ハチミツ芸人8組がお笑い界のトップになるべく、話題になりそうなことに全力でチャレンジしていく芸人総合バラエティ『深夜のハチミツ!! Bee The TOP』通称『深夜のハチミツ』。数々の人気番組を輩出してきたフジテレビ深夜のお笑い番組の最新形だ。
ハチミツ芸人と新進気鋭のアーティストがそれぞれタッグを組み、「タオルをブンブンしたくなる曲」というテーマで楽曲を制作する「メジャーデビュー争奪戦!ハチフェス」が始動した。TikTokの再生数と、8月25日にお台場冒険王の特設ステージで行われるライブパフォーマンスへの観客投票をもっとも集めたユニットはソニーミュージックから正式にCDデビューすることができる。
ここでは8組による、「音楽×お笑い」の化学変化を記録するために対談連載を実施。今回は漢気あふれるアクロバットなお笑いコンビの生ファラオと、老若男女全年齢対象令和歌謡ロックバンドの弁天ランドに語ってもらった。
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『京都大作戦』に毎年行く生ファラオと機材車でお笑いトークをする弁天ランド
ーこの企画に参加することが決まったときはどう思いましたか?
石川(生ファラオ):最高の気持ちです! 僕自身めっちゃバンドが好きなので、おこがましいかなという気持ちもあったんですけど、やっぱりうれしいので。
東(生ファラオ):イベントでカラオケやることはあったんですけど、がっつりレコーディングははじめてなので、テンション上がってます。

1994年6月18日生まれ、京都府出身の石川(いしかわ)と1994年10月21日生まれ、京都府出身の東武志(あずまたけし)からなる吉本興業所属のお笑いコンビ。高校の同級生だった2人がNSC大阪校に37期生として入学し、コンビを結成。2023年4月からは『深夜のハチミツ』(フジテレビ系)にレギュラー出演し、2024年3月に大阪よしもと漫才劇場を卒業し、活動拠点を東京に移した。現在は、神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動中。
サトウ(弁天ランド):僕は27歳なんですけど、矢島美容室とかレッドシアターズのTHE BOOMのカバー(※)とか見てた世代なんですよね。
編注※:フジテレビ系列で2007年から2014年まで放送されていたお笑いバラエティ番組『爆笑レッドカーペット』から生まれた若手芸人8組レッドシアターズは“風になりたい”をリリースした。
yukai the nippon(弁天ランド):音楽とお笑いがフューチャーされてることが多かった世代なので、こういう企画はうれしいですよ。
サトウ:テレビの企画に参加すること自体がはじめてですし。
yukai the nippon:お笑い芸人さんも元々好きで、機材車で移動中も「あの芸人さん面白いよね」みたいな話もしてました。

サトウケイ(Vo / Gt)・yukai the nippon(Gt / Cho.)・チャーリー (Ba / Cho)・しロくま(Dr / Cho)による2021年の夏に結成された、東京を中心に大活動している「老若男女全年齢対象令和歌謡ロックバンド」。小気味良い語感で描かれたサトウの人間らしさ溢れる歌詞と、どことなく懐かしいメロディを彩る鮮やかなバンドサウンドが耳に残る楽曲で支持を集めている。東京から全国に向け、ジャンルやシーンを問わず、2024年は『MURO FESTIVAL』『SUMMER SONIC』の出演を果たし、活動の幅を広げている。
ー生ファラオのお2人は普段どんな音楽を聴いているんですか?
石川:ロックとかバンド系ですね。2人でライブ行ったりします。
東:出囃子もSPARK!!SOUND!!SHOW!!の曲を使わせてもらってます。地元が『京都大作戦』やってる街なんで、毎年行ってますね。
石川:バンドの人とお酒飲んで仲良くなって、イベントに呼んでもらうこともありますし。2022年の『FREEDOM NAGOYA』にも出演させてもらいました。昔はレゲエとか聴いてましたね。
東:アヴィーチーも聴いてました。
石川:今はOASISにハマってます。幅広く聴いてますね。演歌とシャンソンだけは、これからの楽しみにとっておいてます。
ー弁天ランドのみなさんはどういったお笑いを見てるんですか?
yukai the nippon:僕はテレビが多いですね。
サトウ:芸人さんのラジオとか、YouTubeも見ます。
しロくま(弁天ランド):去年の『M-1』は(サトウ)ケイさんと一緒に鍋やりながら見ましたね。敗者復活戦からずっと。
yukai the nippon:生ファラオさんのことは正直この企画まで知らなかったんですけど、ロック好きだし、何よりも顔が素敵ですよね。覇気があるというか。
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『ハチミツ』のことを織り込んだ歌詞
ーサトウさんが作ってきたデモをはじめて聴いたときはいかがでした?
東:こんなにバンドの曲が出来上がっていく内側を知ることなんてないので、すごいな! って。

