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Hedigan’sインタビュー後編 音楽が不憫だから、草の根でやっていくことがある

2024.4.19

#MUSIC

音楽は信頼できるから。そいつの言うことを聞いていればいい。(大内)

―「論理」という言葉を二人はどう捉えていますか。それこそYONCEさんは農業もされていますけど、自然界というのは人間の論理が通用しない世界ですよね。

YONCE:別に「論理」がダメなわけじゃないというか。逆に「倫理」もダメなんですよね。ちょうどここ数日、この曲にアンサーソングを書くなら何だろうって考えてて。「倫理は淫乱」。韻は踏めてないけど(笑)。

大内:ああ、面白いね(笑)。

YONCE:倫理は誰とでも寝るんだよね。あらゆる倫理がいろんな偉いものとくっついてるから。逆に論理が解いているメカニズムは理にかなっているはずなんだけど、そればかりになって魂が置いていかれてしまうことも事実としてある。人間がAIに置き換わっている現状が実際そうで。

「論理」とかいうやつって友達いなそうだよね、っていうタイトル(笑)。論破って、要は捕食者なんだよ。なんで一方的に食うつもりで人と接するんでしょうか、と思う。それは結局、最後の一席をずっと争わなきゃいけない人生なわけで、周りに何もなくなっちゃう。

大内:それこそ最強の論理みたいなものを目指して高い山を登ろうとする人ほど本当に寂しいと思う。対面してる人との関係を築けると思ってない人だったり、それをちょっと諦めたりしてる人なんじゃないかという気がする。俺らも「じゃ結局何枚売れたんですか?」って言われると論破されちゃうから(笑)、ある世界線では完全に敗北を喫することもある。

―それは“敗北の作法”の音楽につながっていく話ですね。

大内:いい負け方もあると思う。余裕は必要だけどね。負けはけっこう贅沢なことだと思う。

―ツアーでは3曲新曲をやっていて、今も新曲を作ろうとしているということは、この先もHedigan’sをしっかり続けていきたいということですよね。

YONCE:それはもう、もちろん。このEPの中身はすごくバラエティが出て、かなり味が違うものを入れられたから、結局まだ何でもやる余地があるんですよ。自分たち自身がバンドに対して決めてかかってないから、とにかく興味が尽きない。

大内:活動して、ツアーも回ってみて受けた感覚もあったから、またやりたい音楽の感じも変わるだろうし。

YONCE:Hedigan’sが面白いなって思うのは、各パートともに誰かに指示をされるわけじゃなくて、集合体としてのHedigan’sに「俺、またわけわかんないことやらされるの〜」みたいな感覚がある。「一体Hedigan’sに今度は何されちゃんだろう〜」みたいな(笑)。

大内:ツアー中もけっこう演奏が変わったもんね。「こうしたらもっといいと思う」とか言葉で言ったたわけじゃないけど、「今日はそんなことやっちゃいます?」みたいなことをみんなやってた。

YONCE:変わったね。やっぱり面白いわ。そういったことも含めて全部がいい。

大内:音楽は信頼できるから。そいつの言うことを聞いていればいい。

YONCE:別に大きく掲げたいお題目ではないけど、音楽がもっとちゃんと素敵なものだというふうにはなってほしいかな。そればっかりはちょっと気になるというか、音楽が不憫。それはそれぞれの実感がないと変わらないことなので、草の根でやっていくしかないんだと思いますね。

Hedigan’s『2000JPY』

2024年2月21日発売
CD・¥2,000税込 KSCL-3479

https://fcls.lnk.to/_2000JPY
https://fcls.lnk.to/ydObA4

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