令和5年度地域創造大賞(総務大臣賞)が12月8日(金)に発表され、ロームシアター京都(京都会館)など5施設が受賞した。
同賞は地域における創造的で文化的な表現活動のための環境づくりに、特に功績のあった公立文化施設を顕彰する事業で、一般財団法人地域創造が2004年度に創設。20回目の表彰となる今回は、ロームシアター京都のほかに、深川市文化交流ホールみ・らい、神奈川県立県民ホール神奈川芸術劇場(KAAT神奈川芸術劇場)、豊中市立文化芸術センター、和歌山県立近代美術館が受賞した。
京都会館は前川國男の設計により1960年に開館。改築を経て2016年にロームシアター京都としてリニューアルオープンした。受賞においては、劇場が主体的に作品を製作する「レパートリーの創造」や、中学1年生から18歳を対象に人材育成を行う「芸術の学校」など、「創造」「育成」「交流」「生活」の4つを柱とした取り組みにより、文化芸術都市・京都における劇場文化の振興に貢献したことが評価された。
深川市文化交流ホールみ・らいは、施設計画に携わった市民文化団体有志の設立によるNPO法人深川市舞台芸術交流協会が2006年から運営。クラシック音楽のアーティストと絆を育み、市内全小中学校へのアウトリーチ、エントランスコンサート、創造的な市民参加事業を意欲的に展開した。
KAAT神奈川芸術劇場は、新進アーティストを起用した演劇やダンスの斬新な新作を多数プロデュースしたほか、ファミリー層に新しい舞台体験を提供する「KAATキッズ・プログラム」、オリジナルプロダクションによる県内ツアーなど、高度な舞台芸術の広域拠点施設として尽力した。
豊中市立文化芸術センターは、日本センチュリー交響楽団がパートナーオーケストラとして連携。地元演奏家と市民コーディネータを育成する「とよなか ARTS ワゴン」、大学と連携したプロジェクトなどを展開し、文化芸術と市民をつなぐ新たなハブとして地域の魅力を発信した。
和歌山県立近代美術館は、保田龍門、 川口軌外、川端龍子ら郷土作家の作品を積極的に収集し、近現代版画を含め約1万5000点を所蔵。コレクション活用の充実を図り、テーマ別展覧会、教職員と連携した「なつやすみの美術館」、小学生向け隔月鑑賞会などで、地域文化の普及と誇りの醸成に貢献した。
表彰式は1月19日(金)に都内で行われる。