得て創作された。
物語は2025年、ダイバーのアキラとク・ソヨンが遺骨捜索のために潜水するところから始まり、過去と現在を行き来しながら、坑道に閉じ込められた鉱夫たちと、彼らの痕跡を追うダイバーたちの姿が交差する構成となっている。
脚本を務めるのは、キム・ミンジョン。翻訳は石川樹里、演出はシライケイタ(劇団温泉ドラゴン)が担当する。アーティスティックディレクターは、コ・スヒ(劇団58ROUTE)。出演者には、いわいのふ健(劇団温泉ドラゴン)、筑波⻯⼀(劇団温泉ドラゴン)、五⼗嵐明(劇団⻘年座)、内⽥健介、京極洋太、清⽔直⼦(劇団俳優座)、ソ‧ドンガプ、キム‧ジェウン(劇団58ROUTE)、イ‧ジョンウォン(劇団58ROUTE)、パク‧ホンスン(劇団58ROUTE)、ユ‧シヒョン(劇団58ROUTE)が名を連ねている。
同公演は日韓両国の言語で上演されるほか、すべての回において、日本語、韓国語の舞台上字幕が実施される。
韓国と⽇本の演劇⼈が出会い、共に舞台を作るとしたら、どんな物語を書くべきかを考えるのに多くの時間を費やしました。そうして「⻑⽣炭鉱」の話に出会うことになりました。84年前、⽔が流れ込んだ暗い坑道に共に閉じ込められた韓国と⽇本の炭鉱夫たち、そして彼らの遺⾻を引き上げることに⼼を寄せた宇部市の市⺠団体の⼈々と韓国⼈遺族たちの思いを、少しでも作品に込めたいと思いました。⻑⽣炭鉱⽔没事故は、強制徴⽤で連れてこられた136名の朝鮮⼈労働者と⽇本⼈炭鉱夫47名が、⼀瞬にして海底炭鉱の崩壊により命を落とした事故です。事件は戦時中であるという理由で、⼆次被害を防ぐという理由で隠蔽されていました。1970年代に宇部市のある郷⼟史家の著書に記録されるまでは……。その後84年が経った現在、⺠間ダイバーによって発掘された遺⾻はわずか⼆体に過ぎません。炭鉱夫たちは⽔⾯の上へ引き上げられることを望み、現在の⼈々は⽔⾯の下にいる⼈々を引き上げたいと願っています。この作品には⽇本語と韓国語が共に存在します。⾔語の違いは壁を作りますが、互いを理解しようとする⼼が加わると、ある瞬間に壁は崩れます。ただ同じ⼈間であるという⾃覚だけが残るのです。だからこそ、この⾔語の違いという不便さを、どうか楽しんでいただけたら。
キム・ミンジョン(作)
この企画は、劇団58ROUTEの代表であるコ‧スヒと劇団温泉ドラゴンの、⻑年にわたる友情が結実した、いわば我々の演劇活動における⼀つの到達点だと思っています。知らない過去を知る、知らない⽂化を知る、痛みを分かち合う、悲しみを共有する、苦しみを乗り越える、そして明るい未来を共に⽬指す。決して簡単ではない道のりですが、我々にはそれができると信じて、10数年間お互いに励ましあい、いつか共同制作を実現させたいと約束してきました。いつか光が差す未来がやってくると信じ、またそのような未来を次の世代に⼿渡したい⼀⼼で、この作品を共同制作致します。キム‧ミンジョンさんの書いた⾔葉を⽇本⼈の私が演出し、⽇韓⼊り混じった俳優陣が両国の⾔葉で演じます。我々の稽古場には、⽂化と環境の違いを乗り越えようとする信念と、他者を理解しようとする誠意に満ち溢れています。⼭⼝県宇部市で活動する「⻑⽣炭鉱の⽔⾮常を歴史に刻む会」の井上代表をはじめとする皆様からも多⼤なる後押しとエネルギーを受け取ってまいりました。
シライケイタ(演出 / 劇団温泉ドラゴン)
