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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

曽我部恵一ら審査員が高校生にエールを。福岡『KNOCKERS』最終審査ライブレポ

2026.9.30

『KNOCKERS -Fukuoka New Generation Music Contest- with exPoP!!!!!』

#PR #MUSIC

クリエイティブ・ラボ・フクオカとカルチャーカンパニー「NiEW」がタッグを組み、音楽アーティストを志す高校生世代の「好き」を「未来」に繋げるライブコンテストとして開催された『KNOCKERS -Fukuoka New Generation Music Contest- with exPoP!!!!!』。

2026年8月18日、福岡市・BEAT STATIONで行われた最終審査では、一次審査を通過した6組がライブパフォーマンスを披露。サニーデイ・サービスの曽我部恵一をはじめ、音楽エンジニア・プロデューサーの柏井日向や、福岡を拠点に活動するラジオDJ / ディレクターの椎葉ユウ、NiEW編集長・柏井万作ら審査員によるリアルタイムの講評や、曽我部恵一のゲストライブ、出演者とのトークセッション、表彰式などが行われた。高校生世代の「好き」を「未来」に繋げる最終審査の一日。その模様をレポートする。

「好きなことを、諦めなくていい」 その最初のきっかけをつくる

当コンテストがコンセプトに掲げるのは「好きなことを、諦めなくていい」というメッセージ。いまの高校生がいちばん多く挙げる将来の夢は、「安定した毎日を送りたい」だという。(※)夢を語ることが難しくなっている不安な時代を生きる高校生世代が、最初の一歩を踏み出す「きっかけ」づくりを目指す。東京で19年以上続き、これまでにKing Gnuやあいみょんら800組以上の才能を送り出してきた、若手登竜門イベント『exPoP!!!!!』とコラボレーションする形で実施。2026年4月から7月までの約3ヶ月にわたり動画による一次審査の募集を行い、愛の名の下に、ヒカリゴケ、ヒガシジャズ研、cocomi、shio、valleyの6組が通過した。

また、コンテストに先駆け、2026年6月にはオンライントークイベント『10代のための音楽塾』を開催。音楽ライターの金子厚武がMCを務め、福岡を拠点にするシンガーソングライターの山本大斗や、同じく福岡拠点のバンド・クレナズムのまこと(Ba)、しゅうた(Dr)、FRIENDSHIP.のタイラダイスケらが登壇し、音楽活動を続けるためのお金のリアルやSNS活用術などを伝授した。

※ソニー生命保険株式会社「中高生が思い描く将来についての意識調査2025」参考

トップバッターは5ピースバンド・愛の名の下に

会場となった「BEAT STATION」は、西鉄薬院駅そばの高架下にあるライブハウスだ。2005年のオープン以来、国内外のアーティストによる全国ツアーから、ブレイク前夜のバンドまで、数多くの才能がステージに立ち、福岡の音楽シーンを支えてきた。当日のフロアには、出演者の保護者や関係者をはじめ、曽我部恵一のファンなどが集結。なかには、仲間のステージを応援しようと駆けつけた制服姿の高校生の姿も。

会場となったBEAT STATION

会場の熱気が高まるなか、いよいよ最初のステージが始まった。6組は、1組10分の持ち時間でステージへ。限られた時間のなかで、自分たちの音楽をどう届け、どう魅せるかが勝負となる。また1組の演奏が終わるたびに、4人の審査員による講評が行われた。

トップバッターを飾ったのは、5ピースバンド・愛の名の下に。エネルギッシュなロックとパワフルなボーカルで、勢いのあるステージを繰り広げた。オリジナルの2曲を演奏した後、メンバーは「こんなでかい箱でできるのが初めて」と振り返りながらも、「自分たちのやりたいことはできた」と手応えを語った。

愛の名の下に(あいのなのもとに)
孤独と絶望が蔓延る現代社会日本で人々の失われた愛を取り戻すため今立ち上がるのだ。魔王軍を倒した一行は人間同士の欲望が衝突する大混沌時代を駆け抜ける。 度重なる仲間との別れを経て人々に真実の愛(truelove)を伝えるため日々精進。これまでにコマフェス、TeenFesなどに出演。graf、Livehouse 秘密、Livehouse OP’s、Jamlto西新等での出演を重ねている。

審査員講評

椎葉ユウ:高校生とは思えない雰囲気があり、普段から大人のバンドに混ざって演奏しているのが伺えました。何より、自分たちがやりたい音楽をはっきり持ち、それを表現しているのがいい。メッセージ性があるからこそ、歌詞がもっと客席に届けば、さらに面白くなりそうだと感じました。

