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自分がやりたいことを突き詰めていれば、それが個性になる(Ayumu)
―SIRUPが海外にも活動領域を広げているのは、音楽を通じてさまざまな経験がしたいという「人生へのロマン」的な要素があると思っていて。Ayumuくんはリアルにアメリカに住んでいるし、アメリカの若者のリスナーも多くてSIRUPとはまた違ったスタイルの活動だと感じていますが、海外で活動しようと思ったきっかけは何だった?
Ayumu:14歳の時にニューヨークへ留学に行けたことが全てです。一番吸収しやすい時期にニューヨークにいることができて、アーティストとしてのスキルはもちろんですが、「人としてどんな人でありたいか」について考えたし、自分がどんな風に見られているのかを客観視できました。
―14歳って、日本に住んでいたとしても色々なアイデンティティを発見する時期だと思うし、大人になってから海外に行ってカルチャーの違いを感じるのとも違うと思うんだけれど、どういったことを感じました?
Ayumu:日本人がどういった風に見られているのか、客観視できたのは大きかったです。アメリカに住んで初めて、自分が外国人として生きることを経験しましたので。

―特にニューヨークは人と違うことをするのが成功への近道みたいな部分があるじゃないですか。自分を客観視することで、何をしたら人と違って見えるのかわかったのかな。
Ayumu:みんなが個性的だから、意図的に人と違うことをやろうとしなくても、自分がやりたいことを突き詰めていればそれが個性になるとわかった気がします。
SIRUP:聞いていて思ったのは、俺が14の時は中学校の友達のことしか考えてなかったけど、Ayumuは世界中に共通言語としてあるダンスをやっていたから、世界という文脈で見ることができたんだろうなって。
―SIRUPは日本での活動と海外での活動で、どのようなところにギャップを感じますか。
SIRUP:俺は大人になってから海外でライブをするようになって、ライトなところで言うと、例えばライブや音楽に対して日本人と海外の人が反応するポイントの差があると感じています。Ayumuにも聞きたいな。
Ayumu:アメリカのアーティストと交流していて一番感じるのは、日本だとチームで動くと思うんですけど、アメリカは本人1人の周囲にスタッフがいる感じで、日本よりも責任感が強いなと思います。
―アーティスト本人が決めなきゃいけないことが多い、みたいな?
Ayumu:それもそうだし、やり方が根本的に違う。フィーチャリングしてくれたMAXは事務所のスタッフ全員を自分で動かしているようなすごい人で、日本にも同じような人はもちろんいるけど、アメリカではそのやり方が主流だというギャップを感じました。
ー日本だとアーティストに負担をかけないように周囲が動いてくれているけど、結果としてアーティスト本人の主体性がなくなっている場合もあるよね。
SIRUP:「アメリカはみんな主体性があるから全然まとまらない」みたいな話を想像していたけど、全く違ったね。