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グッド・ミュージックに出会う場所

吉祥寺「SILENCIO(シレンシオ)」 自然体で雑多な選曲が面白いカフェ/バー

2024.8.29

#MUSIC

自分で聴くためのレコードコレクション

取材に伺った日、荒山さんにアイスコーヒーを淹れてもらい、カウンター越しに少し話を伺った。昔はハウスのDJをやっていてダンスミュージックのレコードをたくさん買っていたこと、DJのためのレコードよりも、自宅で聴くためのレコードをジャンル問わず買う比重が増したこと、その中でもジャズを買うことが増え、フリージャズやスピリチュアルジャズをかなり買ったことなどを控えめな口調で語ってくれた。すこし癖のあるコレクションは彼が長い時間をかけて地道に買い集めてきたものだったとわかった。

端的に言うと「リスナーが長年集めてきたレコードの集積」がインスタに載っていた、ということになる。また、「自分で聴くために集めたレコード」ということでもある。DJはクラブでかけるため、もしくは僕ら音楽ライターであれば記事を書くため、そんな感じで誰かと共有する前提でレコードを買う場合もある。飲食店なら店のBGMのため、といったところだろうか。でも、SILENCIOのレコードの多くは「ひとりで聴くため」に集められたものだったと荒山さんは語る。聴きやすいレコードもあれば、かなり実験的なレコードもある。とにかく幅広くて、面白いコレクションだと感じたのは、それがあくまで荒山さんにとっての「自分のためのレコード」だったから、なのかもしれない。

コレクションのことがもっと知りたくなったので「あのディスクガイドを読んでました?」「あのDJが選曲したコンピレーションを聴いてました?」などとあれこれ質問をしていると、そういったガイドに頼らずに、レコードのジャケットに載っている情報などを頼りに自分の嗅覚を頼りに買っていたと荒山さんは答えてくれた。文字通り自分なりに「掘っていった」結果がこのコレクションだということだ。

左にジャケットが見えるArt Ensemble Of Chicagoは、もともとロックやダンスミュージックを中心に聴いていた荒山さんが最初に好きになったジャズのひとつなんだそう。
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