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NEWS EVENT SPECIAL SERIES

『HELLO INDIE』主催の背景にある、トロントの想い出。収入格差なくライブを観せたい

2025.7.9

『HELLO INDIE』

#PR #MUSIC

チケット代上昇の流れの中で、投げ銭制は課題解決の一助となる

ー2025年は本編の前にZepp Shinjukuでスリーマンライブ『HELLO INDIE -THE THREE-』が開催されますね。

佐藤:『HELLO INDIE』ではマネージャーだけでなく、アーティストとも直接コミュニケーションを取るようにしていて、LITEのメンバーも気さくに僕に話しかけてくれるんです。そういう中で、「何かもう1個ぐらいあるといいですよね」みたいな話になって。単発のライブのために仙台に来て宿泊もすると、それだけでもお金がかかるじゃないですか。それが土曜だとしたら、金曜か日曜に何かもう一個イベントなりライブがあると、バンドにとっては意義のある週末の使い方になる。そういうことを提案してくれて。

ーそうやって主催者とバンドが気軽に意見交換ができるのはいいですね。

佐藤:そういうアドバイスもあって、金曜日にZepp Shinjukuでスリーマンをやることにしたんです。さっきも言いましたけど、仙台だけに強いこだわりがあるわけではなく、もちろんより多くの人にバンドのことを観てもらいたいので、その意味でも、複数都市でやった方が意味があるのかなと思いますね。

ー2025年の『HELLO INDIE』の開催に向けて、山崎さんはどんなことを考えていますか?

山崎:よりやりたいことが研ぎ澄まされてきてる感じはありますよね。無駄をなくすじゃないですけど、本当にいいアーティストを一番いい環境で観せて、お客さんが極力来やすいようにいろいろ設定したら、結果的にこの形になった、みたいな感じがします。課題で言うと、やっぱり投げ銭にまだ馴染みがないというか、まだ事前にチケットを買って行くのが一般的だし、いくら投げ銭をすればいいの? っていうのもわからなかったりすると思うから、本当に自由に決めていいんですよって、その部分をどう伝えていくかが大事なのかなって。

入場の際、会場に設置してある手作り投げ銭BOXに、自分でチケット代を入れることができる。各種電子決済 / QR支払い / 交通系IC / クレジットカードも対応。

佐藤:投げ銭なので、チケット代を払って、チケットをゲットしてもらう必要はないんですけど、需要が上回った場合に入場規制の可能性があるので、事前予約をしてもらってるんです。でもお客さんからすると、「投げ銭なのになんで予約?」と思う人もいると思うので、そういう情報ももうちょっと浸透させられればなって。

山崎:LITEが10周年のときに投げ銭でワンマンライブをやったんですよ。収支は全然読めなかったけど、バンドのアニバーサリーでもあり、ファンのための10周年でもあるから、みんなにとって良い形をバンドと一緒に模索しながら思い切ってやってみました。

結果、来場者と金額を平均したら、普通にチケット代をいただくのと同じぐらいだったんですよ。ちゃんとコンセプトを伝えて開催したら、そこに価値を感じた人はちゃんとお金を払うし、もちろん「お金はないけど、でも観たい」っていう人もいて、その人は払える分だけ払ってもらう。それを均等化していくと、ちゃんと適正なチケット代になっていくのはすごくフェアというか、リスクは主催者にあるんですけど、それがあるべき姿なのかなって。

ー面白いですね。ライブの適正価格について考えさせられます。

山崎:FRIENDSHIP.というデジタルディストリビューションサービスを運営している者として、解決すべき問題だと感じているのが、ストリーミングサービスにおけるアーティストへの収益還元についてです。たとえあるアーティストの楽曲がどんなに好きでも、ストリーミングは一回聴いたらいくらって、一律に決まった収益になっています。でもその1曲を聴くのにすごく価値を感じている人もいれば、たまたま耳に入ってきて、どんなアーティストかわからないまま聴き終わる人もいる。それが「1再生」として平均化されて、「曲の再生回数」という指標だけの収益構造になっていて、音楽の真の価値とアーティストの努力が正当に評価されていないと感じることがあります。

同じようなことがライブのチケット代にも言えて、今は物価も上がってライブ開催にかかるコストも上がっており、チケット代もどんどん高くなって、本当にライブを観たい人が気軽には行けない、みたいなことになってると思うんですよね。Pay What You Canの浸透は、リスナーに適正価格を委ねてライブに来てもらい、アーティストは新しいファンを獲得する機会となる。結果として持続可能なアーティスト活動へ繋がる。そういった課題の解決にもつながることを期待しています。

佐藤:2024年に初めてPay What You Canをやって、来てくださった人は「すごくいいイベントだった」って、SNSで書いてくれたりして、1万円くらい投げてくれた人もいて。さっきのLITEの10周年もすごくいい話で、支えてくれたお客さんに対しての感謝の気持ちで投げ銭にするのはアーティストの信念を感じるし、それに感謝を込めてお金を払うファンの人たちもいて、相乗効果を生んでますよね。『HELLO INDIE』とお客さんの関係も、そうなっていけたらすごくいいなと思います。

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