精⼀杯お届けいたします。どうか劇場で⽬撃してください。お待ちしています。
私と温泉ドラゴンとの⻑年の信頼が、まるで奇跡のように共同制作という形へとつながりました。何を語るべきかを模索する中で、⻑⽣炭鉱を題材として選びました。忘れられたことと、忘れたことは違います。⻑⽣炭鉱は韓国では記憶される機会すらなく、⽇本では⻑い間沈黙されてきました。その⼆つの沈黙の間に、この作品があります。
コ・スヒ(アーティスティック・ディレクター / 劇団58ROUTE)
韓国の作家が書き、⽇本の演出家が舞台に乗せ、両国の俳優が共に作り上げていくこの作業は、⽂字通り最初から最後まで共同で作り上げる企画です。お互いの違いを理解し受け⼊れていく過程そのものが、この作品の核⼼です。それぞれの場所から⾒つめ、時にはお互いの場所になってみること⸺それだけで共同制作の意味として⼗分であり、それこそが⻑い沈黙を破ることだと思っています。
『長生炭鉱――生きたかった』

作:キム・ミンジョン
翻訳:石川樹里
演出:シライケイタ(劇団温泉ドラゴン)
⽇程:2026年6⽉5⽇(⾦)〜14⽇(⽇)
会場:座‧⾼円寺 1(〒166-0002 杉並区⾼円寺北2-1-2)
助成:⽂化庁⽂化芸術振興費補助⾦(舞台芸術等総合⽀援事業(公演創造活動))|独⽴⾏政法⼈⽇本芸術⽂化振興会
Kore‧A‧Round Culture
主催:座‧⾼円寺(指定管理者:合同会社syuz’gen)、⼀般社団法⼈劇団温泉ドラゴン
共同製作:⼀般社団法⼈劇団温泉ドラゴン、劇団58ROUTE
後援:杉並区、Ministry of Culture,Sports and Tourism、KOFICE
出演:いわいのふ健(劇団温泉ドラゴン)、筑波⻯⼀(劇団温泉ドラゴン)、五⼗嵐明(劇団⻘年座)、内⽥健介、京極洋太、清⽔直⼦(劇団俳優座)、ソ‧ドンガプ、キム‧ジェウン(劇団58ROUTE)、イ‧ジョンウォン(劇団58ROUTE)、パク‧ホンスン(劇団58ROUTE)、ユ‧シヒョン(劇団58ROUTE)
アーティスティック‧ディレクター:コ‧スヒ(劇団58ROUTE)
美術:松村あや
照明:奥⽥賢太(colore)
⾳楽:的場英也
⾳響:⾓張正雄
⾐装:⻄原梨恵
演出助⼿:EMMA
通訳:彩恵
⽅⾔指導:野依康夫
舞台監督:⻘⽊規雄(箱⾺研究所)
宣伝美術:椚⽥ 透(nix graphics)
ハラスメント対策アドバイザー:植松侑⼦(合同会社syuz’gen)
アクセシビリティ‧コーディネーター:宮本晶⼦(合同会社syuz’gen)
企画プロデューサー:チョン‧スヨン(劇団58ROUTE)
制作:古川真央、川勝俊輔、平野后久良、三次佑果(以上、合同会社syuz’gen)、チョン‧イェジ(劇団58ROUTE)
チケット情報(発売中)
全席整理番号付⾃由席 ∕ ⾦額は税込表記 ∕ 割引チケットは前売券のみの取扱い
【前売料⾦】⼀般:5,000円(当⽇券+500円)、初⽇割:3,500円、前半割‧平⽇夜割‧杉並区⺠割引:4,000円、障害者 割引:3,000円(介助者1名無料)、U25:2,500円(当⽇券+500円)、⾼校⽣以下:1,000円(当⽇券+500円)
【チケット取扱‧問い合わせ先】座‧⾼円寺ボックスオフィス
電話予約 03-3223-7300(10:00〜18:00∕⽉曜定休)
窓⼝販売 劇場2Fオフィス(10:00〜18:00∕⽉曜定休)