グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
6月11日は、ラジオDJ / プロデューサー / 雑誌編集者の堀内貴之さんからの紹介で、Dragon Zoe LLC代表の大野俊也さんが登場。新たにローンチしたメディア型プラットフォーム『SiiiCK』にかける思いや、過去にインタビューした大物アーティストとのエピソードなどについて伺いました。
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誰でも参加できるメディア型プラットフォーム『SiiiCK』をローンチ
Celeina(MC):昨日のラジオDJ / プロデューサー / 雑誌編集者の堀内貴之さんからの紹介でスタジオにお越しいただきましたが、「何を聞いても面白い人」と伺っております。
タカノ(MC):すごいハードルの上がり方でしたね。
大野:いいんでしょうか(笑)。ごく平凡な人間ですよ。
タカノ:改めてプロフィールをご紹介します。雑誌『Fine』『warp MAGAZINE JAPAN』、そしてフリーマガジン『FLJ』の編集長として、長きにわたり世界中のストリートカルチャーを紹介、牽引してこられました。リスナーの方にも『Fine』や『warp MAGAZINE JAPAN』を読んでいた方は多いと思います。
大野:嬉しいですね。
タカノ:そんな大野さんですが、今年4月にメディア型プラットフォーム『SiiiCK』をローンチされました。4月というと最近ですね。
大野:2025年4月25日(金)にローンチしたので、だいたい1ヶ月前ですね。
タカノ:メディア型プラットフォームということですが、どんなプラットフォームなのでしょうか?
大野:WEBマガジンみたいな記事もいっぱいあるので、パッと見はメディアっぽい感じですね。でも、プラットフォームなので、皆が参加できるんですよ。InstagramやYouTubeみたいに、アカウントさえ持てば参加して記事が書けるし、記事を売ったりすることもできる。そういったありそうでなかったプラットフォームで、かつストリートカルチャーに特化したものを出そうということで、3年くらい考えてやっとローンチできました。
Celeina:物書きを生業としている方はもちろんですが、記事を書くのが初めての方でも参加できるんでしょうか?
大野:もちろんです。文章が苦手な人は写真や映像を載せるだけでもいいですし、どんな形でも歓迎しています。
タカノ:一応ストリートカルチャーという大きなテーマはあるんですよね。
大野:その括りはあるんですけど、割と自由にしています。
タカノ:本当ですか。例えば僕がアカウントを作って、ラジオについてや、集めているTシャツについて発信するみたいなこともできるんですか?
大野:大歓迎です! そういった夢中になっているところが見えたら最高ですね。
タカノ:僕は言葉が好きなので、「街で見かけたこんな言葉」という切り口でも書いてみたいです。
Celeina:私はお菓子が好きなんですが、どうでしょう。
タカノ:お菓子はストリートカルチャーなのかな(笑)。
大野:お菓子も道端を歩きながら店を見つけて買ってみることがあると思うので、ストリートと言えばストリートだと思います。ちょっと無理矢理かもしれませんが(笑)。
タカノ:プラットフォームの名前は『SiiiCK』なんですね。
大野:その綴りで「スィック」と読みます。英語で「Sick」というと、今は「かっこいい」とか「やばい」みたいな意味になるので、そういったイメージで名前をつけました。
Celeina:「イケてるね」という意味で「That’s sick.」と言ったりしますね。
大野:20年前だったら「Dope」だったかもしれないですけどね。今はみんな「Sick」とか「Tight」と言うじゃないですか。なのでその流行りに便乗したんです。テンションが上がって昂っているような勢いをイメージして、「i」を3つ重ねています。
タカノ:「i」が3つで『SiiiCK』です。皆さんぜひチェックしてみてください
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コミュニティが生まれるような媒体を作りたい
タカノ:大野さんはずっと雑誌を作り続けてきたんですよね。
大野:大学を出て最初の仕事が雑誌作りだったので、ずっと雑誌を作ってきました。
タカノ:今回、雑誌ではない媒体を始めた理由は何かあるんですか?
