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日本で前例のないフェスを一から作り上げた経験
―『S2O JAPAN』以前にも、既に水を使ったイベントを開催されていたんですね。
KIUCHI:『S2O』は特殊なイベントで、通常の「特効」と言われる炎や水の演出の範囲でできる内容ではないんです。なので、日本で『S2O』を開催できるのは『ウォーターラン』の知見を持っている自分たちしかいないのでは、と思いました。日本の『ウォーターラン』が2年目を迎えた頃、知り合いのDJでタイに移住した人がいたので、『ウォーターラン』の企画書を翻訳してもらって本国の『S2O』の主催者にDMで送ったのが最初のアクションでした。
―日本で実現するにあたり、ハードルとなったのはどんな部分でしょうか。
KIUCHI:イベント作りの経験はあるものの、『S2O』ほどの規模のイベントを開催する知見は全く持ち合わせていなかったので、毎日壁にぶち当たっていたように思います。当たり前ですが、準備期間は収益が0円なんですよね(笑)。でも、やらないと一銭にもならないので、とにかく試行錯誤しながら前に進める努力をしてました。
後からわかったことなのですが、中小企業が一から企画を作ってライセンスを取ること自体が珍しいケースなんです。『ULTRA JAPAN』を日本に持ち込んだ小橋(賢児)さん以外だと日本では自分が最年少らしくて。やり方を教えてくれる先生もいないのと、エンタメ音楽って結構特殊な業界なので、よほどお金がない限りやりたくてやれるものでもないんです。ドラクエみたいに壁にあたっては少し進んで……を繰り返していました。
―『ULTRA JAPAN』のお話がありましたが、『S2O』を日本に上陸させるにあたり、参考にしたイベントはありますか?
KIUCHI:本国タイの『S2O』だけにフォーカスしてました。見本があるものは真似できるので。『ウォーターラン』の時は見本がなかったので、イベントで使う3000人分の水風船をどうやって調達するのかといったことから考えなければいけませんでした。