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再開発が街にもたらす新たなカルチャーの芽吹き
Ginn:再開発で風の流れや街の気温が変化するのも表現活動に少なからず影響を及ぼすかもしれないですよね。
野村:そうですね。再開発には賛否両論あると思いますが、新しい場所ができることで、新しい表現が出てくるきっかけになる可能性はあると思います。例えばこれまで、天神周辺は天神北というエリアで人の流れが切れて、その先の海側にはなかなか遊びに行ったりしませんでした。しかし、再開発で天神北とその先の須崎公園エリアが開発されてカフェやホールができることによって、散歩しながら海側まで行きやすくなるんですよ。それに先んじてなのか、これまで遊び場になることが少なかった海側の施設「ベイサイドプレイス博多」に少なからず若者が集まり出しているという話も聞きました。
Ginn:野村さんも所属しているコレクティブBOATがスタジオとして使っている物件もその周辺ですよね。
野村:そうなんです。僕らのスタジオなんて、夜になると前の道を誰も通らない地域だったんですが、人の流れがもうちょっと変わってくると、ベイサイドプレイス博多を中心とした海側の地域でイベントをしよう! とか、何かクリエイティブをしよう! という人が増えてくるかもな、という期待はあります。
Ginn:人の流れで街が変わるって意味合いで、バンコクでも同じような例を思い出しました。土日だけオープンしている「チャトゥチャック・ウィークエンドマーケット」という超巨大マーケットがあるんですが、そこに隣接した「Bangsue Junction」というビルがあって。外装が赤いので赤ビルって呼ばれてるんですが、そこは元々若い人が寄り付かないビルだったんですね。3階ぐらいまではアンティークや調度品、家具が置いてあるお店が入っていたんですが、そこの4階をフロアごと古着市場にしたんです。そしたら、チャトゥチャックに行く若者たちが、夕方ぐらいからそっちに行きだすようになって。人が集まってくるので、今度は3階も古着市場にしようということで3階も古着屋が立て続けに入居し、遂には5階にも古着屋が入居しだして、現在、3〜5階まで古着市場になってるんですよ。