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高木正勝ロングインタビュー 映画音楽は、音楽家が書いたもう一つの脚本

2024.12.25

#MUSIC

『キッチンから花束を』の音楽は「家族」というテーマから

ー2024年はもう1本、ドキュメンタリー映画『キッチンから花束を』の音楽も手がけられましたが、こちらはどういった作り方でしたか。

南青山の台湾家庭料理「ふーみん」についてのドキュメンタリー映画

高木:こちらは映像をもらった時点で、僕の音楽がサンプルで半分くらい入っていました。ずっと感動的な音楽が流れていたんですけれど、僕は映画に登場するふーみんさんのことを知らなかったから、感動的な音楽を2、30曲書くのは辛いと思って、1回お断りしたんです。でも、どうしても、と頼んでくださって。それで既に頭に浮かんでいたエンドロールの曲を一旦録って送りしたら、イメージ通りだったということで、そのままオープニングでも使ってもらいました。

ー“ふーみんママのテーマ”ですよね。

高木:そうです。でも僕はその時点では、映画のテーマを掴みかねていたので、妻にも見てもらったんですよ。そしたら涙して「よかった」と言うんです。ふーみんさんがお店を引退された後、台湾で大家族のお母さんに料理を作ってもらうシーンがあって、そこで感動したみたいで。ふーみんさんにはお子さんがいないけれど、「家庭料理」とお店の名前につけているくらい「家族」にこだわっている人ですし、「ふーみんママ」と皆に呼ばれています。

ーいろんな人にとってのお母さんなんですよね。

高木:だから「お母さんという存在は何か」というテーマで映画を捉え直したら、ちょうどいま僕も子育てをしているので、曲がどんどんできました。思えば監督がつけたサンプル音楽も、僕の曲の中から”家族”がテーマになっている曲を当ててくれていたんですよ。

ー映画を観て、テーマが「家族」だというのは感じました。

高木:何をテーマと捉えるかで音楽も変わりますし、全然違う映画になってしまうんですね。僕たち夫婦は、長らく不妊治療で苦労したので、お母さんとか、命とか、ずっと考えながら生活してきたので、ぴったりの映画だったと思います。

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