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友達の作り方に悩んだら。いいへんじ『友達じゃない』が描く、一歩踏み込む勇気

2024.4.10

#STAGE

いいへんじ 佐藤佐吉演劇祭2024参加作品『友達じゃない』(Aチーム) 撮影=月館森
いいへんじ 佐藤佐吉演劇祭2024参加作品『友達じゃない』(Aチーム) 撮影=月館森

「友達になりたい」人から打ち明けられた疾患に寄り添えるのか

物語の核は、真壁から4年ほど双極性障害を患い障害者手帳を所持していると告白された吉村が、いかに関係を深めてゆくかにある。

何度もライブで真壁と一緒になった2人は、ライブ以外でも会うようになり、荒川線沿線を巡ったりするようになる。吉村は、真壁が都電一日乗車券を買わない理由を尋ねた際に、病気と障害者手帳について聞かされたが、介助が必要な時は教えてほしいとしか言えない。また真壁の家で飲んだ夜、多くの酒が並ぶ棚に薬が置かれていたが、そのことに触れることもできない。さらにそのついでに荒川の土手まで散歩した際、真壁は酔った勢いで、「ふと死にたくなると、よくここに来る」「その度に、暗くて広く流れが早い荒川を見て怖くなり、飛び込めないことを確認して思い留まっている」と吉村に打ち明ける。

『友達じゃない』(Cチーム) 撮影=月館森

精神疾患のために調子の良い時と悪い時の差が激しいという真壁もまた、吉村と友達になりたいと思っている。その心情から出た告白なのだろうが、吉村は彼女の心に深く踏み込むことができず、次に会う時は気晴らしにスカイツリーの展望台に昇ったり、周辺のソラマチで遊んだりしようと提案することしかできない。職場の同僚とどう親しくなれば良いか分からないことと同様の壁を、吉村は真壁の精神疾患に感じてしまうのだ。

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