新連載・オカヤイヅミの「うちで飲みませんか?」がスタート!
記念すべき第1回にオカヤ家を訪れたのは、『きいろいゾウ』『サラバ!』などの作品で知られる小説家の西加奈子さん。今年出版された、自身の闘病体験を描いたノンフィクション『くもをさがす』も大きな話題となりました。
40代半ばの書き手二人がいま感じることの話題で、オレンジワインが進んだサシ飲みの模様をお届けします。
あわせて、当日振る舞われたおつまみの中から一品、レシピもご紹介。今回は「柿と春菊のサラダ」です。(レシピは記事の最後に!)
INDEX
小説業界と漫画業界の、似て非なるカルチャー
オカヤ:オレンジワイン飲む? 個展をやったときに、差し入れにいただいて。一人で開けても飲みきれないからさ。
西:あ、おいしい。これ、ええやつちゃうん?
オカヤ:文芸の編集者さんって、美味しい手土産とかお店とか、すごく知ってるよね。
西:たしかにな。漫画は違うん?
オカヤ:私の場合は、打ち合わせもファミレスでやったりすることが多くて、いいお店に行くことはあんまりないね。売れてる人はあるのかもしれないけど……。あと、描く前に打ち合わせをすることがほとんどないから。
西:じゃあ仕事はどうやって始めるん?
オカヤ:メールで「ではネームを描いてきてください」みたいな感じ。だから、文学関係の人と仕事すると、「打ち合わせに来たけど雑談でよかったの? これは何の時間?」みたいになる。
西:わかる! うち、それやったら漫画の方が性に合ってるかも。あの、フワフワとした探り合いの時間は、うちも苦手やわ。
オカヤ:仕事は確約じゃないんだよね? なのにただ奢ってもらっていいんだろうか……と。
西:わかるー。話がすごく盛り上がったあと、1時間くらいしてトイレに行くやん。で、戻ってきたら、編集者さんが急にスンとなって、「ときに西さん、いまどのようなご予定で?」っていうあの空気が苦手やから、ご飯行くにしても「仕事のお話だったら最初にしましょう」って言うねん。