柏井万作:とにかくエネルギッシュなライブでした。特にベースとギターの強さにグッときた。演奏中のパフォーマンスも見応えがありますし、5人それぞれが「自分たちを見てくれ」という感じでアピールしてくれるところが良かったです。

柏井日向:ミクスチャーやブラックミュージックのテイストがあって、思わず踊りたくなるライブでした。ボーカルにも存在感とカリスマがあります。バンド全員でコーラスや短いフレーズを入れるなど、「こっちも手を上げたくなる」ような仕掛けがあれば、さらに盛り上がるのではないかと思います。

曽我部恵一:メンバーのキャラクターやファッションも含めてバンドとしての完成度が高く、ボーカルにも力があります。だからこそ「なんのために歌うのか」「だれにどういうことを歌いたいのか」を突き詰めてほしいです。そこが磨かれていけば「すごいところまでいく」と感じました。

ハスキーで透明感のある歌声が魅力のシンガーソングライター・cocomi

続いてステージに立ったのはcocomi。アコースティックギターを手に、オリジナル曲“正直なところ”からスタート。ハスキーでありながら透明感のある歌声で、恋の終わりを予感させる複雑な感情を歌いあげる。せつないムードから一転、2曲目は音楽への愛を歌った“music for everything”。「聴いている人にも楽しんでもらいたいという思いでつくった楽曲」と語る一曲に、観客もクラップで応えた。

cocomi(ココミ)
小学6年生でギター弾き語りを始め、中学1年生で初のオリジナル曲「Hajimaru」を制作。インスタグラムを通じて出会った愛媛在住1歳年下のクリエイターthe BLOOMのharuくんと楽曲制作を行い、これまでに複数曲を配信。自身のオリジナル曲は、女の子の気持ちを歌った恋愛の曲を中心に、等身大の言葉とメロディで制作。福岡市内の活動としては、シーサイドももちアイススケートリンクでのイベント出演や、姪浜STEPS gokantによる「夏の音楽会」「冬のクリスマス音楽祭」などに出演する他、cafeやLivehouseなどさらなる表現の場を広げている。

審査員講評

柏井万作:1曲目と2曲目の振れ幅が印象的で、これをバンドで聴いたらどうなるのか、トラックをつけたらどう化けるのか。いろんなアレンジの可能性を感じました。デビューしていてもおかしくないほどの歌声が魅力的です。これからもたくさんの楽曲をつくってください。

柏井日向:素晴らしい歌声でした。特に2曲目は「音楽愛が溢れている感じ」が伝わり、みんなを笑顔にさせるような演奏がよかったです。高校1年生ですでに10曲ほどオリジナル曲があるということですが、ほかの曲も聴いてみたいと思わせる魅力があります。

曽我部恵一:「歌いたいことがある」という大前提の部分がすごく伝わってきました。ピッチも正確で、ここからもっと伸びていくと思います。そのスタンスを大切に、これからも曲づくりを頑張ってください。

椎葉ユウ:「自分の中身を歌にする能力」があると感じます。審査中ということを忘れてドキドキしながら聴きました。特に声が魅力的で、中域の少し低めのところや、歌声に息が混ざる瞬間が印象的です。「ここもいい、あそこもいい」と人に伝えたいことが次々に浮かんできて、そんなところにも強さを感じました。

ツインギターの5ピースバンド・ヒカリゴケ

3組目はツインギターの5ピースバンド・ヒカリゴケ。「ライブはみんなでつくるもの。盛り上がっていきましょう」とボーカル・かいが呼びかけ、THE ORAL CIGARETTESのキラーチューン“狂乱 Hey Kids!!”からスタート。続いて04 Limited Sazabysの“swim”を披露し、疾走感あふれる2曲のカバーを繰り広げた。演奏中は、ギターを頭上高く掲げて鳴らすなど、ステージパフォーマンスでも会場を盛り上げた。

ヒカリゴケ
高校生で結成したバンド。演奏力とメンバー同士の一体感を武器に、観ている人も一緒に楽しめる熱いライブを目指す。

審査員講評

柏井日向:初々しい演奏が印象的でした。技術的にはこれからですが、バンドを楽しんでいることが伝わってきました。今回はカバー曲でしたが、次はボーカルの声がより引き立つオリジナル曲で、「自分たちの音楽を聴いてほしい」という気持ちをもっと前に出してみてください。

