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ある日の深夜、突然結成された「惚てってるズ」
ー2024年に開催された旗揚げ公演のコメントには「3年前の深夜に大地くんの家で結成してからようやくこの日を迎えられた」とありましたが、この日、どんなことが起きていたのか伺いたいです。
前原:その日は僕と大地くんの2人でお酒を飲んでいて。大地くんが珍しく赤くなっていたので「ほてってるやん」と言っていたら、その響きがすごく気に入ってきて。
金子:(前原くんが)「惚てってるズ、って、どう!?」って、彼はすごく興奮してましたね。
前原:大地くんもクールぶってますけど、当日はすごい盛り上がってて。「惚てってるズ」って名前が決まった瞬間に、冷蔵庫と洗濯機にでっかく「惚てってるズ」って書いて。
金子:僕、そういう熱いところがあるんですよ(笑)。

前原:その場で「火照る」じゃなくて「惚てる」という可愛らしい漢字を選ぶことまで決めて、すぐにグループラインを作りました。三村くんにも「惚てってるズを結成したので、よろしくお願いします」と連絡して。それが結成の瞬間よね。
三村:金子くんが着ている白いTシャツに「惚てってるズ」って書いてある画像と、「惚てってるズ、やるよ〜!」っていうメッセージだけが来て。「何これ?」みたいな。「ズ」がついてるから、グループっぽいな、ということだけが分かったんですけど。何が結成されたのかは分からずにいましたね(笑)。
ー旗揚げ公演の際のコメントには「2、3年前からなんか面白いことやろうよとだけ言い続けて実現できていなかった」とも書かれていました。個人的にも「何かやろう」と話したものの、実現できなかった計画が多くあるので、口にするだけでなく行動に移された皆さんは本当にすごいと思います。皆さんが「惚てってるズ」を始動させるに至ったモチベーションはどんな部分にあったのでしょうか?
金子:僕たち俳優は普段、受け身なので。そうじゃなくて、自分たちがやりたい題材で、やりたいことをやれる場が年に1回くらいあったら幸せだなあという思いが、自分にとっては一番のモチベーションだったように思います。
前原:僕は、完全に自分の話ですけど、俳優同士が馴れ合う感じというか、何かを生み出さないままで集まることが嫌なんですよ。だから金子くんと三村くんに対しても、大好きでずっと一緒にいたいからこそ、一緒に何かを作りたいという感覚がありました。
ーその感覚は、同業以外のご友人には起きない感覚なのでしょうか?
前原:起きないかもしれないですね。俳優同士で集まると、愚痴になることが多くて……ずっと文句を言い合っているのが嫌だからこそ、前向きになれる瞬間が欲しかったのかもしれません。
ー三村さんと金子さんの中にも、前原さんに近しい感覚はありますか?
三村:僕は人と何かを作ることに対して、基本的には不安が先に来るかもしれないです。でも、2人とは違っていて。ご飯を食べたり、遊んだりしている時に言うことが全部面白くて。僕はひたすら笑っているだけなんですけど、2人についていけば楽しい思いができそうだな、という予感がしたから、自分もありがたく一緒に活動している感じです。
金子:僕も人と何かを作りたいって欲は前原さんほどないですね。でも、自分たちがやっていることを面白いと思いたい、という気持ちがあります。
役者は歌手や芸人さんとはまた違って、アウトプットできる場があるようであんまりないというか……。もっと自由度高く、いつもと違う一面を見てもらえたら喜んでもらえるんじゃないか、という気持ちがずっとあって。悶々としたものを表現できる場がずっと欲しかったのかもしれません。
