アメリカの優れたテレビ番組などに贈られるエミー賞の主要部門が現地時間9月15日(日)に発表され、真田広之が主演とプロデューサーを務めた配信ドラマ『SHOGUN 将軍』が作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞を獲得した。
同作は、1975年に発表されたジェームズ・クラベルのベストセラー小説『SHOGUN』を映像化したDisney+「スター」の独占ドラマ。関ヶ原の戦い前夜の日本を舞台に、徳川家康や石田三成ら歴史上の人物にインスパイアされた、天下獲りに向けた陰謀と策略の「謀り事」を壮大なスケールで描いている。
監督賞は第9話『紅天』(英題:Crimson Sky)を手掛けたフレデリック・E・O・トーイが受賞。主演男優賞は吉井虎永役を演じた真田広之、主演女優賞は戸田鞠子役を演じたアンナ・サワイがそれぞれ受賞した。日本人初の主演男優賞を受賞した真田からは、喜びとともにシリーズ最新作への意気込みを語るコメントが寄せられた。
真田広之 プロデューサー/吉井虎永役(作品賞、主演男優賞受賞)
チームメートがたくさん会場にいてくれたので、ひとりじゃない、みんなの代表としていただくという思いで壇上に上がりました。
この意味は数年後にわかる気がする。自分にとっても大きなことですが、今後の業界、若い俳優たちに大きな布石になるのではないかと。いろんな才能が海外に飛び出していくのをサポートしたい。
世界中から次も観たいという声をいただき、次(シーズン2)もやろうかという話になった。ライターズ・ルームがオープンし、ロケ地・スタッフィングの話をしています。SHOGUNのテイストに合ったものを選びながら、フィクショナル・エンターテイメントとして仕上げていきたい。1年後(の撮影開始)を目指しています。長い旅の始まりに今、立ったところ。70%が日本語のセリフの作品が、この結果に繋がったことは、(SHOGUNの物語を伝える)可能性が広がったと感じます。
アンナ・サワイは日本人かつアジア系俳優として初めての主演女優賞の獲得となり、受賞の感想や今後の女優としての目標を語ったほか、助演男優賞にノミネートされていた石堂和成役の平岳大からもコメントが寄せられた。
アンナ・サワイ 戸田鞠子役 (主演女優賞受賞)
――アジア人初の主演女優賞受賞という歴史的快挙について感想は?
夢のようで本当にまだ信じられてない、明日起きたら一回つねってみたいです。
――今回の受賞を誰に伝えたいですか?
一番は母親です。今日も授賞式に一緒に来てくれてステージ上からも感謝の気持ちを伝えました。あとは、日本人のコミュニティの皆さんと一緒に祝いたいです。
――今後の女優としての目標は?
自分にとって意味のあるものを演じたい。SHOGUNのように、キャラクターが自分の一部になって、観てる皆さんが感じ取るものが大きい、奥の深いキャラクターや物語を選んでいきたい。
――日本のファンへのメッセージ
いつも応援して頂いてありがとうございます。これからも国境問わず色んな所で頑張って皆さんと一緒に盛り上げていきたいです。
平岳大/石堂和成役 (助演男優賞ノミネート)
――エミー賞授賞式に参加されて、作品賞受賞の際、壇上に上がられていかがでしたか?
しばらくの間、手が震えてました(笑)。
――『SHOGUN 将軍』、素晴らしい結果になっていますが、どのあたりが評価されたと思いますか?
どのあたりでしょう……ミステリアスな部分、共感できる部分がいい具合にミックスされたからですかね。
――受賞を受けて、日本でも盛り上がっていますが、日本のファンに向けて一言いただけますか。
『SHOGUN 将軍』をまだご覧になっていない方は、是非ディズニープラスでご覧ください!
