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テイラー・スウィフト『The Tortured Poets Department』――セラピーとしての詩

2024.4.27

#MUSIC

自分は愚か者で、いつかテイラーの代わりは見つかる

”Fortnight”は、テイラー・スウィフトとポスト・マローン(Post Malone)のデュエット曲。2人の相性は素晴らしく、ポスト・マローンの控えめな歌唱が、かえって楽曲に哀愁をもたらしている。

And for a fortnight there, we were forever(たった2週間だったけれど、私たちは永遠みたいだった)
Run into you sometimes, ask about the weather(あなたと偶然会えば、天気の話とか、他愛ない世間話をしてた)
Now you’re in my backyard, turned into good neighbors(今ではあなたは私の人生の一部で、良い隣人って感じ)
Your wife waters flowers, I want to kill her(あなたの妻は花に水をやってる、彼女を殺したい)
(中略)
And I love you, it’s ruining my life(あなたを愛している。それが私の人生を台無しにする)
I touched you for only a fortnight(あなたに触れたのは、ほんの2週間だけだった)
But I touched you(でも、触れたの)

”Fortnight”

生き別れた2人の結婚生活と、元相手を忘れられない語り手の心情が描かれている同曲。テイラーはAmazon Musicでのアルバム解説にて「”Fortnight”は、このアルバム全体に流れる共通のテーマの多くを示す曲です」と話している。 「そのひとつが宿命論、つまり憧れ、執着、失われた夢です。生と死についての非常にドラマチックな歌詞がある点で、このアルバムは非常に運命論的だと思います。<あなたを愛している。それが私の人生を台無しにする>という歌詞は非常に大げさでドラマティックな言い方ですが、これはそんなアルバムです」。

アルバム表題曲“The Tortured Poets Department”では自分たちを偉大な詩人とくらべ、<私たちはモダンな愚か者(We’re modern idiots)>と形容する。歌詞に出てくるチェルシーホテル(Chelsea Hotel)とは、著名な詩人たちが数多く宿泊して作詞してきたニューヨークの伝統あるホテルだ。

無声映画からトーキー映画への過渡期を生き抜いた女優クララ・ボウの名前を冠した“Clara Bow”では、女性アーティストと大人たちの関係を描いている。先人のアーティストを引き合いに出し「君には彼女にない才能がある」という大人たち。その循環は止まることはなく、いつかはテイラーの代わりが見つかることを、自らの名を歌詞に入れて第三者視点で語っている。

You look like Taylor Swift in this light(君はテイラー・スウィフトみたいだ)
In this light, we’re lovin’ it(この光の中、気に入ったよ)
You’ve got edge she never did(テイラーにはなかったエッジがある)
The future’s bright, Dazzling(君の未来は明るい、輝いている)

“Clara Bow”

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