柏井万作:キラキラした初期衝動が感じられるステージでした。これからもその気持ちを大切にしながら、リズムやメンバー同士の呼吸が合ってくれば、さらにパンチ力が出てくるはずです。客席を盛り上げていた仲間たちとの輪も、どんどん広げていってください。

曽我部恵一:ドラムとベースがすごくいいですね。エイトビートが気持ちよくて、ずっと聴いていたくなります。何より、バンド全体がプレイすることを心から楽しんでいるのがしっかり伝わってきました。ボーカルはハイトーンがきれいで抜けのいい声だからこそ、ステージでどう歌い、客席にどう届いているかを意識するともっと良くなると思います。ギター2人も、音の使い分けや立体感を研究していけば、さらに面白くなると思いました。

椎葉ユウ:自分がバンドを始めた頃を思い出して懐かしかったですし、「Jロックが好きだ!」という気持ちが伝わってきました。これからもっとバンド全員でリズムを生み出すことを意識して、ボーカルもそれに乗りながら歌えるようになると、さらに気持ちよくなると思います。

ピアノ弾き語りで等身大のラブソングを歌うシンガーソングライター・shio

4組目のshioは、エレクトリックピアノの弾き語りで登場。オリジナル曲“loop”からスタートし、美しいファルセットで会場を魅了した。リラックスしたムードのなか、ピアノを奏でながら語るMCでも、会場をやわらかな空気に包んでいく。続いて披露したのは、オリジナル曲“31 ハーフ”。16歳の今だからこそ感じる何気ない日常や、自分にしか分からない些細な出来事を歌詞に重ね、大切な人への思いを描いたという。shioならではの等身大のラブソングを届けた。

shio(シオ)
高校生シンガーソングライター。5歳からクラシックピアノを始め、中学生からピアノ弾き語りをスタート。最近は作曲やストリートライブに挑戦中。InstagramではJ-POPのカバーをメインに投稿している。福岡クリスマスアドベント2022〜2025、The Creators 2025、BAY FES 2025にバンド編成で出演。MISIAや久保田利伸をサポートする浦ヒロノリ率いるクインテットのライブ、Music Carnival in みらいホール 2025など音楽イベントのゲスト出演を経験し、FUKUOKA STREET LIVEをはじめ福岡市内を中心に活動している。

審査員講評

曽我部恵一:歌も曲も演奏も完璧だからこそ、あえて厳しいことを言うと、「あなたの歌と僕の間にちょっとだけ距離がある」と感じました。それは経験や人生の長さの違いかもしれませんが、歌というのは、あらゆる人に届いてほしいものです。その距離を歌の力で超えていってほしい。まずはあなたの心の中にある一番大事で、譲れないものを包み隠さず歌ってみてください。それだけでも、歌の伝わり方は変わってくると思います。

椎葉ユウ:作品もステージも16歳とは思えないほど完成度が高いです。だからこそ今後リスナーやファンとどう距離を縮めていくのかが気になります。聴いた人が「誰かに聴かせたい」と思うアーティストになるには、「今やっていることからどれだけはみ出せるか」が大事。いろんな音楽や経験、「汚れているけど美しいもの」にも触れて、もっとはみ出していってください。

柏井万作:完成度が高く、特に2曲目には心を打たれるものがありました。“loop”という曲名に合わせてピアノの音をループさせるなど、さまざまな音楽を聴きながら、自分なりに創意工夫していることも伝わってきます。もっともっと高いところを目指し、さらにレベルの高い創意工夫を重ねていってください。これからどんな音楽をつくるのか、すごく楽しみです。

柏井日向:まだ16歳だからこそ、これから経験する一つひとつのことが、音楽にも人としての成長にも繋がっていきます。アーティストにのめり込むのは、曲や歌詞が素晴らしいからだけでなく、その人自身を好きになるから。音楽を聴く、映画を観る、友達と遊ぶ。これからもいろんな経験を重ねながら、そのすべてを力にして、いい曲をつくり続けてください。

高校の軽音楽部で結成した4人組によるジャズバンド・ヒガシジャズ研

5組目に登場したのは、東福岡高等学校の軽音楽部で活動するジャズバンド・ヒガシジャズ研。変拍子やリハーモナイズを取り入れた高度なアレンジと、ジャンルにとらわれない独自性の高いオリジナル曲を、約8分にわたって展開。メンバー同士が互いの音や展開を意識しながら、一つの曲を組み立てていく姿が印象的。高校生のライブとは思えないほど集中力の高いステージに、演奏後、審査員からは「もうちょっと聴きたかった」という一言も飛び出した。