同作は現地時間9月8日(日)に発表された技術 / 美術系などの部門でも14冠を獲得しており、今回主要部門で4冠を受賞したことで合計18冠に輝いた。18部門での受賞はエミー賞史上最多となり、日本人の受賞者数も史上最多の9名に上る歴史的な快挙となった。また、短編部門のノンフィクション / リアリティシリーズ賞を特別番組『The Making Of Shōgun』が受賞している。
『SHOGUN 将軍』第76回プライムタイム・エミー賞 受賞18部門
• ドラマ・シリーズ部門 作品賞
• ドラマ・シリーズ部門 監督賞(フレデリック・E・O・トーイ 第9話『紅天』)
• ドラマ・シリーズ部門 主演男優賞(真田広之)
• ドラマ・シリーズ部門 主演女優賞(アンナ・サワイ)
• ドラマ・シリーズ部門 ゲスト男優賞(ネスター・カルポネル)
• ドラマ・シリーズ部門 キャスティング賞
• ドラマ・シリーズ部門 編集賞
• コメディ / ドラマ・シリーズ部門 音響編集賞
• コメディ / ドラマ・シリーズ部門 音響賞
• シングルカメラシリーズ部門 撮影賞
• 歴史劇部門 衣装デザイン賞
• 歴史劇&ファンタジー部門 メイクアップ賞
• プロステティック メイクアップ賞
• 歴史劇&ファンタジー部門 ヘアースタイリング賞
• スタント・パフォーマンス賞
• 歴史劇&ファンタジー部門 プロダクション・デザイン賞
• シーズン / テレビ映画 視覚効果賞
• メインタイトルデザイン賞
『SHOGUN 将軍』作品情報
■エグゼクティブ・プロデューサー:ジャスティン・マークス/レイチェル・コンドウ/ミカエラ・クラベル
■監督 :第 1 話・第 2 話 ジョナサン・バン・トゥレケン/第 3 話 シャーロット・ブランドストーム/第 4 話・第 5 話・第 9 話・第 10 話 フレデリック・E・O・トーイ/第 6 話 ヒロミ・カマタ /第 7 話 福永荘志 /第 8 話 エマニュエル・オセイ=クフォー
■出演 :真田広之/コズモ・ジャーヴィス/アンナ・サワイ/浅野忠信/平岳大/西岡德馬/二階堂ふみ/阿部進之介ほか
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あらすじ
戦国最強の武将・虎永は、覇権を狙う五大老と敵対し命をかけて戦う武将。彼に敵の包囲網が迫っていたある日、英国人航海士、ジョン・ブラックソーン(後の按針・コズモ・ジャーヴィス)が虎永の領地へ漂着する。虎永は、語学に堪能でキリスト教を信仰する戸田鞠子(アンナ・サワイ)に按針の通訳を命じ、次第に按針と鞠子の間には固い絆が生まれ始める。一方で按針を利用して窮地を脱する虎永だが、按針から世界を見聞きし、幾度も命を救われることで侍の地位に取り立てることに。そんな中、五大老の脅威が次々に迫り、ついには絶体絶命に追い詰められる虎永。しかし彼の勝利への種まきは按針の漂着からすでに始まっていた――。虎永の壮大なる謀り事、果たして彼は、按針と共にこの乱世を制することができるのか⁉
●書籍情報
原作本:「将軍」全4巻 全世界で1500万部以上売れた大ベストセラー、ここに復刊!
著者:ジェームズ・クラベル 出版社:扶桑社 1〜4巻発売中。
●サントラ情報
SHOGUN 将軍(オリジナル・サウンドトラック)配信中 アーティスト:アッティカス・ロス, レオポルド・ロス, ニック・チュバ
ピクサー・アニメーション・スタジオ製作『ソウルフル・ワールド』の音楽を手掛けたアッティカス・ロスやレオポルド・ロス、ニック・チュバによるスコアを収録。各楽曲の編曲は日本でも稀有な雅楽作曲家・音楽プロデューサーとして活動する石田多朗が担当。