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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

映像ディレクターの菊池謙太郎は、ラッパー達のリアルな子供時代の話を1冊にまとめた

2025.3.15

#BOOK

グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。

2月17日は、番組からの推薦で、映像ディレクターの菊池謙太郎さんが登場。ABEMAのオーディション番組『ラップスタア』で出会ったラッパーたちを中心に、彼らの幼少期を取材して出版した『LIFE HISTORY MIXTAPE 01』の制作秘話のほか、インタビュアーとして参加した書籍『東京の生活史』についても伺いました。

取材したラッパーたちの会話の生々しさを、できる限りそのまま残した

Celeina(MC):菊池さんは、ABEMAのオーディション番組『ラップスタア』に携わられていますが、その番組をきっかけに1冊の本を出版されたんですよね。

菊池:『ラップスタア』で出会ったラッパーたちを中心に、彼らの子供時代の話を取材して、それをまとめた本を制作しました。

Celeina:『LIFE HISTORY MIXTAPE 01』という本ですね。

タカノ(MC):僕は途中まで読ませていただいたのですが、とても面白くて、活字でありながら映像作品のような印象を受けました。文章を追うだけで、映像が自然と浮かび上がる感覚があります。

Celeina:普段から映像制作に携わっているからこその表現が反映されているのかもしれませんね。

菊池:嬉しいです。

タカノ:インタビューされているラッパーの皆さんの語り口が、非常にリアルで臨場感がありますね。そのままの口調が活字になっているように感じました。

菊池:会話の生々しさをできる限りそのまま残すことを意識しました。

タカノ:息遣いまで聞こえてきそうな空気を感じる1冊ですね。

MIXTAPEのカルチャーをイメージした装丁とタイトル

Celeina:本書の装丁も素晴らしいんですよ。黒を基調として、紫色の帯がアクセントになっています。これはタイトルの「MIXTAPE」をイメージしてデザインされたのですか?

菊池:はい。カセットテープのケースを模したラベルのようなデザインになっています。表紙には切れ目が入っていて、この切れ目を破ると、中にカセットテープのグラフィックが現れる仕掛けになっています。

Celeina:面白いですね! 表紙にミシン目が入っていて、それを切り取ることでカセットテープのデザインが見えてくるんですね。

菊池:そうなんです。

タカノ:モノとして所有したくなる魅力がありますね。

Celeina:このカセットテープ風の装丁やタイトルには、どのような思いが込められているのでしょうか?

菊池:この本にはオムニバス形式で10人のラッパーの話が収録されているのですが、さまざまな楽曲を編集して1つのテープにまとめるMIXTAPEのカルチャーをそのままサンプリングするイメージで、タイトルをつけました。

様々な環境で幼少期を過ごしたラッパー達のリアルな声を収録

タカノ:10人のラッパーが登場していますが、音楽の話だけでなく、子供時代や家庭環境の話も書かれています。取材する上で難しかった点はありますか?

菊池:ラッパーの方々は音楽のインタビューには慣れていますが、子供時代について話す機会は少ないようで、思い出してもらうのが難しいこともありました。センシティブな話題も含まれているので、話したくない内容があれば、本人の気持ちを尊重して削除するようにしましたね。そういったことは丁寧にやろうと心がけていました。

タカノ:ラッパーの方々が菊池さんに心を開いているようで、信頼関係も感じられますよね。特に印象に残っているエピソードはありますか?

菊池:どの話も印象的ですが、東京出身で言うとvalkneeさんとTepa Roucciさんですね。valkneeさんは、Celeinaさんが一緒に曲をリリースされていたKAMIYAさんとも、楽曲を出していますね。

Celeina:チェックして頂いて光栄です!

菊池:彼女は韓国で暮らしていた経験があって、韓国の日本人学校の文化祭の話や帰国子女なりの苦労なんかも印象的でした。Tepa Roucciさんは品川で生まれて5歳でウガンダへ渡り、その後日本に戻ってきた経歴を持っているんですが、ウガンダにいた頃のエピソードには、カルチャーショックを受けました。中学生の頃に、マンゴーの木に石を投げて果実を取っていたという話が出てきたり。

Celeina:なかなか体験できない環境ですね。

タカノ:複雑な家庭環境で育った方々のエピソードもリアルな声で収録されていて、それを知った上でその方々楽曲を聴くとまた違った印象を受けるかもしれませんね。

菊池:そう感じていただけると嬉しいです。

タカノ:ご自身で出版社も立ち上げられたんですよね?

菊池:自費出版という形なんですが、「まわる書房」という名前で、さまざまなものが循環していけばいいなという思いを込めています。

タカノ:この書籍はどちらで購入できますか?

菊池:「まわる書房」のオンラインショップで購入できます。『LIFE HISTORY MIXTAPE 01』で検索していただくと見つかるかと思います。あとは、個人書店や独立系書店にも置いていただいています。

Celeina:ラップや音楽が好きな方はもちろん、1人1人の人間としてのストーリーも知ることができるので、沢山の方に手に取っていただきたいですね。

自費出版を始めるきっかけとなった、『東京の生活史』への参加

タカノ:このインタビューを行なう前に、『東京の生活史』という書籍の企画にも参加されたんですよね。

菊池:はい。『東京の生活史』は社会学者の岸政彦さんが監修した作品で、東京にまつわる150人の方の半生を記録した本です。私の本はラッパーという括りですが、『東京の生活史』はより幅広く色々な方の話が収められています。一般公募でインタビュアーを募っていて、私もそれで参加しました。

タカノ:菊池さんはインタビュアーとして参加して、どなたかにインタビューをするのをここで経験したんですか?

菊池:はい。それがすごく楽しかったんです。『東京の生活史』のプロジェクトに参加したことは、自分で本を出版しようと思ったきっかけの1つです。

タカノ:インタビューをすること自体は以前からお好きだったのでしょうか?

菊池:好きですね。仕事柄多くのインタビューを行う機会があるのですが、色々な方の話を聞きたいと思っています。Celeinaさんとタカノさんの子供の頃の話とかも聞いてみたいですね。

タカノ:ぜひ話したいですね(笑)。『東京の生活史』で菊池さんがインタビューした方はどういう方だったんですか?

菊池:僕が今住んでいる家の大家さんに話を聞きました。僕が住んでいる周りの地主の方で、どうやって地主になったのかなどを聞けて面白かったですね。

タカノ:色々とお話を伺ってきましたが、皆さんにはとりあえず『LIFE HISTORY MIXTAPE 01』をぜひ読んでいただきたいですね。

Celeina:さて、「FIST BUMP」グータッチでつなぐ友達の輪ということでお友達を紹介してもらっています。どんな方を紹介してくれますか?

菊池:インディペンデントで『inch magazine』という雑誌を制作している菅原祐樹さんを紹介します。

Celeina:楽しみですね。「FIST BUMP」、今日は映像ディレクターの菊池謙太郎さんをお迎えしました。ありがとうございました。

GRAND MARQUEE

J-WAVE (81.3FM) Mon-Thu 16:00 – 18:50
ナビゲーター:タカノシンヤ、Celeina Ann

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