ヒガシジャズ研(ひがしじゃずけん)
東福岡高等学校軽音楽部内のジャズ研究会として2025年に活動を開始した高校生ジャズバンド。オリジナル楽曲を軸に、インストジャズとスタンダードの再構築アレンジを展開し、即興性と緊張感のあるライブ表現を追求している。ジャズの枠にとらわれず、ロックや現代音楽的な感性も取り入れながら、高校生という立場を超えたサウンドとステージを展開する。

審査員講評

椎葉ユウ:まず、高校の軽音楽部に「ジャズやフュージョンをやろう」と思う仲間が4人そろっていることがすごいです。今日のような同世代の観客がこういう音楽をどう受け止めるのか、興味深くフロアを見ていましたが、「なんかかっこいいな」「なんかすごいな」というのが、ちゃんと伝わっているように感じました。

柏井万作:めちゃくちゃかっこよくて、楽しませてもらいました。ジャズは高い演奏力が求められる音楽だと思いますが、粗い部分がありながらも、4人それぞれの演奏にすでに「かっこいい」と思わせるものがありました。この4人が出会ったことの奇跡みたいなことも含めて、これからどうなっていくのか楽しみです。欲を言えば、あと2〜3曲聴きたかったですね。

柏井日向:素晴らしい演奏で、4人の楽器が生み出すダイナミクスも魅力的でした。他のオリジナル曲ではどんなことをやっているのかも気になります。今回の演奏がすごく良かったからこそ、「他の曲もライブで聴いてみたい」と思わせるステージでした。

曽我部恵一:複雑な展開にもトライしていて面白いですが、もっと「わけわかんないぐらい」までいっちゃってもいいと思います。高校生バンドだからこそセオリーにとらわれず、リズムやメロディ、コードを自由に実験してください。この音楽に歌が加わってロックになったら、とんでもない化け物バンドになりそう。この先の可能性が楽しみです。

王道のギターロックを鳴らす3ピースバンド・valley

最後に登場したのは3ピースバンド・valley。ギター、ベース、ドラムによる王道のギターロックをまっすぐに鳴らし、1曲目のオリジナル曲“この恋が”から力強いボーカルを響かせる。続く楽曲は、KBC九州朝日放送の番組『高校生のじかん』のエンディングテーマに決まった“足跡の先へ”。同世代が抱えるさまざまな苦しさに寄り添い、「なんとかなるよ」と背中を押すような一曲だ。演奏を終えた3人は、「いつか立ちたい」と憧れていたBEAT STATIONのステージに立てた喜びと感謝を語った。

valley(バリー)
高校一年生2024年の秋頃からライブハウスに出るようになる。中学2年の冬、バンドを組む際にベースとドラムを全くやったことない同じ野球部だったチームメイトを誘いバンドを結成。2025年5月にベースが変わり、現在の体制となる。現在のベースも初心者の状態でバンドに加わった。月1〜2程度で福岡市のライブハウスでライブを行なっており、2026年6月にはPAILOUTという大阪のバンドのツアーに出演し、東京、君がいない街などのバンドとも対バンをした。8月からはKBC九州朝日放送の番組『高校生のじかん』というテレビ番組のエンディングテーマを担当。

審査員講評

柏井日向:曲も良く、歌も力強い。演奏にも力があるからこそ、もっとはみ出してもいいと思います。1曲目の間奏のギターも、もっと前に出していいですね。今持っている魅力を思い切り出していけば、さらに面白いバンドになっていくと思います。

曽我部恵一:最高。ちょっと泣いちゃった。まず、歌がどうしても伝わって、描いている風景が見える。声もでかい。それとやっぱり、レスポールをマーシャルにつぐとこういう音がするんだなと改めて思いました。ロックを好きになった原体験を思い出しました。ベースのやつも最高。シド・ヴィシャスかと思ったもん。あとドラム、なんでそんなバカでかい音がでるの。なんでちょっと楽しそうなのよ(笑)。俺の中ではみんなが優勝。この先ずっとバンドをやっていくと思うけど、このまま絶対変わんないで。

椎葉ユウ:自分もロックやパンクが好きだから、ちゃんと声がデカくて、目立ちたがり屋が音楽をやっていて嬉しいです。3ピースのパンクっぽいスタイルが3人にしっかりハマっていますし、2曲とも高校生の今だからこそつくれるもの。技術だけじゃなくて、人間として発するオーラがビンビンくる。そこがこのバンドの強さだと思います。

