フェスティバル期間中は、展示にとどまらず多彩なプログラムが展開。ホイットニー美術館やポンピドゥー・センターなどから国際的なキュレーターを招いたトークプログラムが実施されるほか、アジア全域の写真の可能性を探る写真フェア『T3 PHOTO ASIA』、アーティストや出版者が集うブックフェア『T3 BOOK MARCHE』などが同時に開催される。
現代写真を理解するうえで大切なのは、どの作品が展示空間の壁面で力を発揮し、どの作品が写真集のページの上でこそ本来の姿を見せるのかに目を向けることです。写真表現の広がりはいま、かつてなく多様になっています。空間の中でしか成立しない作品がある一方で、本というかたちの中でのみ存在し得る作品もある。 写真とAIをめぐる議論が続くなか、その応答のひとつは、写真が本来持つ感光材料そのものに立ち返ること、あるいはフォトブックという物語形式と、そこに生まれる個性的な表現の可能性に向き合うことではないでしょうか。日本で出版されたロバート・フランクの『The Lines of My Hand』や、森山大道の『写真よさようなら』を、AIが構想できたとは思えません。 だからこそ、今年フェアと連動してT3 BOOK MARCHEが開催されることを、嬉しく思います。アジアには豊かな出版文化が根付いているだけに、その意義は大きい。ヨーロッパではなかなか手に取ることのできない優れた作品や写真集と出会える場として、私自身も参加できることを楽しみにしています。
日程|2026 年 10月3日(土)~26日(月) *T3 PHOTO ASIAは10月16日(金)~19日(月)にTOFROM YAESU TOWER 6F「東京建物 ぴあ シアター&カンファレンス」で開催 開催エリア|東京・八重洲、日本橋、京橋、銀座エリアの屋内、屋外会場 入場: 無料 主催|一般社団法人 TOKYO INSTITUTE of PHOTOGRAPHY 主管|株式会社シー・エム・エス 企画|T3 PHOTO FESTIVAL TOKYO 実行委員会
■ T3 PHOTO ASIA アジア全域における写真の文化的・創造的な可能性を再考することを目的にスタートした写真フェア。地域の歴史や美学、ユニークなローカルストーリーに光を当てることで、アジアのギャラリー、アーティスト、機関をつなぐプラットフォームを目指します。単なる写真フェアではなく、アジアの写真文化を発見・文脈化し、その価値を東京から世界へと発信するダイナミックなエコシステムの構築を目指しています。 会場|TOFROM YAESU TOWER 6F「東京建物 ぴあ シアター&カンファレンス」 ディレクター|金廷恩(キム・ジョンウン) 開催日|2026年10月17日(土)、18日(日)、19日(月)*10月16日(金)はVIP DAY
■ T3 BOOK MARCHE T3 BOOK MARCHEは、アーティストや出版者が自ら作品を持ち寄るブックフェアです。作り手と受け手が直接出会う場として、地域を横断するアジアの写真集や作品が一堂に集います。T3 PHOTO ASIAと同時開催することで、批評とマーケット、機関と個人、展示と出版、そして親密さと距離という、写真をめぐる異なる回路が、同じ場所に並び立ちます。 ディレクター|金秋雨(キン・シュウウ) 開催日|2026年10月17日(土)、18日(日)
■ T3 Talk Program ホイットニー美術館、ポンピドゥー・センター、シカゴ美術館–世界の主要文化機関のキュレーターたちが東京に集い、写真とアジアの現在を語る3日間。 ・ドリュー・ソイヤー/ホイットニー美術館 キュレーター ・フロリアン・エブナー/ピンピドゥーセンター 写真部門チーフキュレーター ・ジュリー・ジョーンズ/ヨーロッパ写真美術館 ディレクター ・イェチェン・ザオ/シカゴ美術館 写真部門キュレーター ※その他国内外からの全ゲストは8月に発表予定 開催日|2026年10月17日(土)、18日(日)、19日(月)
■ T3 NEW TALENT 「Five Views-箱庭日本-」 世界に向けて活躍できる現代作家やキュレーターを発掘・支援することを目的にスタートした 「T3 NEW TALENT」。そこで選ばれた5組の日本人作家による展示「Five Views- 箱庭日本-」がパリ日本文化会館にて開催されます。参加作家は THE COPY TRAVELERS、千賀健史、鈴木麻弓、南川恵利、宮地祥平の5組。それぞれが写真を独自の視点から捉え、思考や物語、社会との接点を探る表現を展開します。 開催日|2026年10月6日(火)~11月14日(土) 会場|パリ日本文化会館 地上階エントランスホール キュレーター:小高美穂 コーディネーター(T3 NEW TALENT 育成対象者):玉置慎輔