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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

粉川心×八幡亜樹対談 ビジネスの枠にとらわれず、アートを体現する生き方のゆくえ

2024.9.30

kott presents RS5pb『TOTEM』

#PR #MUSIC

突き詰めたい気持ちと、刺激を求める気持ちが相剋している

八幡:私は、美術表現は映像がメインですけど、色んなメディアを繋ぎ合わせられる自由度もあるからやっていて広がりがあるけど、ドラムだけを一生やり続ける感覚って、多分ちょっと私の芸術と違うんだろうなと思っていて。そこってどんな感じですか?

粉川:ある意味諦めてますね。ここまでやってきたから今世はこいつと付き合うしかないなっていう。今から何かを一から始めてドラム以上の表現媒体を作り上げるというのはかなり難しいですし。1個ドラムって基準が決まると、それで何ができるかを考え出す。例えば、ウクレレやろうかな、ギターやろうかなって迷うと全部ブレちゃう。でもドラムだけやろうって決めたら、ドラム×映像であったり、ドラム×何か。になったりとドラムを主軸に何かビビッとくるものをやろうというマインドになる。

八幡:ドラム×何かという展開はあるけど、ドラム自体はもうこれ以上ないみたいなところで極まっている状況?

粉川:アコースティックなフリージャズのスタイルでは伸び代が少なくなって来ていると思っていて。だから、エレクトロ化するとか、別の発想が最近は出てきてます。

八幡:どういうこと?

粉川:全ドラムにセンサーをつけて、それにエフェクトを繋げて、機械化しつつ全く違うものとしてプレイするとか。逆に、それこそ愚直にドラムのアコースティックの部分だけをここから20年続けていけば、全然違う表現にたどり着けるだろうけど、今はそれよりも他の可能性を探していますね。

ミニマムでいたいと常に思ってるから、本当はこれ以上機材の量を増やしたくないんですけど、その精神に対してドラムセットっていうのはすでにミニマムじゃなさすぎる。それはドラムの嫌いなところですね。

ードラムにエフェクトをつけたら、ミニマムからまた遠のいてしまう?

粉川:そうなんですよ。どんどん遠のいちゃうんですよ。でも、アコースティックである程度やりきったので、何か違うワクワクを感じたいというところですね。もう30年近くあいつと向き合ってますからね。改革したいと思ってます。

ードキドキすることはドラムを続ける上で大事なことですか。

粉川:もうそれが全てです。全てにおいて、ドキドキがなくなった時点で僕は興味がなくなっています。刺激を求めるという意味では、1つの指標でもありますよね。常に心の声には耳を傾けているし、その声には必ず従うことにしています。

八幡:私も自分の作品で自分がワクワクできないものを人に見せたくない。そういうものだなと思います。

粉川:そのセンサーは大切な判断基準ですね。

八幡:ドラムだけで突き詰めるっていう感覚と、ワクワクしてた方がいいものができるっていう感覚が粉川さんにあるから、すごく難しいんだろうなって思いました。

粉川:確かにそれは最近感じている難しさなのかもしれない。芸術としてのピュアさを守りながら、心はワクワクしながら、ビジネスも何とかこなしながら、何処までバランスを崩さずに走れるか。持久力が試されますよね。まあ今まで走り続けてきて少し疲れてるものあると思うので、この一年は目の前のできる事を粛々と進めるという事をやっています。その先に開けた明るい未来を想像しつつ、真摯にアートと向き合い続けるしかないんだと思いますね。

kott presents RS5pb『TOTEM』release party

日時:2024年10月6日(日) OPEN 17:00/START 18:00
出演:RS5pb kott キツネの嫁入り DJ: Masaki Tamura Shunpuri
チケット:前売 4,000円+1D
詳細:https://metro.ne.jp/schedule/241006/

撮影場所:京都市京セラ美術館 

粉川心の所属するkottは2023年7月にファーストアルバムのリリースに合わせて京都市京セラ美術館内のミュージアムカフェENFUSEにて共同企画「Inter-section Vol.2」を開催。
八幡亜樹は2023年2月に京都市京セラ美術館ザ・トライアングルにて、「ベシュバルマクと呼ばないで//2022」を発表。https://kyotocity-kyocera.museum/exhibition/20230214-20230528

京都市京セラ美術館概要
〒606-8344 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:00〜18:00(最終入場は展覧会ごとに異なる)
休館日:月曜日※祝日の場合は開館 、年末年始
公式 HP:https://kyotocity-kyocera.museum/

ENFUSE
住所:〒606-8344 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町124
開館時間:10:30~19:00 ※L.O18時
休館日:月曜日※美術館に準ずる
公式HP:https://enfuse.jp/

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