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直木賞作家の小川哲とプロデューサー大森時生が「現実と虚構」をテーマに対談
トークショー「現実と虚構」では、テレビ東京のプロデューサー / 演出家として『イシナガキクエを探しています』『飯沼一家に謝罪します』などフェイクドキュメンタリー作品を手掛ける大森時生と、小説『地図と拳』で直木賞を受賞した作家の小川哲が対談。2人は何度か食事にも行った仲だという。

最初に『飯沼一家に謝罪します』の冒頭部分が上映され、両氏による「現実と虚構」をテーマにした対話が始まった。
まず大森は、自身が手掛けた作品だけでなく、『変な家』(小説 / 映画)、『近畿地方のある場所について』(小説 / 映画化決定)など、広義のフェイクドキュメンタリーやホラー要素のある作品が度々話題を呼んでいることを指摘。「こうした盛り上がりは今がピークだと感じますが、一般論として景気が悪いとホラー作品が流行ると言われています。僕は1995年生まれで、現在に至るまで世相が良くなったと感じることはありませんでしたが、皆さんも生きていて楽しいことが少ないかもしれないのかなと。作品を通じて最悪さを享受することが、意外に救いになることがあると思うんです。暗い気持ちの時には明るいコンテンツが受け入れられないことがありますし」と語る。
以後の対談では「フェイクドキュメンタリーの表現形態はどんなもので、どのように観客の心を動かしているのか」が話題の中心となった。