“官僚教師”の御上孝(松坂桃李)と令和の高校生たちが腐った権力へ立ち向かう学園ドラマ『御上先生』(TBS系)がいよいよ最終回を迎える。
とある試験会場での殺人事件からはじまったストーリーは、御上が担任を務めるクラスの生徒たち一人ひとりが抱える事情も巻き込み、社会そのものの問題を炙り出してきた。
一般的な学園ドラマとは大きく異なる衝撃的な内容だけでなく、映像としてのクールさも評価されてきた本作の魅力の一つは、主役級の豪華キャスト陣と若き俳優たちの共演にもあるだろう。
毎回、SNS上でも話題になり続けて来た本作のこれまでについて、ドラマ映画ライターの古澤椋子がレビューする。
※本記事にはドラマの内容に関する記述が含まれます。あらかじめご了承下さい。
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社会の延長線上にある場所としての教室を描く学園ドラマ

話数が進むにつれ、どんどん鋭く、深くなっていくストーリー。後半からは、隣徳学院と文部科学省と永田町とのつながりを暴く動きがメインとなっていったが、それでも「パーソナル・イズ・ポリティカル」というメッセージは変わらない。
いわゆる「学園ドラマ」は、いじめやスクールカーストなど、学校という舞台ならではの問題を描き、教室を社会の縮図として描くような作品が多い。学校にいる多くの生徒の一人ひとりにフィーチャーすることで、社会の様々な問題を取り上げることができるのだ。それが学園ドラマの魅力とも言えるだろう。
一方、『御上先生』は、学園ドラマで描かれがちな問題をあえて描いていないように感じられる。教室を社会の縮図として描かず、社会の不均衡さが反映される場所、社会の延長線上にある場所として描いている。生徒一人ひとりの事情を見ていくうちに、社会が抱える問題そのものが見えてくるのだ。