Netflixシリーズ『ガス人間』の配信記念イベントが、6月29日に東京ミッドタウンのホールAにて開催された。
同作は、東宝の特撮映画『ガス人間第一号』(1960年)を完全オリジナルストーリーでリブートした全8話のドラマシリーズ。7月2日(木)よりNetflixにて世界独占配信される。エグゼクティブプロデューサーと脚本はヨン・サンホ、監督は片山慎三が担当。主人公の刑事・岡本賢治役を小栗旬、報道記者・甲野京子役を蒼井優が演じるほか、広瀬すず、林遣都、竹野内豊が出演。ガス人間役は、同作で俳優デビューを果たしたUTAが務める。
配信記念イベントは、同作にも出演しているクリス・ペプラーのMCで進行。小栗、蒼井、広瀬、林、UTA、竹野内、ヨン・サンホ、片山監督の8名が登壇した。スモークの中からガス人間役のUTAが姿を現し、続いてキャストとクリエイター陣が登場。小栗が「素晴らしいキャスト、クリエイターの皆さんと作ったこの作品を、ようやくお届けできることが嬉しいです」と挨拶し、蒼井は「8カ月という長い期間をかけて、じっくりと熱量を注ぎ込んだ作品です。こうして皆さんの前でお披露目できる日を迎えられて、本当に胸がいっぱいです。今日がとても待ち遠しかったです」と語り、同イベントが幕を開けた。


続けてUTAは、「今回、自分にとって人生で本当に初めての演技挑戦ということで、撮影中も今も、まだ慣れない部分や至らない部分が本当にたくさんあるのですが、この『ガス人間』という素晴らしい作品の力になれるよう全力で挑みました。こうした華やかな場に立たせていただくのも初めてなのでとても緊張していますが、どうか温かく見守っていただければ幸いです」と謙虚ながらも力強くコメント。全エピソードのメガホンをとった片山監督は、「自分がこのお話をいただいてから、足掛け6年という長い時間をかけてじっくりと熟成させ、丹念に作り上げてきた作品です。今日という素晴らしい日を迎えられたことは、監督として非常に感慨深く、感無量です」と思いを明かした。
トークセッションでは、ヨン・サンホが「原作の『ガス人間第一号』は、当時として非常に斬新なアイデアと素晴らしい特撮技術で作られた傑作であり、何より根底にある重厚なヒューマンドラマが極めて魅力的でした。今回の現代版リブート作品でも、そのエッセンスを大切にし、SFやスリラーとしての面白さはもちろん、現代社会を生きる人間たちの剥き出しの欲望やドラマを深く描き出すことに注力しました」と原作への深いリスペクトを語った。
さらにヨン・サンホは、映画監督のギレルモ・デル・トロとのエピソードを披露。「実は先日、映画監督のギレルモ・デル・トロ氏とお会いする機会があり、私が『いま日本でガス人間をリブートしている』と伝えたところ、デル・トロ監督が非常に興奮されて、『もちろん知っているとも! 実は私の映画『ヘルボーイ2』に登場するヨハン・クラウスというキャラクターは、まさに東宝の『ガス人間第一号』から多大なインスピレーションを受けて作ったものなんだ!』と明かしてくれたんです。原作が世界中のクリエイターにどれほど大きな影響を与え、愛され続けているかを再確認しましたし、今回の新しいシリーズも、世界中のファンの期待を裏切らない普遍的な強度を持った素晴らしいクオリティに仕上がったと確信しています」と語り、同作のグローバルな可能性に自信を見せた。

また、片山監督は映像表現のこだわりについて、「見どころは本当に全編に散りばめられていますが、特に象徴的なのはガス人間のビジュアル表現です。撮影現場では当然、ガスになった状態のUTAさんはいないので、小栗さんをはじめとする演者の皆さんには、何もない空間や空を見上げながら、想像力だけで驚きや恐怖を表現していただくという難しいお芝居をお願いしました。実際そのガス人間が最新鋭のCGとしてどう立ち上がるのか、人間からガスへ、あるいは石像からガスへと変化していくリアルな質感、車のダイナミックなバックフリップをはじめとする現代の技術ならではのダイナミックな演出など、徹底的にリアリティにこだわって作りました」と、VFXを担当した白組との撮影の裏側を解説した。

