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坂本龍一の「遺伝子」を実感した多様な熱演。トリビュートフェスをレポート

2025.2.19

#MUSIC

Photo by アンザイミキ
Photo by アンザイミキ

トリはCorneliusが坂本への深い敬意でステージに立つ

そしてO-EASTのメインステージには、いよいよトリのCorneliusが登場だ。あらきゆうこ(Dr)、大野由美子(Ba)、堀江博久(Key / Gt)とともに登場した小山田圭吾(Vo / Gt)は、ここ最近では珍しくサングラスを外して素顔を見せている。シンプルな衣装が照明の影響も相まって喪服のよう。その佇まいからは、坂本への深い敬意が滲んでいるようだった。

Cornelius Photo by アンザイミキ

ステージ背後のスクリーンに映し出す映像と完璧にシンクロさせたバンドアンサンブルはいつも通りだが、“Another View Point”ではありし日の坂本龍一の映像を次々と映し出す。それを見ながら彼がいかに多様な側面を持ち、それを惜しげもなく私たちに見せてくれていたのかを改めて実感し、気づけば涙が止まらなくなっていた。

Cornelius Photo by アンザイミキ

そして、ついにCorneliusは“Thatness And Thereness”をライブで(おそらく)初披露する。坂本龍一のトリビュートアルバム『A Tribute to Ryuichi Sakamoto』に提供し、自身の最新作『Ethereal Essence』にも収録したこの楽曲が、今この場で初めて鳴らされたことに意味を考えずにいられない。シンセの浮遊する音色とミニマルなリズムが会場に響き渡り、小山田の心のこもった歌に再び胸が熱くなる。

Cornelius Photo by アンザイミキ

その前後にはSKETCH SHOWの“Turn Turn”、YMOの“Cue”、そして“環境と心理”を演奏。小山田が長年関わってきた音楽の系譜が、ここでひとつにつながる。“環境と心理”は、高橋幸宏も所属していたMETAFIVEのセルフカバーでもあり、坂本と共に時代を創ってきた彼へのトリビュートとしても響く選曲だった。

Cornelius Photo by アンザイミキ

Corneliusのステージが残した余韻を抱えたままduoへ向かう。そこでは、どんぐりずと大沢伸一(MONDO GROSSO)による新ユニットDONGROSSOが、全く異なるテンションで観客を熱狂させていた。

DONGROSSO Photo by Daisuke Miyashita

こうして幕を閉じた『RADIO SAKAMOTO Uday -NEW CONTEXT FES × DIG SHIBUYA-』。坂本龍一という偉大な音楽家の「遺伝子」が、世代やジャンルを超え受け継がれていることを改めて実感する夜だった。

Cornelius Photo by アンザイミキ

『RADIO SAKAMOTO Uday -NEW CONTEXT FES × DIG SHIBUYA-』

開催日時:2025年2月10日(月) 18:00 OPEN/22:00 CLOSE(予定)
会場: Spotify O-EAST/東間屋/DUO MUSIC EXCHANGE
チケット料金:8,800円(税込)※ドリンク代別
協賛:株式会社デジタルガレージ

<出演>
Balming Tiger
真鍋大度 + 岡村靖幸(DJ SET)
U-zhaan×環ROY×鎮座DOPENESS
Cornelius
TOWA TEI
DONGROSSO
SE SO NEON
砂原良徳
Dos Monos
原口沙輔
北村蕗
Mars89
Chloé Juliette
没 a.k.a. NGS
TOYOMU
NOTYPE 9
美羽

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