INDEX
派生イベント『イナズマフードGP』は地域の一大イベントに
『イナズマ』が始まった頃、多くのフェスの客層の主流は今よりもコアな音楽ファンであり、出演者はテレビの人気者ではなくインディーズのアーティストやオルタナティブ系のロックバンドが多かった。そして、自身がしばしば「呼ばれてなかった」と語るように、当時T.M.Revolutionとしてメインストリームのど真ん中にいた西川はこの頃まで大きなフェスにほとんど出ていない。誤解を恐れずにいえば、この時点で西川は経験豊富なフェスを熟知したイベンターではなかったのである。
なお、初回の準備期間は半年ほどだったというが、短期間で開催にこぎつけたことはむやみに理念や理想を捏ね回さず、他のフェスの模倣に陥ることを回避できたという意味で極めて重要だった。


当然そこに至るには、相当な打ち合わせや調整があったことは想像に難くない。そして、そもそもフェスを始めるきっかけが、西川の滋賀ふるさと観光大使就任であることをふまえれば、そのパートナーに滋賀県をはじめとした行政が含まれていたのは必然といえよう。

その影響もあって地元企業や団体の協賛や協力はスムーズにすすみ、県民も『イナズマ』に積極的に関与するようになった。毎年開催される『イナズマフードGPXL』は、イナズマロック フェスに出展する権利を巡って県内外の飲食店がしのぎを削るイベントだが、これだけで数万人を動員する、地域の一大イベントへ発展した。

