メインコンテンツまでスキップ
NEWS EVENT SPECIAL SERIES

『イナズマロック フェス』を音楽社会学者の永井純一が解説 マスとローカルの同居が魅力

2024.9.11

イナズマロックフェス

#PR #MUSIC

派生イベント『イナズマフードGP』は地域の一大イベントに

『イナズマ』が始まった頃、多くのフェスの客層の主流は今よりもコアな音楽ファンであり、出演者はテレビの人気者ではなくインディーズのアーティストやオルタナティブ系のロックバンドが多かった。そして、自身がしばしば「呼ばれてなかった」と語るように、当時T.M.Revolutionとしてメインストリームのど真ん中にいた西川はこの頃まで大きなフェスにほとんど出ていない。誤解を恐れずにいえば、この時点で西川は経験豊富なフェスを熟知したイベンターではなかったのである。

なお、初回の準備期間は半年ほどだったというが、短期間で開催にこぎつけたことはむやみに理念や理想を捏ね回さず、他のフェスの模倣に陥ることを回避できたという意味で極めて重要だった。

西川自ら各アーティストの応援のため舞台袖までかけつける
スタッフに差し入れ

当然そこに至るには、相当な打ち合わせや調整があったことは想像に難くない。そして、そもそもフェスを始めるきっかけが、西川の滋賀ふるさと観光大使就任であることをふまえれば、そのパートナーに滋賀県をはじめとした行政が含まれていたのは必然といえよう。

滋賀県・草津市内に設置された「デザインマンホール蓋」

その影響もあって地元企業や団体の協賛や協力はスムーズにすすみ、県民も『イナズマ』に積極的に関与するようになった。毎年開催される『イナズマフードGPXL』は、イナズマロック フェスに出展する権利を巡って県内外の飲食店がしのぎを削るイベントだが、これだけで数万人を動員する、地域の一大イベントへ発展した。

『イナズマロックフェス2024』への出展をかけた『イナズマフードGPXL2024』の様子 公式サイト
日本全国のご当地グルメを引っ提げ60店舗が集結。来場者投票により上位28位以内に入賞した飲食店が出展権利を獲得する。

RECOMMEND

NiEW’S PLAYLIST

編集部がオススメする音楽を随時更新中🆕

時代の機微に反応し、新しい選択肢を提示してくれるアーティストを紹介するプレイリスト「NiEW Best Music」。

有名無名やジャンル、国境を問わず、NiEW編集部がオススメする音楽を随時更新しています。

EVENTS