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歌と詞を一番表現できるのは弾き語りだなって思う。
―そして“レモンの木”はみらんさんによるギターと安田つぐみさんのバイオリンだけ。アルバムの中でも異彩を放っている曲です。
みらん:こっちは盆丸さんのガットギターを拝借しまして、私が弾きました。弾き語りで作った時からこれで十分だと思っていたので、バンドではなくギター弾き語りと寄り添うバイオリンだけがいいなと。久米さんが安田さんに弾いてもらうための譜面をきっちり書いていて、改めてすごいなと思った記憶があります。
―みらんさんのライブは基本弾き語りで、たまにバンドセットもやっていますが、向き合う気持ちは違いますか?
みらん:バンドは正直まだ掴めてなくて、とにかくみらんというシンガーソングライターがここにいるぞという気持ちを奮い立たせて必死に演奏している感覚です。メンバーのみなさんのレベルもどんどん上がっているので、私が足を引っ張らないようにしないとって気持ちの方が強い。でも弾き語りはもう6年くらいずっとやってきていることだし、どう魅せればいいかわかってきた気がします。歌と詞を一番表現できるのは弾き語りだなって思う。

―弾き語りに自信がついてきたのはいつ頃から?
みらん:でも本当にここ最近です。去年12月に下北沢440でやった弾き語りワンマンなんて、色々考え過ぎてMCで喋ることまで一言一句紙に書いていたんですよ。
―それはなんかしんどそうですね……。
みらん:ですよね(笑)。この時期、映画撮影が始まったからしばらく東京のホテルにいて。アルバムもずっと作っているし、ちゃんとしなきゃってずっと気が張っていたんです。ホテルに籠っていてもよくないから近くのスタジオを押さえて、一人でワンマンのことを考えながら練習していたんですけど、この流れでいこう、ここでこれを言おうとか全部固めちゃった。お客さんには本当に申し訳ないですけど、あんまりいい手ごたえではなかったなぁ。だから弾き語りはその日の気分で歌いたい曲を歌うのが一番いい。自然体でやろうと気づけたのがこの時ですね。