タイ・バンコクと福岡。直行便で5時間強。2023年3月に両都市から若手アーティストが参加した音楽コライトイベント『BEYONDERS』が福岡で開催されるなど、関係性を深めている福岡とタイ。この企画は、『BEYONDERS』を起点に交流を始めた2人が、音楽と最近の街の話題を交換していく対談である。
話者は日本からタイに渡り、バンド「Faustus」のドラマーとして活動しながら、dessin the world名義で日本とタイの交流活動を15年にわたって行っているGinn。そして、福岡のコレクティブBOATのメンバーであり、福岡音楽都市協議会と共にタイと福岡の音楽コライト企画『BEYONDERS』を主催した野村祥悟。大規模再開発で街が様変わりするアジアの玄関口福岡と、アートと音楽が調和する街タイ、バンコク。2つの都市を語り合う記事前編は、タイの音楽事情について。
INDEX
タイと福岡。共通言語は『NARUTO』『ONE PIECE』「NewJeans」
野村:タイからKIKI、福岡からはDeep Sea Diving Clubが参加してくれた『BEYONDERS』の開催から早くも3ヶ月経ってしまいました。改めて、イベントを振り返ってみてどうですか?
Ginn:想定以上にバンド同士のグルーヴが合ったっていうのが、まず真っ先に思ったことです。結構ありがちなのが、仕掛け人同士がバンドを選んで、実際に会わせてみたら、あまり合わなかったみたいな例も聞くので。
野村:英語で流暢にコミュニケーションが取れていたわけではないですが、仲良くなるのは一瞬でしたよね。日本人とタイ人のフィーリングが割と近いのかな? っていうのも感じました。
Ginn:今年の2月、沖縄で開催されている国際音楽ショーケースフェス『Music Lane Festival Okinawa 2023』にタイのSoft Pineというバンドが出演することになり、せっかく日本にいくので東京でもライブをやりたい、ということで、東京でのライブを新代田FEVERに組んでもらいました。ayutthayaと対バンだったんですが、その2組もグルーヴが合って、超盛り上がってました(笑)。Soft Pineとayutthaya、KIKIとDeep Sea Diving Clubは良い例になったと思います。
野村:特にタイの若い子たちは、割と映画とか音楽とかアニメとか、見ているものが日本の若い子たちと一緒なんですよね。だから共通言語が多くて、打ち上げでは『NARUTO』や『ONE PIECE』のセリフで異常に盛り上がったり(笑)。
Ginn:NewJeansの歌も合唱してましたね。