INDEX
札幌のローカルなシーンを形成する人、場所、イベント
柴田:北海道のイベントのフライヤーをSNSで見てると、LAUSBUBの二人のソロの出演だったり、PLASTIC THEATERの企画だったり、自分は行けないけど、刺激的なラインナップが多いですよね。
西山:ある地域で同時多発的におもしろいことが起きたり、畑の違う人同士が、やる場所がほかにないからと偶然出会って、何か化学反応が起きるみたいなことってなかなか情報として残らないじゃないですか。だからそういう場面に立ち会えるのは、かなりラッキーなんだろうなって思います。
柴田:それこそloli主語くんみたいな人がLAUSBUBの二人と同じ世代に、同じ札幌にいるのも不思議で。
岩井:loli主語くんはこの前も川でiPhoneだけでDJして遊んだりしてて、わけわかんないっていうか、めちゃくちゃですね(笑)。全員、仲いいですけど。そういうローカルなつながりは、たしかにラッキーだなと思いますね。

西山:大阪にいる頃に思ったのは、やっぱり東京と比べると地方ってジャンルでつるむ人を選べるほど人がいないから、遊ぶ友達も活動的には全員バラバラだったりする。人間的に相性悪かったらつるめないし、音楽のジャンルとかよりも根本の考え方や思想みたいなところでリスペクトできる人が集まってると思います。
だから一緒に遊ぶ友達が勧めてくる音楽とかも、ジャンル的には知らなくてもすごくよかったりするんですよ。そういう付き合い方だから広がりがあるというか、音楽的な価値観とかもいろいろ見えてきて、よかったなと思いますね。
─ジャンルではなく、人の縁だったり集う店でローカルなシーンが形成されていきますよね。
高橋:loli主語くんもそうですけど、どこのシーンにも属そうとしないような、でもどこにでも現れるフラットな人が札幌には結構いるなーと思っていて、そういう人と話してみると価値観だったり考え方に共感したり、そこで生まれるつながりは強いと思います。
岩井:北海道にはほかにも、「十三月」からリリースしたGlansってオルタナのバンドがいますね。ボーカルの(江河)達飛くんはジューク / フットワークのDJもやってて独自の価値観を持ってるんですけど、速すぎて遅くなるとか、逆に遅すぎて速くなることについてめっちゃ語ってたり(笑)。そういうめちゃくちゃな、わけのわからないおもしろい人が札幌にはいます。
岩井:あと、みんなシャイなところもあるんですけど「さっきのライブはあんまりよくなかった」とか、はっきり言うんですよね。そういうこだわりとか美学がちゃんとある人が地元の友達には多い気がします。
高橋:さっき柴田さんがおっしゃっていたPLASTIC THEATERで『点灯』ってイベントがあって、mostin fantasyさんという方が主催しているんですけど。mostinさんはすごく札幌のシーンを見ていて、イベントのメンツとかも、まったく違う畑の人が集ってて、不思議な空間というか、そのイベントでしかあり得ないような体験がありますね。

岩井:mostinさんは、大学のイベントまで来てて、そういうすごくローカルなイベントにも一人でポンとやって来るような人なんですよね。あとthe hatchの山田碧さんは、東京にいながらも札幌のシーンのことをすごく考えている方で、音楽に対して献身的というか、札幌のみんなの重要人物ですね。
the hatch主催の『THE JUSTICE』という札幌のイベントに私たちも出演させてもらったんですけど、京都からはMOFO、山口からはtoiret statusが出演して、お客さんも10代から60代まで幅広く、ジャンルも年代も関係なく、ひとつの会場で音楽を奏でるっていうのが、ほかにあまりないイベントでした。
柴田:Salonタレ目なんかも、おもしろそうな場所ですよね。
岩井:あそこも今すごくおもしろい場所のひとつですね。リスニングパーティーのイベントを主催させてもらったんですけど、いろんなことが試せるお店だと思います。