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作家仲間という存在のありがたさ
高:いえいえ。今日もそうですけど、『コミックビーム』(*)の漫画家さんと会うのはすごく嬉しいんです。編集部のみんなや連載している漫画家さんのことは、「仲間」だと思っています。『緑の歌』の連載がはじまる前までは、ずっと一人で漫画を描いてきて、そういう仲間がぜんぜんいなかったので、いまとても嬉しい。
*二人が連載している、KADOKAWAが発行する月刊漫画雑誌。
オカヤ:漫画家は個人戦ですからね。基本的に家でひとりだし。漫画を描くのって、「お前はどう思うんだ」とずっと聞かれているような感じがする。あと、小説の世界にはいわゆる文壇みたいな「シーン」がある程度ある気がするけど、漫画はコミュニティが薄いかもね。批評との戦い方とか、そういう意味での孤独もあるかもしれない。
高:はい。担当編集さんには、何か悩むことがあったら相談させてもらっていて、いつも問題や不安を解決してくれるし、一緒に頑張ってくれている気持ちが伝わってきて、安心します。
オカヤ:心強いですね。でも高さんの方にも、それを切り開く力があるんだと思う。「わかってもらえない!」みたいなことを、ちゃんと解決していってるんだろうね。
高:私は日本人ではないし、打ち合わせで私の伝えたいことが相手にはっきり伝わらなかったらどうしようか、心配していたんですけど、担当編集さんがすごすぎて。今はお互いに、何も言っていなくても何を考えてるかわかるくらいです。
オカヤ:ラブソングみたいだな(笑)。あと、漫画家はいきなりパタッと倒れる人が多いので気をつけた方がいい。最近突然死が怖くてね……。
高:それで言えば、前に、原稿が終わって「よし、リラックスするぞ!」と思って温泉に入ったら、すぐ倒れてしまったことがあって。
オカヤ:ええ! 危ない!
高:仕事しすぎですね。そのときもごはんを食べていなくて、自分の体を過信していました。やりたい仕事の話はつい引き受けてしまって、体を壊していたんですけど、最近は、タイミングが合わないときは、やりたくてもちゃんと断った方がいいと思うようになりました。
オカヤ:うん。ごはん、ちゃんと食べてね……。みんなでごはん食べに行こうね。