柏井万作:最高でした。自分も高校生だったら、こんなバンドをやりたいと思いました。最近はここまでストレートにロック、パンクを鳴らすバンドは少ない。3人とも振る舞いもかっこよくて、観ていてドキドキしました。ほかのキャラクターの曲も聴いてみたいし、フル尺のライブが観てみたい。

審査終了後は、曽我部恵一のライブ&出演者からの質問に答えるトークセッションへ

ライブ審査後、この日の審査員でありゲストアーティストでもある曽我部恵一がステージに登場。出演者の高校生たちがフロアで見守るなか、“きみの愛だけがぼくの♥をこわす”からライブをスタート。

「みんなキラキラしてました。俺もキラキラしたい」と続け、“キラキラ!”へ。さらに、子育てを頑張る自らをねぎらう“6月の歌”や、自身の子どもに宛てた“おとなになんかならないで”などを歌い上げ、ギター一本で圧巻のステージを魅せた。

MCでは自身がミュージシャンを志した動機にも触れ、「根拠なんてなかったけど、中学生の頃から“ミュージシャンになる”と言い続けてきた」と語り、「みんなも歌い続けてください」と、高校生たちへバトンを手渡すようにライブを締めくくった。

続いて始まったのは、出演者から事前に寄せられた質問に審査員が答えるトークセッション。ライブの見せ方からバンドのアンサンブル、楽曲制作まで、出演者たちが日頃感じている疑問に、4人の審査員がそれぞれの経験と言葉で答えた。

Q.ライブでは、どうすればたくさんの人に興味を持ってもらえますか?(valley)

曽我部恵一:人を立ち止まらせて、自分の歌を聴いてもらうのは本当に大変なことです。だからこそ自分の命を削ってぶつかるくらい全身全霊でやる。自分が生きてきたすべてを、1曲目の一発目に乗せて歌う。そうすれば「何やってんだろう」って、立ち止まってくれる人がいるかもしれません。

Q.バンド全体でリズムやタイミングをそろえるには、どうすればいいですか? また、サビで一番言いたいことを伝えるコツはありますか?(愛の名の下に)

曽我部恵一:縦のノリの基本は、ベースとドラムが合っていることです。ただ、テクニックとしてリズムを合わせるだけではなく、「気持ちが合ってる」ことが大切。普段からお互いの動きをよく見て、「こいつこう動くな」と分かるくらいになれば、多少のズレも含めて気持ちよく聴こえてきます。お互いの「気持ちいいところ」を探してみてください。

柏井日向:サビを目立たせる方法としてのアレンジやミックスは、一度で答えを出すものではなく、「ラスサビを目立たせるために手前を落としたほうがいいのか、増し増しで行ったほうがいいのか」いろいろな組み合わせを試しながら探していくものです。そうした試行錯誤を重ねることが大切だと思います。

Q.「また観たい」と思わせるライブで一番大切なことはなんですか?(ヒカリゴケ)

柏井万作:今日の曽我部さんのライブを観ていて感じたのですが、これまで何度も聴いてきた“おとなになんかならないで”が、今日はこの会場にいる高校生や親御さんたちのための歌に聴こえました。そんなふうに、その日、その時にしかできないライブをすることが、「また観たい」に繋がるんじゃないかと思います。音楽に正解はないし、演奏を間違ってもそれすら正解にできるのが音楽だと思うので、正解を求めすぎなくていいと思います。

Q.曲づくりでは、歌詞・メロディ・コードのどれから思いつくことが多いですか? また、ふと浮かぶのか、「つくろう」と決めてから生まれるのか、どちらでしょうか?(cocomi)

曽我部恵一:曲が生まれるきっかけに決まった形はなく、ふと口をついて出た言葉が歌になることもあるし、曲のテーマやタイトルから生まれてくることもあります。例えば僕の“コンビニのコーヒー”という曲は、「これを俺が歌にしなければ誰も歌わないだろう」と思ったから生まれました。ノートを開いてタイトルを書いたら、そこから自分だけの物語が生まれてきた。今日ここで感じたこともいつか歌になるかもしれないし、僕はそれを素晴らしいことだと思います。

いよいよ、賞に選ばれた3組の結果発表

トークセッションを終え、審査結果の発表へ。賞は全部で3つあり、WEB一般投票賞(一次審査通過者の演奏動画を特設WEBサイトで公開し、一般投票により選ばれる賞)、優秀賞、最優秀賞が用意されている。

