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2024年下半期を話題の映画で振り返る。『シビル・ウォー』から『陪審員2番』まで

2025.1.23

#MOVIE

良作が集中。2025年上半期の注目作

―最後に、2025年上半期の注目作を教えて下さい。

長内:まず、さきほど話した『シビル・ウォー』の流れで『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』が盛り上がるといいですね。あと『聖なるイチジクの種』、『教皇選挙』。そしてなんといっても『ブルータリスト』が素晴らしかったです。あれは70ミリで撮影されているのでより大きな劇場で観られたらうれしいです。

映画『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』予告編。アリ・アッバシ監督、2025年1月17日公開
映画『聖なるイチジクの種』予告編。モハマド・ラスロフ監督、2025年2月14日公開予定
映画『教皇選挙』予告編。エドワード・ベルガー監督、2025年3月20日公開予定
映画『ブルータリスト』予告編。ブラディ・コーベット監督、2025年2月21日公開予定

木津:『ブルータリスト』に関連して言うと、ユダヤ系のアイデンティティを見直す作品が多く出てきている印象があります。『リアル・ペイン~心の旅~』もユダヤ系のアイデンティティにまつわるドラマです。あと『セプテンバー5』など、近いテーマの作品が同時多発的に登場しています。ハリウッドはユダヤ系のコミュニティでもあるので、パレスチナとイスラエルの問題が深刻になっている中で、どうユダヤ系のアイデンティティを内省できるかは重要な問題になっている。一方で、『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』はパレスチナ側の視点に立ったドキュメンタリーで、こうした作品を観ることもきわめて重要だと感じます。

『リアル・ペイン〜心の旅〜』予告編。ジェシー・アイゼンバーグ監督、2025年1月31日公開予定
映画『セプテンバー5』予告編。ティム・フェールバウム監督、2025年2月14日公開予定
映画『ノー・アザー・ランド 故郷は他にない』予告編。監督:バゼル・エイドラ、ユーバール・アブラハム、ハムダーン・バラール、ラケル・ゾール、2025年2月21日公開予定

長内:『ブルータリスト』もユダヤ系であることをただ明るくポジティブにとらえているわけではないし、『リアル・ペイン~心の旅~』も個人的な話として捉えていました。それぞれ違った視点でユダヤ系というルーツに挑んでいて興味深いですね。

あとド直球のハリウッド映画で『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』と、日本の公開はいつになるかわかりませんが『28年後…』とか。ホラー映画の『ロングレッグス』は日本での公開が遅い分だけ「いつ来るのか」という雰囲気になっていたので、注目度が高まっていますね。

映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』予告編。クリストファー・マッカリー監督、2025年5月23日公開予定
映画『28年後…』予告編。ダニー・ボイル監督
映画『ロングレッグス』予告編。オズグッド・パーキンス監督、2025年3月14日公開予定

木津:ショーン・ベイカー監督の『アノーラ』やグァダニーノ監督『Queer / クィア』(原題)、ボブ・ディランをティモシー・シャラメが演じた『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』など……色々と悲観的なことも言いましたが、2025年上半期には注目作がかなり多いですね。その意味で、2024年下半期ははざまの時期だったのかもしれません。

映画『ANORA アノーラ』予告編。2025年2月28日公開予定
映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』予告編。ジェームズ・マンゴールド監督、2025年2月28日公開予定

Podcast『長内那由多のMOVIE NOTE』

長内那由多が見た映画やドラマについて語る不定期配信のポッドキャスト番組。

Podcast『生活と映画』

木津毅が友人の逢坂文哉と映画について対話をしたり、1人で映画を紹介したりするポッドキャスト番組。

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