テリー・ライリー(Terry Riley)が代表作“In C”の誕生60年を祝した奉納演奏を、7月21日(日)に京都・東山の清水寺で行う。
ミニマルミュージックの創始者と言われ、6月に89歳を迎えたテリー・ライリー。1964年に制作した“In C”はライリー自らが「自身を象徴する楽曲」と語り、ミニマルミュージックの代表曲として世界中で演奏され続けている。
同企画は“In C”の「60歳の誕生日をお祝いしたい」というライリーの強い希望のもと実現。同曲や京都に対する思いが開催に向けた本人のコメントで語られている。また、ライリーは2009年に同曲の演奏からの引退を決めた後、数々のオファーを断っており、演奏へ参加するのは15年ぶりとなる。奉納演奏には、弟子であるSARA(宮本沙羅)のほか、梅津和時、大野由美子(Buffalo Daughter)、蓮沼執太ら約50人の演奏家が参加する。
開催日の7月21日(日)は満月となり、世界遺産である清水寺の本堂を舞台に、月明かりの下で名曲が演奏される貴重な機会となる。
チケットは発売と同時に完売。公式オンラインストアでは、”In C”誕生60周年を記念した限定グッズが販売されている。
<テリー・ライリーより 開催に向けて>
「In C」の曲(一部)が私の中に降りてきたのは、1964年の或る夜。その瞬間、私はバスに乗っていました。サンフランシスコのゴールドストリートにあるサルーンでラグタイム・ピアノを弾くピアノ弾きとして生計を立てていたのです。この曲は、まさに世界がその出現を待ち望んでいたイヴェントであったかの如く、非常に有名になり長年にわたって世界中で数えきれないほど演奏されてきました。
2024年の今日、私は、今年60周年を迎えた「In C」を上演し、お祝いをしたいと思いつきました。言うなれば「歳をとった女の子」へのお誕生会です 。
どの場所が良いだろうかと思案した結果、京都が良いだろうと思いました。街が纏うスピリチュアルな雰囲気は、「In C」という楽曲が狙う意図にも一致します。
多くの演奏家に参加いただくことで、宇宙に捧げる歴史的な祝祭になるであろうと、胸を躍らせています。
素晴らしく、そして京都にあって非常に重要な寺院・清水寺は、この祝祭にうってつけの場所でしょう。仮に雨に降られたとしても、それから守ってくれさえもします。
2009年に行った、ニューヨークのカーネギーホールでの演奏の後、私はこの「In C」を演奏することからリタイアしていました。ですが、私は喜んでこの京都での祝祭を例外とするつもりです。
このアイディアを実行に移してくれ、実現させるために助けてくれた全ての人に、特に清水寺の大西英玄氏、中村周市氏と宮本端氏に感謝を。最後に「In C」の60周年を祝うために駆け付けてくれた全ての演奏家の皆さんに感謝を。
2024年6月 テリー・ライリー
In C-60th Birthday Full Moon Celebration at Kyoto Kiyomizu-dera Temple, July 21, 2024 〜「In C」誕生60年を祝う奉納演奏 〜
会場:音羽山 清水寺 本堂舞台
日程:2024年7月21日(日)
開場時間:20:00
開催時間:20:30(終演:21:30頃を予定)
出演:テリー・ライリー、SARA(宮本沙羅)他、梅津和時、永田砂知子、大野由美子(Buffalo Daughter)、ヨシダダイキチ、蓮沼執太、AYAら、50名程度を予定
企画・主催:テリー・ライリー
制作総指揮:しばし
協力:音羽山 清水寺
「Feel Kiyomizudera」プロジェクトチーム