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パソコン音楽クラブ×LAUSBUB 志は「テクノ」に、音楽で生きていくための生存戦略

2024.8.16

#MUSIC

大学生というライフステージ、1stアルバム、「友達」と音楽を続けていくこと

─ここまでのことを踏まえてアルバムの話に戻りたいのですが、LAUSBUBとして1stアルバムをリリースしていかがですか?

岩井:これで音楽活動をはじめられたって感じがあります。やっとみんなの仲間入りができたかなって気持ちもありつつ、この先が重要だなと改めて考え直すタイミングでもありますね。

『ROMP』は本当に自分のやりたいことだけを、音楽以外の情報もなるべく排して、ただ音と自分だけ、みたいな気持ちで作ったので、この先はもう少し開けたというか、聴く人との関係性を持てるような音楽を作れたらいいなと思っていますね。

高橋:私も『ROMP』を作ったことで、どんな音楽をどういうふうに作りたいかって意識も以前とは変わったと思います。もっとこうできるなとか、自分に何ができるかなとか、いろいろ考えたし、それは今後も活かせると思うので、早く次のアルバムを作りたいなって感じです。

LAUSBUB『ROMP』収録曲

─最初に西山さんが、自分がLAUSBUBの二人くらいの年齢のときはこういう作品を作れなかったと思うとおっしゃっていましたが、パソコン音楽クラブがその年齢の頃はどんなことを考えていましたか?

西山:今、お二人は21歳とかですよね? 大学2、3年生のときだから……もう一緒にやってたっけ?

柴田:わからへん。やってるかやってないかくらい?

西山:一応、今年の11月でパソコン音楽クラブ10周年なんですよ、自称(笑)。21歳の頃だと、パソコン音楽クラブを名乗っていたかはわからないけど、柴田くんとはもう出会っててやっと何か始めようとしてた時期ですね。そう考えるとLAUSBUBには相対的にかなり先を越されてます。

柴田:(笑)

西山:音楽を一生やっていこうとか、プロになろうとか、そんなビジョンもなくて、何となく趣味で楽しければいいかな~って感じでしたね。あとはもう、ずっと家で寝てましたね。

柴田:5日間くらい西山くんと連絡がつかなくて「何してたん?」「ごめん寝てた」とか(笑)。

西山:別にメンタルが落ちてたとかじゃないんですけど、まあそういう生活が許されてた時期ですよね。1日中インターネット見て、みたいな。

柴田:のんきな学生でした。

─そこから数年経て、パ音としての1stアルバムが出るわけですね。

西山:1stアルバムが2018年とかですよね。

柴田:最初は本当に何も考えてなかった……音楽でどうにかなってやろうみたいな野心もなくて、単に趣味のひとつ、みたいな。西山くんとSkypeで通話しながら「暇やし今日は動画作る練習してみましょうよ」みたいな、レクリエーションって感じですよね。

西山:作ったものを互いに見せ合うっていう、プリミティブな楽しみしかなかったって感じです。僕らとLAUSBUBの共通点は、「友達と二人で音楽をはじめた」ってことかもしれませんよね。友達とバンド組むってことはよくあると思いますけど。

パソコン音楽クラブ『DREAM WALK』(2018年)のトレイラームービー(Apple Musicで聴く / Spotifyで聴く

─二人で活動を続けていくコツはありますか。

西山:このあいだ、group_inouのお二人に同じこと聞きました(笑)。これはもう、厳然たる事実だと思うんですけど、音楽で飯食ってる以上は「仕事」になっていくんですよね。事務的なこと、たとえば法人化して柴田社長、僕が副社長みたいな話になっていくと、友達ではいられなくなる瞬間があるんですよ。どんな先輩に聞いてもみんなそうなんですけど。

西山:ただ、そこでやっぱり友達であることを諦めたくないみたいなのは思いますね。そこを上手くやっていく方法を考え中です。

柴田:仲悪いわけじゃないけど(笑)、まあプレッシャーはあるよね。誰しもみんなあるっていうから、そうなんだと思いますけど。

西山:まあ僕らは「インディーで全部自分らでやろう」って最初に決めちゃったのも大きいですけどね。実際ずっと友達だし、聞かれたから言った話で、そんなに重いことじゃないですけど。

岩井:私は今はまだ「友達とバンドやってるんだよね~」くらいの感覚なので……まあ私は、自分はどうなっても何とか生き延びるとして、(高橋)芽以ちゃんにはご飯食べていけるようになってもらおうって気持ちはありますね。

一同:(笑)

西山:互いの生活やライフステージだったりで、自分はめちゃくちゃオルタナなことし続けたいと思っても、やっぱりご飯食べていかないと、みたいな話になったら、初期衝動だけでやってた頃とは違うっていうか。ただ友達と好きなことやるって話を超えて、ビジネスパートナー同士の話になっていくだろうし。

高橋:友達でいるのを諦めないっていうのは、すごくグッときました。一緒にやる以上は、友達としてずっといられるように、私たちもやれることがあると思います。

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