企画展『荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ』が、10月30日(水)から12月16日(月)まで、東京・六本木の国立新美術館で開催される。
コラボレーションをアート活動の軸に捉え、2000年代から国際展や美術館でパフォーマンスアートを発表してきた福島県出身米国在住のアーティスト、荒川ナッシュ医(あらかわなっしゅえい)のアジアでは初の美術館個展となる同展。国立新美術館でパフォーマンスアーティストの大規模個展が開催されるのも今回が初となり、「生きた美術館」をテーマに21世紀のパフォーマンスアートの現在形を鑑賞者と探る展示となっている。
会期中は、絵画を用いてダンスでコミュニケーションする『マッド・ガーランド(怒りの花綱飾り)』、絵画の中に吸い込まれる『ネメシス・ペインティング(宿敵の絵画)』などのパフォーマンスアートが予定されており、荒川による「乗り降り自由。好きな時に参加して、好きなタイミングで離脱OK」の即興的な展覧会ツアーを毎週実施。
さらに、毎週日曜日には、2021年にテートモダンで発表された具体美術協会の吉原治良へのオマージュ作品で、誰でも自由に美術館の展示室の床に絵が描ける参加型インスタレーション『メガどうぞご自由にお描きください』も開催される。
パフォーマンスのスケジュールは同展公式サイトから確認可能。
また、同展のための書き下ろし新曲による楽曲インスタレーションでは、アンリ・マティスの3点のドローイング作品『顔』に着想を得た松任谷由実 & 松任谷正隆の”小鳥曜日”、画家・丸木俊(赤松俊子)の3つの絵画をインスピレーションにした寺尾紗穂の”ミクロネシア三景”を展示。このうち”小鳥曜日”は11月16日(土)に繰り返し楽しめる特別イベント『旅立つ秋』が予定されており、ロビーでは荒川と来館者によるトークイベントも実施される。
ほか、デイヴィッド・メダラの自画像を元に荒川が制作したLED絵画とハトリ・ミホの”Hello Hello Halo-Halo (ハロハロハロハロ)”、オノ・ヨーコの『インストラクション・ペインティング』に触発されてキム・ゴードンが制作した47の断片的な新トラックも公開される。
さらに、美術家のロバート・ラウシェンバーグが1960年に発表した4連作『サマー・レンタル』に基づいたLEDが集まった部屋で、哲学者・千葉雅也の初戯曲となる作品を、『ハイキュー!!』の日向翔陽役や『ひろがるスカイ!プリキュア』の夕凪ツバサ / キュアウイング役などを務め、幅広い声色で知られる声優・村瀬歩が演じる。
1950年代のニューヨークのカリスマ的クィアアーティストのロバート・インディアナ、エルズワース・ケリー、アグネス・マーティンらによる作品をLEDで再現したスペースも設けられる。
個展でありながら、荒川に協力する多数の画家の作品が2000㎡の会場内に設けられる9つのセクションに登場するのも特徴で、河原温(かわらおん)の日本未公開ドローイング、日系アメリカ人アーティストのミヨコ・イトウの絵画、ニコール・アイゼンマンの世界初展示の肖像画などが鑑賞可能。さらに、同展のためにつくられた作られた映像作家・斎藤玲児の映像作品や、ブルース・コナーによる1967年の前衛映像作品『白いバラ』も展示される。
なお、入場料は無料となっている。
『荒川ナッシュ医 ペインティングス・アー・ポップスターズ』
会期
2024年10月30日(水) ~ 2024年12月16日(月)
休館日:毎週火曜日
開館時間
10:00~18:00
※毎週金・土曜日は20:00まで
※入場は閉館の30分前まで
会場
国立新美術館 企画展示室2E
〒106-8558東京都港区六本木7-22-2
主催
国立新美術館
協力
タカ・イシイギャラリー、株式会社中川ケミカル
観覧料
無料
お問合せ
050-5541-8600(ハローダイヤル)