PARCOの2025年SPRINGシーズン広告が公開された。
同広告には、クリエイティブディレクターとして中国・揚州出身の写真家、レスリー・チャン(Leslie Zhang)を日本企業として初めて起用。1992年生まれのレスリー・チャンはLouis VuittonやPRADA、Moncler、GIORGIO ARMANIなどさまざまなブランドのキャンペーンを手がけるほか、これまで「Forbes 30 Under 30」や「Dazed100」などに選出され、注目を集めている。
広告では、伝統と新しいものが交じり合う1990年代の上海を舞台に、似たもの同士のふたりが、手紙のやりとりというシンプルな方法で出会う物語を描く。SPRINGムービーでは「春叙」として物語のプロローグ、4月中旬頃に公開のSUMMERムービーでは「夏遇」として同じ物語のエンディングが示され、情報が錯綜する現代で、あらためて⾒い出したい⽇常への祝福を表現したものとなっている。
広告の公開に際し、アザーカットとレスリー・チャンへのインタビューが公開された。




【クリエイティブディレクター Leslie Zhang インタビュー】
―この物語はどのようにして生まれましたか?また、この物語にどんな思いを込めましたか?
私が育った1990年代のころの、シンプルな愛のかたちをもう一度見つめ直したいと思いました。手紙を書くということは、純粋な想いを表現するとてもシンプルな方法でした。この作品を通して、誰もが抱いていたであろう繊細な気持ちや想いを、中国で生まれ育った私と同世代の人たちだけではなく、世界中の人々に思い起こしてもらいたいと思っています。
ー「春叙」というタイトルに込めた思いや意味を教えてください。
初々しいふたりの恋の物語を構成する2つの章に、それぞれ中国語のタイトルをつけています。春の物語の「春叙」は、男女がやりとりをする手紙の一文一文に静かに漂う、かすかな憧れの気持ちや恋心を描いています。
―最近、繊細な感情や感動を覚えた瞬間はありましたか?
撮影・編集を終えて、春と夏の2本の映像を音楽とともに、はじめて全編通して見たときに、とても感動しました。それは単に、自分がつくり手であるという感覚を超えていて、まるで自分自身が本当にこの幻想的な瞬間を生きていたかのように感じた瞬間でした。

【コンセプト】
PARCO 2025 Spring – 春叙

やわらかい日差しや、いきいきとした木々のゆらめき。
うつろう季節が運ぶ、ほのかな匂い。
おだやかな時間に響く、鳥のさえずり。
立ち止まれば、
身のまわりにあふれる機微の、ひとつひとつが輝き出す。
あなたの日常は、とても美しい。