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Ryoji Ikeda日本ツアーの初日レポ 五感の限界を超える、本質的で原始的な体験

2024.12.25

#MUSIC

オープニングアクトは海外フェスも常連のVMO a.k.a Violent Magic Orchestra

まず、オープニングアクトとしてVMO a.k.a Violent Magic Orchestraが登場。いま最も爆音のライブに定評があるアクトである。

VMO a.k.a Violent Magic Orchestra(ヴイエムオー ヴァイオレントマジックオーケストラ)
エレクトロニクス担当のPete Swanson(ex Yellow Swans)、MIX、シンセ、ビート担当の Extreme Precautions、楽器担当のVampillia、ライブヴィジュアル担当のkezzardrix、そして3台のストロボライトからなるテクノ、ブラックメタル、インダストリアル、ノイズが渾然⼀体となり発光される光と闇のイリュージョン!架空の⻄暦 2099 年世紀末⾳楽プロジェクト。それはまるでブラックメタルmeetsクラフトワーク、バーズムに侵略されたエイフェックスツイン。ちなみに現在もっともライブハウス、クラブで電⼒を喰うユニット。VMOの総電⼒量は4500W(アンプ56台分)。

この日はKT Zepp Yokohamaの広さやスクリーンの大きさを目一杯活用した壮大なステージで、大箱ならではのサウンドの立体感が爆音をさらにシャープに聴かせる。ブラックメタル、ノイズ、クラブミュージックが渾然一体となった音は、むしろ普段の小さい会場の方が発散的に聴こえたから不思議だ。つまり、いつものVMOのステージはもっとフロアとの距離感が近く双方向的で暴力的だが、この日はショウとして非常に研ぎ澄まされており、むしろそれだけで独立しているような孤高の完成度を誇っていたのである。海外ではエレクトロニックからヘヴィミュージック系の大きなフェスまで頻繁にパフォーマンスしているVMOだが、国内でももっとこの規模で観たいと思わせるステージ。日本の私たちは、まだ彼らの本当の魅力に気づいていなかったのかもしれない――そう感じてしまうほど、雑味も含めすべてが調和へと向かっているような、一つの作品として鑑賞できるものになっていた。そしてそれを可能にしているのは、やはり思弁的な性質を持つブラックメタルというジャンル固有の特性であり、その美学を下支えする音の強度によるものだろう。

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