WEB一般投票賞を受賞したのは、愛の名の下に。副賞として、オーディオテクニカからワイヤレスヘッドホン「ATH-M50xBT2」が贈られた。プレゼンターの椎葉ユウからは、「応援してくれる人が周りにたくさんいることも一つの才能。これからも大切にしてほしい」とエールが送られた。

愛の名の下にのメンバーは、「友達ってあったかいですね」と、応援してくれた人たちへの感謝を口にした。

オーディオテクニカ「ATH-M50xBT2」
オーディオテクニカのBluetoothヘッドホン「ATH-M50xBT2」は、世界中のプロフェッショナルに支持されるモニターヘッドホン「M50x」の高音質を継承し、ワイヤレスでも原音に忠実な高解像度サウンドを実現します。長時間再生や低遅延モード、専用アプリによる音質調整にも対応し、制作から日常のリスニングまで幅広く活躍。表現力を高める一台として、若手アーティストの挑戦を応援する想いを込め、本コンテストのWEB一般投票賞の特典として贈呈。

続いて発表された優秀賞はshioに贈られた。副賞として、カルチャーメディア「NiEW」へのインタビュー記事掲載が決定。

プレゼンターの柏井万作は、「ポップスとしての完成度がとても高く、その点が得点に繋がった」と評価。一方で、「だからこそ、このまま型にはまってほしくない」ともコメント。「この瞬間にしかつくれない、自分にしかつくれない音楽を、もっとはみ出しながらつくっていってほしい」と期待を寄せた。

賞を手にしたshioは、「こんな素敵な会場で演奏できて本当に楽しかった。審査員の皆さんからいただいた貴重なアドバイスを糧に、頑張っていきたい」と喜びを語った。

そして、栄えある最優秀賞に選ばれたのは、valley。最優秀賞の受賞者には副賞として、音楽エンジニア・プロデューサーの柏井日向とのレコーディング、完成楽曲のサブスクリプション配信、プレスリリース配信の権利が贈られる。さらに、10月10日から12日にかけて福岡で開催されるクリエイティブ・エンタメ体験イベント『The Creators 2026』のステージ出演も決定した。

プレゼンターの柏井日向は、「審査員満場一致だった」と明かし、「次は一緒にレコーディングなので、かっこいいものをつくりましょう。みんなを驚かせたいですね」とコメント。曽我部恵一は、valleyの演奏で「自分が忘れていたものを思い出した」といい、「今度は対バンしましょう」と笑顔で激励した。

valleyのメンバーは、「自分たちの信じてきた音楽を、自分たちらしく楽しくやったことが結果に繋がったのかなと思います」と喜びを語った。

『KNOCKERS -Fukuoka New Generation Music Contest- with exPoP!!!!!』では、受賞者へのアフターフォローはもちろん、最終審査参加者全員の演奏・プロフィール情報を大手音楽レーベルやマネジメント会社に送付。今後のスカウトや活動継続に繋がるよう、継続的な支援が行われる。

当コンテストを主催したクリエイティブ・ラボ・フクオカでは、『The Creators』の開催をはじめ、「好きなことに情熱を注ぐ若い世代のクリエイター」を街全体で応援する取組みを広げている。この日、BEAT STATIONのステージで持ち時間の10分にすべてをぶつけた6組の高校生たち。その音楽がここからどんな場所へ届き、どんな未来に繋がっていくのか。彼らのこれからとともに、福岡から生まれる新たな音楽カルチャーにも期待したい。

『KNOCKERS -Fukuoka New Generation Music Contest- with exPoP!!!!!』

最終審査:2026年8月18日
会場:BEAT STATION(福岡県福岡市中央区渡辺通4-11-4)
最優秀賞:valley/優秀賞:shio/WEB一般投票賞:愛の名の下に
公式サイト:https://www.city.fukuoka.lg.jp/keizai/contents/charm/knockers2026.html

『The Creators 2026』

2026年10月10日(土)、11日(日)
会場:UNITEDLAB(〒810-0041福岡市中央区大名1-3-36)
時間:OPEN 12:00 / CLOSE 21:00
※valleyは10月10日に出演

10月12日(月・祝)
会場:ソラリアプラザ1F ゼファ(〒810-0001福岡県福岡市中央区天神2-2-43)
時間:OPEN 11:00 / CLOSE 17:00

公式サイト:https://the-creator.jp/

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