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「盆栽の聖地」さいたま発。ローカルの価値を見つめ直すアートプロジェクトをレポート

2025.4.2

空想するさいたま

#PR #ART

さいたまに、盆栽のユートピアがあった

「大宮盆栽村」は、東武アーバンパークライン・大宮公園駅の北側一帯に位置する盆栽園の密集エリアである。関東大震災後に、東京で被災した盆栽職人たちが新天地を求め、地盤が強く良質な土、水、空気が盆栽の生育に適したこの場所に、集団で移住してきたのがその始まりだという。

昭和10年ごろに描かれた大宮盆栽村の地図絵。提供=さいたま市大宮盆栽美術館

当時は「各家で盆栽を10鉢以上持つこと」「門戸は開放すること」「二階建てはNG」「垣根は生垣とすること」といった盆栽愛あふれる共同体のルールも制定されていたそうで、その様相はさながら盆栽職人たちによる梁山泊。引き寄せられるように愛好者・関係者たちが続々と集い、戦前の最盛期には30以上の盆栽園が集まっていたという。盆栽が好きという共通点で結ばれた自治共同体は、さながら盆栽ユートピアのようだ。

その後、正式な町名も「盆栽町」に変更され、2010年には世界初の公立盆栽美術館「さいたま市大宮盆栽美術館」が誕生。現在では盆栽園の数こそ6つと少なくはなってしまったものの、伝統的かつ高度な技術を有する職人たちと新たな表現に挑戦する若手とが共存し、日本、ひいては世界のBONSAI文化の中核を担い続けている。

関東大震災後の1925年にその歴史をスタートさせた「大宮盆栽村」は、2025年でちょうど100周年を迎える。その100年は、盆栽を愛する人たちが意志と熱意をもって歩んできた日々の積み重ねなのだろう。

盆栽園のひとつ「芙蓉園」。四季の移り変わりを楽しめる「雑木盆栽」と、他種の植物をひと鉢に共存させる「寄せ植え」に力を入れてきたという。

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