サトウ:あれは元々サビだけあったんです。テンポ感がタオルを回すのにぴったりだったので、生ファラオさんを含めてコンセプトとかを話し合って詰めていきました。
yukai the nippon:サトウはめちゃくちゃデモのストックが多いんですよ。このバンドをはじめる前から、1人で曲を作りまくってて。そのうちの1曲を僕が聴いて、サトウに連絡してバンド結成に繋がったんです。100曲くらいストックあるよね?
サトウ:(両手でピースしながら)はい!
yukai the nippon:なので、いつもイチから曲を作るというよりは、ストックから臨機応変に組み合わせて作る方が多いかもしれないです。
サトウ:顔合わせの前までは生ファラオさんメインの曲になると思ってたんですけど、スタッフさんからも「弁天ランドさんらしさもぜひ入れてほしい」って言われたので、調整しながら。
東:僕らの要素をめっちゃ入れてくれてるんですよ。思いを汲んでくれてるというか。
石川:逆にちょっとやりすぎ。
サトウ:やりすぎ?(笑)
石川:いや、うれしいけど(笑)。
東:<明るさの真ん中で>っていう歌詞があって、あれは発明ですよ。「日」と「月」の間だから、日曜深夜に放送してる『ハチミツ』のことなんですって。
yukai the nippon:普段は歌詞の意図を詳しく説明してもらうこともあまりないんで、僕らにとっても新鮮でした。

ーストックはあるにせよ、企画ありきで曲を作るのは珍しいと思うんですが、やってみていかがでした?
サトウ:大変でした。防音室で1人で打ち込みしながら「俺はこれをやりたくてやってるんだ!」って叫びながら自分に言い聞かせてました(笑)。
石川:ありがとね……。
サトウ:普段はタオルをブンブン振り回すバンドじゃないので、それも楽しかったです。
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生ファラオはジャムセッションのようにネタ作り
ー一緒に曲を作ってみて、ネタ作りとの共通点はありましたか? それとも全く別物でしたか?
石川:僕らは2人で話し合ってネタを広げていくんで、弁天ランドみたいに1人が作って他のみんなに伝えるやり方とは違うんですよね。こういうやり方もあるんやな。
東:かっこいいやり方だなと思いましたね。
yukai the nippon:2人で作るときに、「このネタは俺がやりたい!」ってならないですか?

石川:それはありますね。最初に思いついたボケとか設定によって、2人のどっちが主軸になるか決まってくるから、そこから広げていく感じで。音楽にもそういうのあるんかなって思いますけど。この曲はドラムがめっちゃメインみたいな。
サトウ:確かに。生ファラオさんはバンドっぽいネタの作り方ですよね。ジャムセッションみたいな。
石川:僕らは完全にボケとツッコミが分かれてるわけじゃないんで、この作り方ができるのかなと思います。
東:分かれてたら、どっちかが書くことになると思うんですよ。芸人全体だと、そっちの方が圧倒的に多いですね。