キャスト陣は、それぞれの思惑を持って事件に関わる登場人物たちの役作りについてもトークを展開。小栗は、「賢治は正義感だけでなく、非常に情に厚く人間味のあるキャラクターです。完璧なヒーローではなく、目の前で起きている“前代未聞のあり得ない現実”に困惑し、葛藤しながら泥臭く突き進んでいきます。警察が手に入れる情報だけでは、常にガス人間の引き起こす怪事件のスピードに一歩遅れてしまう。そのもどかしさや感情の揺れが、観客の皆さんにとって物語の入り口として感情移入しやすい存在になっていると思います」と、キャラクターの人間らしい魅力をアピールした。
蒼井は、「京子は非常に芯が強く、タフな行動力を持った女性です。単に強いだけでなく、日常の中に潜む小さな違和感や、異常事態の裏にある繊細な人間のドラマを鋭く見抜いていく。警察の捜査とはまた違った、記者という独自の鋭い視点があることで、作品の持つ人間ドラマの奥行きがさらに一段と深くなっていると感じながら演じました」と振り返った。


動画配信者兄妹を演じた広瀬と林は、息の合った掛け合いを披露。広瀬が「華歩はこれまでの登場人物たちとは全く違う、非常に軽やかで現代的な感覚を持った女の子です。配信者という立場だからこその事件との距離感やスピード感、物語を予想外の方向へ引っかき回していく面白さに注目してほしいです」とコメント。
続けて林は、「妹の華歩に振り回されながらも、発信する側として情報がどう社会に伝わっていくかまで含めて事件に関わっていくのがとても現代的で面白かったです。撮影現場でも広瀬さんとのコンビとしてのテンポ感を大切にしました。ちなみに、お互い普段から久々に会っても不思議とあまり多くを喋らない空気感があるのですが、それが富士太と華歩のリアルな兄妹の距離感にそのまま活きていた気がします」と明かし、会場は笑いに包まれた。


UTAは、「人間離れした存在を演じるにあたり、言葉よりも身体の所作や動き、目線ひとつでいかに説得力と不気味さを作り上げるか、という点に最も心を砕きました。片山監督とも細かく相談しながら、衣装やメイクの細部に至るまで、どうすれば“得体の知れない恐怖と哀哀さ”を両立できるか、相当な準備と模索を重ねて撮影に挑みました。毎日が本当に刺激的で、役者として素晴らしい経験をさせていただきました」とコメント。
黒い噂の絶えない企業の社長・森靖利を演じた竹野内は、「森は一見すると只者ではない圧倒的な不穏さをまとった人物ですが、ただ怖いだけでなく、その裏に隠された複雑な奥行きやギャップを意識しました。今回はキャラクターのビジュアルの作り込みも含めて、今までの私のイメージを覆すような強いインパクトを持つ人物になっています。彼が物語の緊張感をどう支え、どのような奥行きをもたらすのか、本編でぜひ確かめていただきたいです」と語り、役作りに関するトークを締め括った。


イベントの後半には、観客がスマートフォンを使って謎解きに挑むクイズ企画『ガス人間 合同捜査レビュー』を実施。合間には、作中に登場するラーメン店「文庫ラーメン」のセットの再現や、作中で手がかりとなる「ポラロイド写真」などのキーワードを交えたトークも展開された。
最後に登壇者を代表した小栗が、「この作品は、前代未聞の事件そのものの衝撃はもちろん、映像の迫力、そして登場人物たちが織りなす人間ドラマの広がりに至るまで、まさに“新次元”の名にふさわしいスケールの大きなクライムスリラーに仕上がっています。今日皆さんがここで集めてくださった手がかりの先にある真実を、ぜひ7月2日配信の本編で目撃してください」と呼びかけ、同イベントは幕を閉じた。
Netflixシリーズ『ガス人間』
Netflixにて2026年7月2日(木)世界独占配信 (全8話(一挙配信))
原作: 『ガス人間第一号』(監督:本多猪四郎/脚本:木村武)
監督: 片山慎三
脚本: ヨン・サンホ、リュ・ヨンジェ
エグゼクティブ・プロデューサー: ヨン・サンホ、市川南、大田圭二、臼井央、佐藤善宏(Netflix)
企画・プロデュース: 馮年、呉良次
プロデューサー: 小野田壮吉、ヤン・ユミン
企画: 山内章弘
VFX: 白組
VFXスーパーバイザー: 髙橋正紀、新堀巧
企画・製作: 東宝
共同企画・制作: WOWPOINT
制作プロダクション: TOHOスタジオ
配信: Netflix
キャスト: 小栗旬 蒼井優 広瀬すず 林遣都 UTA
芋生悠 伊島空 こばやし元樹 古館寛治 川瀬陽太
野村周平 中島歩 斉藤柚奈 柊木陽太 三河悠冴 松浦祐也
モーリー・ロバートソン 吉原光夫 三石琴乃 近藤芳正 和田光沙
髙嶋政宏 賀来賢人 森川葵 原日出子 中野英雄 夏川結衣
酒向芳 ピエール瀧 岡部たかし 青木崇高 竹野内豊