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ボブ・マーリーは人のために生きた人
ーとあるシーンで「役に立つ / 有益な」という意味の「Beneficial」と言っているボブ・マーリーが印象的でした。自分よりも家族や他人をいたわる旨の発言で、これまで楽曲でしか彼を知らなかった自分にとって新鮮でした。父親でありアーティストのボブ・マーリーを改めてどのように形容しますか?
ジギー・マーリー:いつも人のためを考えている人でした。自分よりも他人を労わる。自分のために生きた人ではなかった。自分のことを顧みず「人のために生きる」と宣言できる人はどれくらいいるでしょうか。それは、息子として父から教わったことでもありました。


ーご自身もボブ・マーリーのように「人のために生きること」を意識していますか?
ジギー・マーリー:意識しているし、尊敬もしているけど、彼ほどではないです(笑)。彼ほど振り切ることは自分にはできないかもしれない。でも、ボブ・マーリーは自分が持ちうる以上のものを人に与えようとした偉大な存在。だからこそ、死後もなお、彼が残したメッセージには影響力があります。父のメッセージを後世に伝える役割を担えて誇りに思っています。
ーなぜボブ・マーリーはそんなにも慈悲深い人だったのだと思いますか?
ジギー・マーリー:「人のために生きることが自分の人生の目的」だと彼は悟ったんです。人間として次元の違うレベルに達していた。生きている限り人生は進化の連続です。私もそう。36年という短い生涯では、悠長に待っている時間なんてなかったかもしれない。実際に彼の心境にどんな変化があったかはわかりませんが、早い段階で悟りの境地にいたんだと思います。

