メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

踊ってばかりの国インタビュー 『On the shore』に込めた逃避の肯定

2024.7.29

#MUSIC

『moana』産みの苦しみを経て生まれた新作『On the shore』

―では新作の『On the shore』について聞かせてください。制作はどのようにスタートしましたか?

下津:最初に“ZION”を書いて、まだ手持ちの新曲が1曲だけの段階ですけど、既に「もう次はアルバムやろ」みたいな空気がうっすらありました。コンセプトを決めて曲を書き始めるとかはできなくて、いつもその期間に全員が生きた、写真のアルバムみたいになるんですけど、今まで一番コンセプトがまとまってる10曲が揃ったと思ってますね。テーマで言うと、2022年に出した『Paradise review』は街中で生きていて出てきたブルースだったんです。でも『On the shore』は海辺で気づいたことを、街で生きていくライフハックにするみたいなイメージがあるから、海辺のそばで録りたくて、前のアルバム『moana』と同じく伊豆スタジオで合宿やなって。

―かつてのサイケなロックバンドのイメージを引き継ぎつつ、近年はジャズやアンビエントの要素も強まっていて、その変化は丸山さんの存在が大きいイメージがあるのですが、実際いかがですか?

下津:コードを決めるのはここ2人(下津と丸山)で、丸ちゃんは僕がメジャーでバーンって弾いちゃうコードを分解する役割を担ってくれてるので、その感性が反映されてるとは思ってるっすね。タイキ(坂本)はタイキで今までにやったことがなくて、なおかつメロディに沿ったリズムを見つけてきてくれるし、それを大きく包んでる2人(谷山と大久保)みたいな、棲み分けがあって。今は全員どこで自分が機能しているのかをわかってるので、一概に下津がどうとか丸ちゃんがどうとか言うよりも、全員で変わってる感じはあります。そこが人間同士でやっている強みというか。

丸山:『Paradise review』や今回は自分の意見をあんまり言ってなくて。でも『moana』のときに言ったことをみんなが汲んでくれている感じはすごくします。

左:大久保仁(Gt)右:丸山康太(Gt)

下津:『moana』の経験があって、肌感でわかるようになったというか。アレンジの組み立ては『moana』が一番時間がかかったんですけど、でもその経験がなかったら中途半端なアルバムを出すバンドになってたと思うし、産みの苦しみは必要なので、あのとき苦しんでよかったなと思いますね。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS