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端島から「ねっこ」にある人間の営みを捉え直すドラマ『海に眠るダイヤモンド』

2024.12.15

#MOVIE

日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』©TBSスパークル / TBS
日曜劇場『海に眠るダイヤモンド』©TBSスパークル / TBS

『海に眠るダイヤモンド』(TBS系)が最終章を迎えようとしている。

ドラマ『アンナチュラル』(TBS系 / 2018年)、『MIU404』(TBS系 / 2020年)や映画『ラストマイル』(2024年)と、ヒット作を手掛けてきた脚本・野木亜紀子×演出・塚原あゆ子×プロデュース・新井順子のチームによる初の日曜劇場ドラマということでも、放送開始前から話題となっていた本作。

神木隆之介、斎藤工、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、土屋太鳳など単独主演作もある豪華キャストによる、実在の島・端島(通称・軍艦島)と現代の東京を舞台にした70年にわたる壮大な物語は、回を追うごとに登場人物たちに愛着を持たせ、その先に起こるであろう悲劇を想像させながら盛り上がり続けてきた。

そんなドラマ『海に眠るダイヤモンド』の物語が大きく動いた第7話までを、ドラマ映画ライターの古澤椋子がレビューする。

※本記事にはドラマの内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。

野木亜紀子の端的なセリフが表す人間関係と社会構造

大学を卒業後、端島に戻った荒木鉄平(神木隆之介)©TBSスパークル / TBS
大学を卒業後、端島に戻った荒木鉄平(神木隆之介)©TBSスパークル / TBS

『海に眠るダイヤモンド』を見ていると、言葉の威力に打ちのめされそうになる。それは、第1話で主人公・荒木鉄平(神木隆之介)と幼馴染たちが憤慨した「たかが端島」という言葉であったり、第4話で鉄平のモノローグの中に出てきた酔っ払った鉄平の父・一平(國村隼)が発したという「あいつの子どもは戦争で1人も死ななかった」という言葉であったり。短く簡潔なセリフの中には、それぞれの人物が積み重ねた人生と人間関係だけでなく、社会構造まで反映されている。

そもそも脚本家・野木亜紀子が書くセリフは、一つ一つの短さとそこに詰まっている情報量に特徴がある。視聴者は、テンポの良い会話から立ち上がってくる人間関係、セリフで説明され過ぎない人々の感情を想像で補完しながら物語を楽しむ。なぜ端島を生きる架空の人物たちの幸せを心から願ってしまうかといえば、彼ら彼女らの感情を自分の中に取り込んで見ているからであろう。しかし、現実の端島の行く末を知っている我々は、物語の先に切なさが待っていることは分かっている。

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