グータッチでつなぐ友達の輪! ラジオ番組『GRAND MARQUEE』のコーナー「FIST BUMP」は、東京で生きる、東京を楽しむ人たちがリレー形式で登場します。
12月20日は、批評家・ビートメイカー・MCの吉田雅史さんからの紹介で、映像作家で演出家の島本幸作さんが出演。今回は、作品制作の裏側などの話だけではなく、モノ作りへの思いや独立に至るまでの経緯についても伺いました。
INDEX
生活の中で頭に浮かんだ、くだらない思いつきをそのまま定着させる
Celeina(MC):島本さんは東京生まれ、2005年に武蔵野美術大学を卒業。映像作家や演出家などをメインに、テクノデュオのBERVATRAや、「特殊編集部隊 二代目 カウチ&ポテト」としても活動されています。映像のお仕事をメインで行っているということですが、「特殊編集部隊 二代目 カウチ&ポテト」はどのようなユニットなのですか?
島本:2004年ぐらいから友人の 小美濃くん(友達①)やっています。普段生活している中で頭に浮かんだくだらない思いつきを画像や映像にして、定着させて。作った作品はTumblrに上げて見直して2人で笑う、そんな活動です。
タカノ(MC):最高! 誰かのためにというよりは、自分たちがいいと思うものを自分たちで作っているということですか?
島本:自分たちだけに向けているわけでもないんですが、何度見ても笑えるモノ、数年後の自分が見ても笑えるモノ、というのはあります。
例えば「清水の舞台から飛び降りる」って格言があるじゃないですか。ある時、京都観光でたまたま清水寺に行って。実際に行くと「あぁ、この舞台か、結構高いな。」とか思うんです。しかも舞台の下には、石垣や竹槍みたいな尖った柵があって。「これ、飛び降りたらかなり痛いぞ……」と。それで「危ない!」という注意喚起の画像を思いついたので、作りました。この機会に、皆さんに「清水の舞台から実際に飛び降りるのは、絶対やめた方がいいですよ!!!」と強く言っておきたいです。
タカノ:普通は格言を例えとして使いますが、それに注意喚起をしていくのですね。
島本:たまたま、現地に行ったらそういう気づきがあったので。カウチは、くだらなくても思いついたら、それそのまんまをカタチにする、という感じで作っています。
Celeina:画像のお話がありましたけれども、動画も作られていらっしゃいますよね? 『Couch & Potato』というYouTubeチャンネルを拝見させていただきました。
タカノ:これはやばかったです! 年賀状を動画で出されているのですか?
島本:これは「年賀動状」という新たな映像ジャンルの作品で、やっているのは世界で僕らだけです。まぁ、僕らが勝手に作ったジャンルなんですけど。
タカノ:寅年の動画を観たのですけれども、すごくカオスでした。都内の色んな虎を数えていく動画など、かなり足労がかかっているのではないでしょうか。
島本:2022年の年賀動状ですね。「中年二人が都内のストリートタイガーを2022匹集める」という内容です。この説明じゃさっぱり分からないですね。
タカノ:なかなか想像がつきにくいとは思いますね。
Celeina:実際に観ていただいたほうがいいですね。
島本:カウチのYouTubeチャンネルには他の年賀動状や映像作品も載せていますので、暇な時に観てもらえたら。何の役にも立たないと思いますけど。
タカノ:衣装もすごく凝っていらっしゃいますよね。今日も持ってきていただいているのですけれども、これは工事現場の作業員の方が着ているリフレクターでしょうか。
島本:そうです。これ「トラチョッキ」って言うらしいんですよ。
Celeina:実際にトラチョッキと呼ばれているのですね。知らなかったです。
島本:リフレクターにちゃんと「カウチ安全 虎チョッキ」と明記しました。
Celeina:これは島本さんのオリジナルですか?
島本:そうです。この年はまずオリジナルの「虎チョッキ」を制作して、「虎チョッキ」発売記念チラシ風の年賀状を作って友達に送りつけました。観ていただいた年賀動状もその延長で、だから同じ「虎チョッキ」を着ています。街にあるトラを見つけては撮影、というのを繰り返していたんですが、トラの数が多くて、撮っても撮っても終わらず、編集でもどんどん膨れ上がって収拾がつかなくなりました。
タカノ:トランス状態に陥っちゃうみたいな。
島本:かなりキましたね、寅年は。結局、完成したのは12月31日でした。あ、「“トラ”ンス」。ワンタイガーーー!!!
Celeina:島本さん、2024年版はどうでしょうか。
島本:年賀状と年賀動状を作っています、干支に真摯に向き合って。今週も撮影ですけど、全然終わる気配ないです。
Celeina:お忙しい中来ていただいてありがとうございます。
島本:いえ全然です。ただ年賀状を作っているだけですから。