大野:3年くらい前に、雑誌は古いなと正直思ってしまったんです。雑誌が今も大好きなのは間違いありません。ただ音楽でいえば、サブスクの時代なのにアナログレコードを作っているみたいな感覚になってしまったんです。アナログレコードも素晴らしいし、残すべきものなんですけどね。
僕がやっていた『Fine』『warp MAGAZINE JAPAN』は、割とこれらのストリートカルチャーが好きな人は全員チェックしているみたいな媒体だったんです。やっぱり何かをやるからには、全員にチェックしてほしい。 あと雑誌は、それこそ読者モデルとか読者スナップみたいなものの走りだったので、皆でやっている感覚があったんですよ。 でも、今の雑誌にしてもWEBメディアにしても、皆でやっている感覚がないので、皆でできることをしたいなと思ったんです。
タカノ:確かに皆でやっている感覚は、最近あまり感じられないかもしれません。
大野:雑誌とかWEBメディアは一方通行じゃないですか。それよりも「何か一緒にやろうぜ」みたいな感じでできたらすごくいいなと思っていて。昨日出演した堀内もですが、『Fine』『warp MAGAZINE JAPAN』の時代に一緒に仕事をした人や、出てもらったラッパーやスケーターは今でも皆仲が良くて、コミュニティみたいだなと思ったんです。それで、コミュニティを形成できるような媒体がやりたいなと思い、今の時代に1番あっているのは何かと考えた時に、結論としてメディア型プラットフォームという形が出てきました。
タカノ:なるほど。考えてみたらストリートって人ですもんね。人どうしの繋がりというか。
大野:『SiiiCK』はそこを目指しました。
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N.W.Aのアイス・キューブの実家でインタビューをした記事も掲載中
Celeina:『SiiiCK』には、現在どんな記事がアップされているんですか?
大野:まだ立ち上げたばかりということもあり、オフィシャル記事が多いです。Netflixもオフィシャルのコンテンツが1番面白かったりするので、僕らがやっている限りオフィシャル記事を面白くした方がいいなと思っています。ジャンルとしては、スケートボード、ヒップホップ、バンド、アート、映像、ファッションなど、20個くらいオフィシャルで記事を上げています。オフィシャル記事を皆さんの参考にしてもらえればと思いますね。あとここから先は、僕が手伝いながら色々な人と一緒に記事を作って、お手本を見せていこうかなという感じですね。
タカノ:『SiiiCK』のサイトを見てみたところ、「アイス・キューブ LA・ウエストモントにあるママの実家を訪ねてのインタビュー」という記事が上がっているのですが、アーカイブ記事も上がっているんですか?
Celeina:1989年のインタビュー記事ですね。
タカノ:アイス・キューブ(Ice Cube)の実家に行っているんですか……? すごくないですか!
大野:行ったんですよ(笑)。20代の時にかなりアメリカに行っていたんですが、ドッグタウンのスケーターの子たちと遊んでいる時にN.W.Aの曲をかけていたんですよ。N.W.Aってヤバい曲が多いじゃないですか。「こんなことを歌っちゃっていいの」と衝撃だったので、すぐにレコード屋に行って12インチを買ったんです。レコードの裏を見たら電話番号が載っていたので、「わざわざ日本から来ているんだけど取材できないか」と電話したら、アイス・キューブの電話番号を教えてもらえて。当時はGPSもないので、「ここを曲がってそこを曲がって」と教えてもらいながら車でアイス・キューブのママの家に行って、取材したんです。
Celeina:すごいですね!
タカノ:皆さんこの記事が『SiiiCK』に載っていますので。内容が分厚くて、読み応えがあります。
Celeina:これからもどんな記事がアップされていくのか楽しみです。
大野:色々やっていこうと思います。海外のライフスタイルとか、ジェンダーの悩みとか、色々なイシューも扱っていきたいなと思っています。今の日本になかなかそういうWEBコンテンツがないので。ないことをやりたいというか、やりたがりなんですよね。