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私を求めてくれる人のために。みらんが語る、新しい出会いと新作『WATASHIBOSHI』

2023.12.13

#MUSIC

素直でいることの大事さ、自分が女性として生きている意味を考えるようになった。

―ここまでで6曲が揃いました。そして最後のレコーディングをしたのが今年3月と。

みらん:そうですね。この時期になるとどういう方向性のアルバムにするかも見えてきたので、残りを仕上げていきました。今まで基本関西で作業していましたが、みんな東京に集結して、ドラムには新たに岡田優佑くん(BROTHER SUN SISTER MOON)を迎えます。

―レコーディングしたのは“与えられる夜”、“私のハート”、“海になる”、“天使のキス”の4曲ですね。その見えてきたアルバムの方向性って?

みらん:『Ducky』は私の気持ちよりも「君」を主人公として歌っていた曲が多かったと思います。自分の気持ちを歌うと暗くなっちゃいがちだったから、明るい方に振り切りたくて。

―2年前にインタビューした時も、『帆風』(2020年)について20歳前後の微妙に葛藤している自分が出ていて暗いと仰っていましたね。

みらん:そうそう。でも“恋をして”ができた頃から、私自身のことも大事に歌いたいし、経験を積んだ今なら暗くならない曲を作れるんじゃないかという自信が沸いてきたんですね。今回タイトルを『WATASHIBOSHI』にしたことも繋がっているんですけど、私が夜空や星空に色んな想いを馳せているような作品にしようと思いました。だから今まで歌詞の一人称は「僕」が多かったんですけど、“私のハート”と“天使のキス”では意識的に「私」と歌っています。

みらん – 天使のキス(Official Music Video)

―特に“私のハート”の歌詞は晴れやかでたくましさすら感じますね。<大人っぽいねと言われるまでに成長 私のハートは固くなった 明日になっても変わらずいたい>の部分は特に。

みらん:そうですね、強い曲ができた感覚はあります。この4曲はどれもバンドで映える曲だったし、この最後のレコーディングが楽しかったから、私が東京にいけばこのバンドメンバーでライブもやっていけるなと思えて、上京を決められたんです。人間関係を構築しながら進めたアルバム制作だったけど、みなさんのおかげで今できる120%が出せた感じがします。今回バンドですごく満足できるものができたので、次は宅録で作りたいな。

みらん – 海になる(Official Music Video)

―チャレンジした1年だったと思いますが、積極的に動いて、新しい仲間と出会ったことで、また新しい景色が見えてきましたね。

みらん:音楽以外でも、今NiEWで交換日記の連載を一緒にしている小原晩ちゃんと仲良くなったのが大きかった。彼女と色んな話をする内に、素直でいることの大事さ、自分が女性として生きている意味を考えるようになって、“私のハート”では実際晩ちゃんのことを思い浮かべながら詞を書いていました。晩ちゃんと出会えたことは去年の中でも一番くらいに嬉しかったことです。

連載:みらんと小原晩の交換日記『窓辺に頬杖つきながら』(撮影:新家菜々子)

―そうやって自身を肯定できるようになったのは、大きな変化ですよね。その理由を、もう少しお伺いしたいです。

みらん:自分に出来るか出来ないか分からないことがほんとにたくさんあって、それでもやってみて、出来なかったことっていうのは無くって。もちろん全部満足いく形になってるわけでないし、たくさんの人に助けられてるおかげさまなわけですが、出来たことは出来たこととして、大きく自分を褒める。それの繰り返しで積み重ねてきたものが紛れもない事実として残って、今はそれで自分を鼓舞することができています。でもいつもほんとギリッギリです。折れてしまいそうなときはあらゆる友達に連絡します。そしたらみんな同じギリギリ具合で笑っちゃう。やるしかないかあって言い合って、今はなんとかやれてます。

―小原さんとの連載にも、その感覚がよく現れていますね。そもそも小原さんと仲良くなったきっかけは?

みらん:当時の自宅の近くの本屋さんに行ったら、たまたま晩ちゃんのエッセイ集『これが生活なのかしらん』の出版記念サイン会をやっていたんです。せっかくだからサインをもらって買って読んだらめっちゃよくて。この人と仲良くなりたいと思ったから、SNSで連絡したら意気投合して、そこからご飯に行くことになりました。晩ちゃんと出会えたことは去年の中でも一番くらいに嬉しかったことです。

―すごい巡り合わせですね。小原さんのどういうところに刺激を受けたんですか?

みらん:自分の好きなことでお金を稼ぐことについてしっかりとした考えを持っていて、生き方がかっこいいんですよね。ものづくりをする人間として、たくましく生きていかないとって私も思っているし、そんな話を真っすぐできる人が現れたことが本当に嬉しくて。

―上京してからは小原さん以外でも、kiss the gamblerのかなふぁんさんや、むらかみなぎささんといるところをInstagramでよく拝見します。同じシンガーソングライターの頼れる友人っていいですね。

みらん:寂しくなったら会いに行ける心強い存在です。二人と仲良くなったのもここ1年くらいですけど、晩ちゃんと同じくらい感謝。

でも音楽への向き合い方はそれぞれ結構分かれているなとも思っていて。私は多くの人に楽しんでもらえるようにちゃんと売れたいと思っているけど、なぎさちゃんは日々の生活の中で音楽を大事にしている感じがする。かなふぁんはとにかく面白い音楽をしていたい! という感じ。年齢もちょっとずつ違って、私は一番下なので甘えさせてもらいながら刺激を受けています。

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