映画『水いらずの星』が、11月24日(金)に公開される。
原作は、『海と日傘』で第40回岸田國士戯曲賞を受賞した、劇作家・演出家の松田正隆が2000年に発表した同名の戯曲。監督は『アレノ』『海辺の生と死』の越川道夫が務めた。
同作は、瀬戸内海に面した香川県・坂出を舞台に、絶望の淵に立つ女と男の6年ぶりの再会を心と身体の対話で描く。坂出に逃げ着いた「女」役を河野知美が、「女」と6年前に長崎・佐世保で共に暮らしていた夫役を梅田誠弘がそれぞれ演じる。
また、劇場公開決定に併せてメインビジュアルと場面写真が公開されたほか、キャストや監督、原作者のコメントも到着している。
【主演:河野知美のコメント】
赦し合う事。安心させてあげる事。ありのままを受け止めてあげる事。生きてあげる事。
誰に対しても出来ることじゃない。傷だらけになってもなお、一緒にいたい。
そんな女と男の喜怒哀楽の波に身を委ねた先に、きっと会いたい人の顔が浮かぶ。
そんな作品になりました。どうか、劇場にてご鑑賞いただけますと幸いです。
【主演:梅田誠弘のコメント】
人と人が一緒にいるということは言葉で説明できる理由は少なく、
良いことやどうしようもないことがいろいろ混ざり合って繋がっていると感じます。
松田さんの脚本はその言葉にできないもので埋め尽くされており、
越川さんの監督でそのときでしか起こらないドラマを形にして頂きました。
男と女が生きた世界を皆さまに感じて頂けたらと思います。
【脚本・監督:越川道夫のコメント】
この『水いらずの星』というふたりの男女の物語を、このうえなく美しい映画にしなければならないと思い、
一心不乱に作り上げました。そして、そうやって完成した映画を海に煌めく波光の中に戻さなければ、と。
【原作:松田正隆のコメント】
傷にふさわしいものになること。映画の中の二人は、まさにそのことを実践していた。
部屋と身体が同化し、画面に肌触りを創り出していた。海と光が境目を失い、時間の流れが止まって見えた。
戯曲は演劇のためだけではなく、映画に適応されてこそ強度を生むことが実証されたのではないか。
演劇と映画の幸福な時間があった。