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進化し続けるポップディーバ
その後もカイリーは時代の音を柔軟に取り入れながら進化を続け、ダンスポップの女王としての地位を揺るぎないものにしていった。また、かねてからシドニーのプライドイベントに出演していた彼女はクィアアイコンとしても絶大なものとなり、たとえば2010年のヒットシングル“All The Lovers”のミュージックビデオでは愛を交わし合うカップルのなかにゲイを多くフィーチャーするなど、クィアのオーディエンスを祝福し続けてきた。
そんなカイリーが2020年代に突入しても第一線で活躍しているのは驚異的なことだ。とりわけ16作目のスタジオアルバムとなった2023年の『Tension』年はキャリアを包括するエレクトロポップにモダンな感覚をミックスし、批評家からも高い評価を得た。なかでもリードシングル“Padam Padam”はTikTokでバイラル化したことで若いリスナーにもリーチし、世代を超えたヒットナンバーに。同曲がクィアコミュニティからクィアネスを讃えるものとして解釈されたのは、カイリーが長年クィアアイコンであり続けてきたことに対する信頼とリスペクトがあるからだろう。
約14年ぶりとなる来日公演は、カイリーミノーグの40年近いキャリアすべてをセレブレートする輝かしいものになるはずだ。永遠のポップディーヴァが、日本に再び舞い降りる瞬間は見逃せない。
カイリー・ミノーグ『Tension Tour 2025』

開催日時:3月12日(水)
Open 17:30 / Start 19:00
会場:有明アリーナ
公演ホームページ:https://www.livenation.co.jp/kylieminogue-2025