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この10年で組みやすくなった、海外のアーティストのアジアツアー
ーDO MAKE SAY THINKはZepp Sendaiでもライブを行った2010年の来日以来、実に15年ぶりの来日です。なぜ今回来日が実現したのでしょうか?
佐藤:僕はINDIE ASIA(※)というプロジェクトでDO MAKEのアジアの窓口みたいなこともやっていて、アジアの別のプロモーターから、「こういうフェスがあるんだけど、DO MAKE出れないか」みたいな連絡がたまに来てたんです。でも彼らは大所帯バンドだし、なかなかスケジュールの調整が難しかったんですよね。でも今回来日が決まった一番大きな要因は、僕は今48歳で、彼らは僕よりちょっと年上なんですけど、みんな大体子育てが落ち着いたんですよ。海外はやっぱり奥さんや家族が最優先だったりするじゃないですか。それもあって、今までは難しいことが多かったけど、今回は結構すんなり決まりましたね。
※DIY精神を掲げ、日本及び海外の芸術家やミュージシャンのアジア諸国での活動を応援するプロジェクト。
ー子育ての時期はちゃんと家族を大事にして、一段落したらまたバンドをやる。そういうインディーバンドのあり方自体すごくいいですね。山崎さんはINDIE ASIAの活動をどう見ていますか?
山崎:最近はアジアのアーティストもどんどん日本に来て、ライブをやったりしてますけど、10年くらい前はアジアの各国のプロモーターやブッキングエージェントと話すと、「日本は誰に連絡していいのかわからない」って言われるんです。大きいアーティストに対しては、SMASHやCREATIVEMANのようなちゃんとしたプロモーターがいるんですけど、インディーのアーティストは受け口がなかった。だから毎回「誰かいないか探しておくよ」と言うことがずっと続いてたんですよね。海外のエージェントは、例えばアジアだと日本公演だけだと赤字になっちゃうから、タイ、マレーシア、シンガポール、台湾、日本、みたいなツアーを組んで、リスクを持ち合ってツアーを成立させたりするですけど、そういうことを恭さんが……気づいたらやってました(笑)。

佐藤:台湾や韓国のプロモーターと知り合う中で、アジアの通貨がバラバラだってことはちょっと気にしてたんですよね。ヨーロッパはユーロで通貨が統一されているので、ブッキングエージェントが一人いれば、ヨーロッパを全部回せるんですけど、昔のアジアは貧富の差もあって、難しくて。でもこの10年でアジア諸国の経済がある程度発展して、通貨のバランスも良くなったので、ツアーも組みやすくなったんですよね。
ーINDIE ASIAとFRIENDSHIP.で一緒にできることもありそうですね。
山崎:既にサポートアクトの紹介はしてますよね。
佐藤:コロナ前は僕が海外のアーティストを呼び過ぎて、券売が少し苦戦したりすると、「山崎さん、お客さんを呼べる若いアーティストがいたら紹介してください!」みたいな感じで相談したりして(笑)。僕はやっぱり一箇所だけじゃつまらないと思って、東名阪はもちろん、他のところでもできるならやりたいし、日本に来るアーティストもできるだけ多くやりたいって言うんです。とはいえ採算の問題があるので、大手のプロモーターも東京と大阪しか切らなかったりするけど、僕はすぐアーティストに情が入っちゃって本数を増やしちゃう。それで一時期はすごく大変だったんですけど……山崎さんが笑ってくれたので、それが嬉しかったですね(笑)。