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映画『この夏の星を見る』解説 若者たちの祈りと意志が込められた、力強い青春映画

2025.7.22

#MOVIE

オンラインと星空が繋いでいく青春の日々

新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るった2020年。休校要請により多くの中高生は自宅謹慎を余儀なくされ、「学校」という青春の舞台を奪われた。休校が明けた後もコロナウイルス感染拡大防止のため、茨城県の高校に通う亜紗(桜田ひより)は所属する天文部の活動を制限されている。そんなある日、彼女の高校に一本の電話がかかってきた——

「スターキャッチ、中学生でもできますか?」

スターキャッチコンテストは2015年、茨城県立土浦第三高等学校科学部が実際に企画©2025「この夏の星を⾒る」製作委員会

亜紗の所属する天文部に電話をかけてきたのは、東京の中学校に通う真宙(黒川想矢)だった。「スターキャッチコンテスト」とは、指定された天体をいかに速く望遠鏡で捉えるかを争う競技だ。その魅力は東京の理科部に所属する真宙たちや、長崎の天文台に通う高校生をも惹きつけ、やがて彼らはオンライン会議ツールを使ってコンテストを実施しようと動き出す。コロナ禍におけるさまざまな制限が、予期せぬ形で、茨城の高校生、東京の中学生、長崎の高校生を繋ぎ、物理的な距離を越える絆を育んでいく。

『国宝』に続いて主役級の抜擢となった黒川想矢(中央)©2025「この夏の星を⾒る」製作委員会

コロナ禍以前では交わることがなかった全く異なる場所で青春の日々を送る中高生たちが繋がっていく過程は、思わず心が高揚する。場所が離れていても同じ「空」というフィールドで競技に行うことができる「スターキャッチコンテスト」を題材にした本作特有の魅力的な物語だ。

親友同士の円華(中野有紗・右)と小春(早瀬憩・左)は長崎の離島でコロナ禍に翻弄される©2025「この夏の星を⾒る」製作委員会

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