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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

SIRUP×Ayumu Imazu対談。世界で活躍する2人が共有する、社会課題の入り口

2024.8.29

Grooving Night

#MUSIC

10年で変化したアジア系の活躍     

―事前に聞いたSIRUPからAyumuくんへの質問で、「日本のR&Bやダンスミュージックシーンをどう見ていますか。どういったことを意識していますか」というのがありました。     

SIRUP:Ayumuはアメリカに住んでて生活環境が全く違うし、普段は英語を使っている中で、どういう風に日本の音楽を聴いているのか気になる。     

Ayumu:邦楽で一番好きなのは、実はJ-ROCKなんですよ。RADWIMPSとかバンドを聴いていると、オリジナリティを感じます。アーティストにもよりますが、日本のアーティストが作るR&Bやヒップホップはコピーアンドペーストになっちゃう傾向を感じていて、そういう曲はあんまり刺さらないかな。

―SIRUPが色々な国に行って、どこに行っても同じ問題はあるとわかったり、逆に日本でフラストレーションが溜まるポイントが 他の国では当たり前ではないと気づけたのは希望だと思うんです。Ayumuくんがニューヨークに住んでいて感じた希望はありますか?

Ayumu:2014年に初めてニューヨークに行った時と現在で、アジア人の受け入れ方が変わってきています。10年でここまで変わるというスピード感に驚いていますし、音楽業界に限らず社会全体が動いている気がするのは希望です。

―アジア系アーティストに回ってくるチャンスの量が10年前とは全く違うよね。

Ayumu:そう、全然違う。

―TikTokではアジア系イケメンがバズるし、88rising(※)がアジア系による音楽基盤を作ったことで、アジアの音楽はK-POPやアニソンだけじゃないんだって伝えられた。

※編注:2015年にショーン・ミヤシロとジェーソン・マーが設立した、アメリカを拠点としてアジアのカルチャーシーンを世界中に発信するメディアプラットフォーム。

Ayumu:10年前にアジア人の見た目が褒められることはほとんどなかった気がするから、ライトなところで言うと、そういったことから変わってきたかな。

SIRUP:わかる。俺も髪型がK-POPっぽいみたいなビジュアル的な理由で、恩恵を受けていると実感する。日本で暮らしていると、例えばK-POPの流行は日本人が国外に出れる文脈だと感じるけど、アメリカに住んでいる人から見ると、アジア人の権利拡大になる。視点によって見え方は違うけれど、感覚は共有しているなと思います。

Ayumu:アメリカと日本を行き来していて思うのは、結局どっちも良いとこも悪いとこもあるし、自分の捉え方次第だと思いますね。

SIRUP:日本だと「音楽業界の既存の文脈に乗らないと売れないから、何かを諦めないといけない」風習が、全然変わっていないと思っていて。SNSが広まったことで自分たちで選択肢を切り拓ける可能性もあるのに、それをやろうとしない人とは考え方の乖離が大きいから、交われなくなってしまった人も増えた。

Ayumu:それはあるかもしれない。

SIRUP:アーティストはどこまでいっても孤独な戦いだから、「やるべきこと」と自らが受け止めなくてはいけないと思うんです。抽象的ではあるけど、その視点がある人の音楽とない人の音楽では、心にくるものが違うと思う。

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